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ワーナー・ブラザース創業者の孫がパラマウント買収案に警鐘「Netflixとの統合こそ最善だった」

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ワーナー・ブラザース創業者の孫グレゴリー・オアが、現在進む買収案について警鐘
グレゴリー・オア 写真:Frederick M. Brown/Getty Images
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ハリウッドの歴史を象徴するスタジオの行方をめぐり、創業家の一員が強い懸念を示している。ワーナー・ブラザース創業者ジャック・ワーナーの孫で映画監督のグレゴリー・オアが、いま議論が続くスタジオ再編構想について「スタジオの将来を危険にさらす可能性がある」と警告した。

ワーナー・ブラザース創業者の孫がNetflixの買収案を支持する理由

当初、オアは動画配信最大手Netflixによる買収提案に懐疑的だった。しかし検討が進むにつれ、その評価は大きく変化したという。

彼は「歴史ある映画スタジオが世界的なコンテンツ企業として成長するうえで、Netflixこそ最も強力なパートナーだった」と語る。

Netflixの提示額は1株27.75ドル(約4,330円 ※1ドル=156円換算、2026年2月28日現在)。当初は低いと感じたものの、1956年にワーナー兄弟が株式を手放した際の価格とほぼ同水準だったことに、皮肉な歴史的符合を見いだしたという。

しかし最終的にNetflixは交渉から撤退。現在はパラマウント・グローバルスカイダンスによる買収案が有力視されている。

「パラマウント案は“ショットガン・ウェディング(望まぬ結婚)”」

オアが特に危惧するのは、パラマウント側の財務状況だ。

「なぜ彼らがワーナーを買うべきなのか、説得力ある理由が見えない。恩恵を受けるのはパラマウント側だ」と指摘。
Netflixと比較して、グローバル配信基盤や資金力、収益構造が弱い点を問題視している。

さらに、スカイダンスを率いるデヴィッド・エリソンの過去のコスト削減方針にも言及。統合によって人員削減や組織再編が進む可能性を懸念し、「高い負債は最終的に縮小を招く」と語った。

Netflixとの統合を「良い結婚」に例える一方、今回の合併については「愚かな親戚とのできちゃった結婚のようなもの」と辛辣に表現している。

ワーナー・ブラザース創業家としての“個人的な思い”

オアにとってこの問題は単なる業界ニュースではない。父ウィリアム・T・オアは同スタジオでテレビ部門責任者を務め、母ジョイ・ペイジは名作『カサブランカ』に出演。そして祖父ジャック・ワーナーはスタジオ創業者の一人だった。

「会社が生き残り、繁栄することは私にとって個人的な問題だ」と語る。

ハリウッド政治と買収の行方

今回の大型再編には政治的要素も影響しているとオアは見る。特にドナルド・トランプ政権期には規制当局や政治勢力の姿勢が取引の成否を左右する可能性があり、議会公聴会でのNetflix共同CEOテッド・サランドスの証言を引き合いに、業界が常に政治的圧力にさらされている現状を指摘した。

一方、ハリウッドでは『アバター』『タイタニック』の監督として知られるジェームズ・キャメロンがパラマウント支持派の中心人物として動いている。

劇場公開をめぐる不安は「もはや過去」

かつてNetflixは劇場公開を軽視していると批判されてきたが、オアは「現在は状況が変わった」と評価する。

近年の発言や方針から、劇場公開が収益と宣伝効果を生む限り、Netflixは映画館との共存を重視する柔軟なモデルへ移行しつつあると分析している。

AIとYouTube時代、スタジオに必要な“防壁”

オアが最も恐れているのは、買収そのものではなくテクノロジー競争だ。

YouTubeの台頭やAI技術の進化によって、映画産業は新たな競争環境に直面している。「Netflixなら資金力と規模によってスタジオを守る“高い壁”になったはずだ」と語る。

ワーナーはこれまでにも、トーキー映画導入や政治的圧力、買収劇など数々の危機を乗り越えてきた。だが今後の最大の脅威は、技術革新とグローバル競争だという。

“答えを出すのは観客”

最終的に業界の命運を握るのは観客だとオアは強調する。

「映画製作者は作品を作り、企業は収益化する。そして最終判断を下す陪審員は常に観客だった」

配信、劇場、AI——環境が変化し続けるなか、ハリウッドが生き残るには市場の変化に適応する柔軟性が不可欠だと結論づけた。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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