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ケヴィン・スペイシー『ハウス・オブ・カード』事件、1億ドル超巡る裁判へ――争点は“病気”か“スキャンダル”か

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ケヴィン・スペイシー『ハウス・オブ・カード』事件が裁判へ
ケヴィン・スペイシー『ハウス・オブ・カード』より 写真:Courtesy of Netflix
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Netflixドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』の最終シーズンを巡る法廷闘争が、本格審理に入った。俳優ケヴィン・スペイシーの降板によって生じた損失を巡り、制作会社と保険会社が対立。争点は、損失の原因が“病気”だったのか、それともスキャンダルによる経営判断だったのかという一点に集約されている。

ケヴィン・スペイシー『ハウス・オブ・カード』事件 裁判の核心

問題の発端は2017年10月。米BuzzFeedやCNNが、ケヴィン・スペイシーに対する性的暴行疑惑を相次いで報じた。これを受け、制作会社Media Rights Capital(MRC)は撮影を一時中断。その後、スペイシーはアリゾナ州の高級リハビリ施設「The Meadows」に入所した。

当時すでに『ハウス・オブ・カード』シーズン6の最初の2話は撮影済みだったが、MRCは最終的に既存脚本を破棄し、スペイシー演じる主人公フランク・アンダーウッドを完全に退場させる新たなストーリーへと舵を切った。

この決断により生じた巨額損失を巡り、MRCは保険会社Fireman’s Fundに補償を求めている。請求額は1億ドル(約150億円)超に上るとされる。

「病気」か「経営判断」か

保険契約では、「病気」によって生じた損失は補償対象と定められていた。ただし、契約上の「病気」の定義は明確ではない。

MRC側は、スペイシーが“性依存症”という病により治療を必要とし、撮影に復帰できない状態だったと主張している。さらに、復帰すれば精神的に深刻な影響が及ぶ可能性があったとの証言も示された。

一方、Fireman’s Fund側は、降板はあくまでメディア報道と世論の反発を受けた経営上の判断だと反論する。つまり損失は「病気」ではなく「スキャンダル」に起因するものであり、保険適用外だという立場だ。

Netflixの影響力も争点に

裁判ではNetflixの関与も焦点となる。配給契約上Netflixは、脚本やキャスティングに対する意見が分かれた場合に最終決定できる「タイブレーカー権」を持っていたとされる。

Fireman’s Fundは、CNN報道後にNetflixがスペイシー続投に難色を示し、新エピソードの配信を拒否する可能性を示唆したと主張している。実際、スペイシー主演映画『Gore』の公開も見送られた。

これに対し、MRCはNetflixが正式に権利を行使した事実はないと反論。最終的な降板決定は自社判断だったとしている。

スペイシー本人が証言へ

今回の裁判では、スペイシー本人が証言台に立つ見通しだ。過去の仲裁では、契約違反を理由に約3,100万ドル(約47億円)の支払いを命じられていたが、その後MRCとの間で和解が成立し、支払額は大幅に減額されたとされる。

ただし今回の裁判は、彼個人の責任追及というよりも、制作保険の適用範囲を巡る法的判断が中心となる。

陪審が判断すべきは、シーズン6の損失が主として病気によって生じたものかどうかという点だ。仮にMRC側が勝訴すれば、今後、制作会社が俳優の不祥事を「病気」に起因するとして保険請求する前例となる可能性がある。

ケヴィン・スペイシー『ハウス・オブ・カード』事件の裁判は、ハリウッドの制作保険の在り方そのものに影響を与えかねない重要な判例となる可能性がある。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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