『TOKYO VICE』製作陣が語る、日本ロケとシーズン3の可能性「紆余曲折の連続」
WOWOWと米Max(旧HBO Max)の日米共同制作ドラマ『TOKYO VICE』のエグゼクティブプロデューサー、J・T・ロジャースとアラン・プールが、米『ハリウッド・リポーター』のインタビューに登場。
日本での撮影、レジェンド俳優との仕事から、シーズン3の可能性に至るまで語ってくれた。
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― この5年間で、撮影や制作は容易になりましたか?
アラン・プール(以下、プール): シーズン1はコロナ禍の真っ只中で、誰も私たちのことを知らず、ただヤクザについてドラマを作るためにやってきたアメリカ人の集団だと思われていました。
そしてシーズン2のために戻ってきた時、日本の人々はシーズン1を見ていて、本作が“オーセンティック”で日本の本質に忠実だということを知っていたので、私たちは部外者からVIPになったのです。
また、小池百合子都知事がシーズン2への支援を約束してくれたことも、大きな転機となりました。
― ヤクザの世界をどのように詳細に描写したのか教えていただけますか?
J・T・ロジャース(以下、ロジャース):はっきり言っておきますが、違法なのでドラマ関係者はヤクザの構成員と話をすることはできません。
ヤクザを離れる場合は、破門されるか、自分で辞めるかです。自ら交渉して、それから現実の世界に出ていくのです。
だからエキストラとして出演したヤクザの多くは元構成員で、アドバイザーとして私たちと話をしてくれました。
― 笠松将さんは、菅田俊さんは日本のレジェンド俳優だと語っています。菅田さんのようなスーパースターとの仕事はどうでしたか?
ロジャース:本当に素晴らしかったですよ!
あの重厚な声と存在感、そしてカメラが止まると一変、彼はテディベアになるのです。「ああ、J.T.君、元気かい…」と。「どうしてそんなことができるんだ?」と思いましたよ(笑)。
そう、彼はレジェンドです!一緒に仕事ができて本当に嬉しかったです。
プール: 将が彼と仕事を始めた途端、威圧的になったのにはちょっと驚きました。彼は最高に優しい男で、冗談を言ってゲラゲラ笑うのが大好きだから。
でも、監督が “アクション”と言ったとたん、彼は怖くなります!
ロジャース: 指をクリックするだけで、彼は変身します。
― 日本ロケにおいて、アメリカの制作会社と一緒に仕事をする上で課題はありましたか?
ロジャース:文化が全く異なることから、特にシーズン1のロケスタッフにとっては至難の業でした。
ロケ地ごとに何度も打ち合わせをして、とても忍耐が必要でしたね。
しかし、シーズン1で学んだことの1つに、真の主役は東京なのだということがあります。なので、シーズン2ではさらにロケを増やしたかったのです。
シーズン2でどれだけ多くの街が映し出されたか、私たち全員が本当に誇りに思っています。
― 第3シーズンはあるのでしょうか?もしあるとしたら、どのようなものになりそうですか?
ロジャース: シーズン3を作りたいです。ご存知のように、すべての茶葉がどのように展開するか、そのすべてを見なければならない。
『TOKYO VICE』というタイトル以外は何も言うつもりはありません(笑)。でも、紆余曲折の連続になるでしょう。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。翻訳/和田 萌
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