第37回東京国際映画祭、コンペ部門の審査委員長はトニー・レオン
第37回東京国際映画祭(10月28日~11月6日)のコンペティション部門の審査委員長に香港の俳優トニー・レオンが就任した。17日、映画祭事務局が発表した。
レオンは、「大変光栄に思います。日本は私にとって、いろいろな意味で身近な国であり、このような形で映画の祭典に参加できることは、私にとって大きなことです」と喜びのコメント。親日家としても知られ、「12歳の頃から日本映画の名作を見に行っていました。このような映画館へのエキサイティングな旅が、私にとって日本映画、人々、そして日本文化への大きな愛の始まりであり、その愛はどんどん大きくなっていきました」と語った。
審査委員長を務めるに当たっては、「この映画祭が驚きに満ちたとても楽しいものになることを期待し、また確信しています。私が望むのは質の高い映画の大胆なラインナップで、ちょっとした冒険を味わえることです。審査について私が『感じる』のは、審査員の仲間と私自身の感覚を信じることが、審査のプロセスに貢献するはずということです」と抱負。映画祭の安藤裕康チェアマンは、「アジアを代表する映画人として輝かしい経歴を有するトニー・レオン氏に審査委員長をお引き受け頂いたことは、本当に喜ばしく、深く感謝しています。今年の映画祭を大いに盛り上げることでしょう」と期待した。
レオンはテレビで活躍した後、1983年から映画界に転身。1989年、主演したホウ・シャオシェン監督の『非城情市』がヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を獲得し、世界的な注目を集めた。95年、トラン・アン・ユン監督の『シクロ』も同賞に輝き、2000年にはウォン・カーウァイ監督の『花様年華』で最優秀男優賞を受賞し、その地位を確固たるものにした。23年にはヴェネチアで生涯功労金獅子賞を授与されている。
東京国際映画祭には、『花様年華』のほか、07年『傷だらけの男たち』、08年『レッドクリフ PartⅠ』などで参加。現在、主演映画『無名』が日本で公開されている。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元