Amazon Prime Video、2025年に向けて広告事業を拡大 ― 2024年は広告導入により業界を揺るがす

今年の初め、Amazon Prime Videoは有料サービスでありながら広告を導入し、広告業界に大きな衝撃を与えた。

追加料金を支払えば、広告なしで利用することもできたが、ほとんどのユーザーは追加料金を払わずに、広告付きのPrime Videoをそのまま使い続けていた。

この動きによって、Prime Videoは一瞬で世界最大の広告対応サブスクリプション型ストリーミングサービスとなり、この動きをフルに活用して、今年は18億ドル以上の事前広告契約を獲得した（The Informationより）。

2025年に向けた広告戦略を展開か？

Amazonは、広告対応型のモデルを強化する中で、2025年に向けてさらなる成長を見据え、いくつもの戦略を巧みに展開していく。

まず、Prime Videoはさらに多くの広告枠を追加すると予想されている、それが具体的にどのような形を取るかはまだ不明だが、広告枠が増える可能性もあれば、一時停止中の広告やさまざまなスポンサーシップ形式が増えるなど、マーケティングの機会が拡大する可能性もある。

Amazonの広告部門の幹部であるケリー・デイ氏は、Financial Timesのインタビューで、2025年にはPrime Videoの広告が「少し増える見込みだ」と語っているが、全体的には広告を少なめに抑える方針を維持する予定だとしている。

また、Amazonの広報担当者は、米ハリウッドレポーターに対して「私たちは、地上波テレビや他のストリーミングサービスよりも広告を大幅に少なくするという計画を変更しておらず、優れた顧客体験を提供するために広告量を評価し続けています」と語っている。

いずれにせよ、Amazonの広告事業拡大は競合他社にとって大きな課題となるだろう。Prime Videoには『フォールアウト』のような人気番組やNFLなどのスポーツが揃っており、視聴者を引き寄せている。

ストリーミング広告市場の競争激化とその影響

今年の初めにPrime Videoが広告を導入した際、ストリーミングビデオ広告市場は広告枠で溢れ、競合するストリーミングサービスの広告セールス幹部2人は、内部目標を達成できなかったと感じている。それでも前年と比べてストリーミング広告収入は順調に増加した。

2025年も同様の問題が発生する可能性がある。

特にPrime Videoは、リーチ力だけでなくライブスポーツに強みを持っているため、それが影響を与える可能性がある。ニールセンによると、Thursday Night Footballの視聴者数は1試合あたり約1,500万人で、昨年の数字を25％上回っていた。

今シーズン50以上の新しいブランドがTNFのスポンサーとして参加していると発表し、Verizon、Subway、State Farm、AllState、JCPenneyなどが試合前後のカバレッジ、ハーフタイム、その他のプログラムのスポンサーとして戻ってきた。

また、Amazonは試合にショッパブル広告やインタラクティブ広告を導入し、戦略的な優先事項を拡大し、Amazonの小売業の強みを活かしている。

Amazon Adsのライブスポーツおよびビデオセールスの責任者であるダニエル・カーニー氏は、TNFのキックオフに際して「ライブスポーツコンテンツは引き続き規模を拡大し、Amazonでは顧客リーチと独自のインサイト、革新的な広告技術を組み合わせることで、ブランドにとって意味のある機会を創出しています。Amazonで商品を販売するブランドだけでなく、すべての広告主に対応できるフルファネルの機能を提供しています」と述べている。

さらに、来年にはPrime VideoにNBAが追加され、スポーツコンテンツが大幅に拡充される予定で、スポンサーがスポーツ市場の一部を獲得するための広告機会も提供される。

確かに、広告はAmazon全体にとって大きなビジネスとなっている。第2四半期には広告収入が127億ドルに達し、前年比20％の増加を記録した。

そのほとんどは依然として小売業からのものだが、Prime Videoは成長の原動力になると予想されており、スポーツ、新しいエンターテインメントプログラム、新しい広告形式、そしておそらく広告量の拡大が来年の成長を促進する要因となるだろう。

※この記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら。

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