『Black Box Diaries』レビュー:日本の#MeToo運動の象徴を追ったドキュメンタリー

Face of Japan's #MeToo Movement Speaks Out
『Black Box Diaries』 写真:Tsutomu Harigaya
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伊藤詩織監督が、自身が性的暴行被害を訴えた経験について記者たちに語るシーンが、ドキュメンタリー映画Black Box Diaries(原題)』の中で描かれている。多くの性暴力被害者が経験する、公の場で再び自らの体験を語らなければならないような場面で、彼女は社会が求める勇敢な女性像の典型となっている。

伊藤さんは、警察が当初、被害届の受理を拒否したことや警察が並べた言い訳について語る時も声は落ち着いていた。警察は、性犯罪の捜査は難しい、伊藤さんに性加害を加えたとされる山口敬之氏は、元TBSワシントン支局長で故安倍晋三首相の友人で、あまりに権力が強かったため捜査できないと言った。

数か月後、当局は伊藤さんの事件を放棄し、若きジャーナリストである伊藤さんは公表することを決意する。彼女は2017年5月に前述の記者会見を開き、5か月後には回想録を出版した。

伊藤さんの行動は、日本でレイプ被害者の報告率が10%未満という状況の中で、非常に稀な一歩となった。これが国内で#MeToo運動を引き起こし、性暴力や加害者、そして被害者に対する国民の姿勢を見直す契機となった。

10月25日にアメリカで公開された『Black Box Diaries』は、伊藤さんが法的救済を求めた試みを記録している。iPhoneでのビデオ撮影、ニュース報道、伊藤さんが被害にあった夜のホテルの防犯映像、音声録音などを組み合わせた本作は、生存と救済のための迫真の証言となっている。

伊藤さんの周囲の多くの人は、彼女に公表しないよう説得を試みた。家族や事件を放棄した捜査官の一部との会話が『Black Box Diaries』には含まれており、日本社会での沈黙の文化を育む恐怖の深さが浮き彫りにされる。人々は、職を失うことや評判が損なわれること、そして伊藤さんが激しい非難にさらされることを恐れている。

それでも、彼女はこの職業に導いた価値観に支えられ、行動を起こす。自身のケースをニュースのように徹底的に追求する姿勢により、本作は日本社会に不慣れな観客にも理解しやすく、手続きドキュメンタリーのようなリズムも加わっている。

多くのシーンで、伊藤さんは電話を録音し、大量のメモを取り、証拠書類や記録の書類に囲まれている。監督として彼女は、編集者や弁護士、友人との会話を通じて、なぜ刑事事件が放棄され民事訴訟が選ばれたのか、そして日本社会の政治的背景が彼女の道をいかに複雑にしているのかを明らかにしている。

※この記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら

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