Netflix『ミッシング・ユー』主演のロザリンド・エリーザー、原作とドラマの違いを語る

Netflixの『ミッシング・ユー』の刑事カット・ドノヴァンを演じるロザリンド・エリーザー VISHAL SHARMA/NETFLIX
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アメリカの人気作家ハーラン・コーベン原作Netflix最新作『ミッシング・ユー』で主演を務めるロザリンド・エリーザー、「作品に深く関わりすぎて、カットを一言で表すのが難しい。まるで自分の皮膚の一部を剥がすようなものだ」と語る。

信じがたいかもしれないが、ロザリンド・エリーザーは、Netflixの『ミッシング・ユー』の刑事カット・ドノヴァン役よりも型破りな役を演じることに慣れている。しかし、そんな彼女にとっても本作の撮影は相当にハードなものとなったそうだ。

Netflixによるハーラン・コーベン原作の最新ドラマ『ミッシング・ユー』は、ドラマ『窓際のスパイ』で注目を集めた女優エリーザーが行方不明者専門の刑事を演じる。

11年前、彼女の婚約者であり人生の愛であるジョシュ(アシュリー・ウォルターズ演)が消息を絶った。デートアプリを見ていた彼女は、そこにジョシュの写真を見つけ、彼女の世界は再び崩壊の危機に瀕する。
この出来事により、彼女は父親(レニー・ヘンリー)の殺人をめぐる謎に再び飛び込み、過去に埋もれた秘密を暴くことになる。
コーベンはロンドンでのパネルディスカッションで、本作は「私が経験した中で最も感動的な結末」を持つと述べ、「実際に泣いた」とも語っていた。

ヴィクトリア・アサレ=アーチャーによって脚色された本作は、あらゆる場面で展開される予想外の展開により、キャラクターと視聴者の双方にとってスリリングな作品となっている。

1月1日にNetflixで全世界配信が開始されたこの5部作は、ミシェル・キーガン主演の同じくコーベン作品のNetflixドラマ『偽りの銃弾』に続くものである。『偽りの銃弾』は2024年のNetflix最多視聴TV番組となり、同社の歴代視聴率で8位となった。

イギリスの名優であるロザリンド・エリーザーと共に、 アシュリー・ウォルターズ、レニー・ヘンリー、リチャード・アーミティッジ、ジェシカ・プラマー、マット・ウィリス、ジェームズ・ネスビットという豪華キャストが共演する。以下、エリーザーがコーベン作品の普遍的な魅力、イギリスでの作品設定、予測不能な反響の現実について、ネタバレなしで米ハリウッド・リポーターに語った内容を紹介する。

「人々がどう思うかわからない。作品に深く関わりすぎて、自分の皮膚の一部を剥がすようなもの。」


—-カットにとって、本作は本当に感情的なローラーコースターですね

「彼女は次々と明かされる真実に圧倒され、考えたり息をつく暇もない。普通の世界なら、休憩を取って誰かに相談するように言うところですが、ハーラン・コーベンの世界ではそうはならない!彼女は強靭で、苦痛の中から立ち上がる。サバイバーであり、答えを見つけたがっている。多くのトラウマを経験しており、実生活で(同様の)経験を持つキャラクターを演じる際は常に非常に慎重でなければならないと思います。」

—-『ミッシング・ユー』の主役をどのように獲得したのでしょうか

「2023年の9月、8月か9月に、オーディションの依頼を受けた。その時は1話分の台本しかなかったので、すぐに原作を読みました。原作のカットが大好きになりました。原作と連続ドラマでは彼女は少し異なっていて、原作の方が少し控えめです。制作チームは、ドラマ化に際してもう少し前向きな性格を望んでいました。いつ役を得たかは覚えていませんが、10月だったはずで、そして1月に撮影を開始しました。」

2023年に『ミッシング・ユー』のオーディションの依頼を受けたというロザリンド・エリーザー WILL ALDERSLEY
2023年に『ミッシング・ユー』のオーディションの依頼を受けたというロザリンド・エリーザー WILL ALDERSLEY

—-オーディションを依頼される前からハーラン・コーベンのファンだったのでしょうか

「彼の本は大好きでした。いくつかのシリーズを観ていたし、フランス映画の『唇を閉ざせ』(2006年)も観ました。その作品が私の彼との最初の出会いでした。」

—-Netflixの『偽りの銃弾』は観ましたか

「ええ。本当に一気見せずにはいられない作品でした。コーベンは展開の組み立て方が並外れていると感じます。初めに『ミッシング・ユー』を読んだ時、その結末からは、まさかそんな展開になるとは信じられませんでした。別の展開を想像していました。正直、彼以上に(展開の組み立てが)上手い人を知りません。」

—-1月のTV番組として完璧ですね。『偽りの銃弾』は昨年、Netflixで世界的に最も視聴された作品でした。あなたのシリーズの配信に際して、それは重圧となりますか。

「重圧というより、むしろワクワクします。ファンがいて、人々が作品を愛してくれて、口コミで広がり、『ミッシング・ユー』も観てみようと思ってくれるなら、それは本当に素晴らしいことです。『偽りの銃弾』がNetflixの歴代最多視聴作品の1つになったことには驚きません。コーベンの作品は本当にスマートだと思います。」

—-脚本家たちがアメリカを舞台にしたこれらの物語をイギリスに移し替えたのは興味深いですね。それによって何か変化が生まれたと思いますか

「確かに変化は生まれたと思います。彼はフランスを舞台にした作品も作っていて、本人によると、アルゼンチンが舞台の作品を作る予定で、約6カ国でプロジェクトを進めているらしいです。こうやって作品の舞台をどの国へも持っていけるのは何故なのかと考えてみると、きっと彼は本当に普遍的な方法で書いているのだと思いました。原作を読んだ時、『これは絶対違う』と思いました。特に特定の場所を想定していた訳ではありませんが、私たちはマンチェスターで撮影しました。これがどう(イギリス風に)翻訳されるのかと思っていましたが、何故かいつもうまくいくのです。」

—-やはりコーベン作品は気の弱い人向けではありませんね…

「その通りですね。特にこの物語は、本当にハードな撮影でした。ハーラン(コーベン)とも話していたのですが、この作品は1人の人物についての物語なのです。彼の他の作品では主人公以外のキャラクターが絡み合っているのに対して、これは非常に彼女(主人公・カット)に集中していて、カットの心の中のパーソナルな旅を密接に描いています。短期間で多くの出来事が毎日起こる。ショッキングな展開があり、真実が明かされ、事件が起きる。でも私はそこが好きなのです。ハードさがある作品の方が好きなのです。」

ロザリンド・エリーザー『ミッシング・ユー』より Vishal Sharma/Netflix
ロザリンド・エリーザー『ミッシング・ユー』より Vishal Sharma/Netflix

—-ハーラン・コーベンは撮影や脚本制作に関わっていたのでしょうか?

「関わっています。何でも質問することができる環境でした。主にシリーズを脚色した(エグゼクティブプロデューサー兼脚本家の)ヴィクトリア(アサレ=アーチャー)と話をしていましたが、ハーラン(コーベン)も大いに関わっています。彼はエグゼクティブプロデューサーでもあるので、最終的な意思決定や何を望み、何を望まないかについて、作品作りのまさに中心にいます。」

—-カットは今までに演じた他のキャラクターと違いましたか?

「はい。(これまで)私が演じたキャラクターはそれぞれ異なりますが、カットは、いわゆる”普通”という意味では、今まで演じた中で最も普通かもしれない。私は、型破りで極端な存在感やエネルギーを持つキャラクターを演じる傾向があります。だから彼女は私が演じた中で最も普通というか平凡に近く、それもまた興味深かったです。そういう役は今までなかったので。以前の作品では、麻薬中毒者など他にも色々演じましたが、今回はより普通の路線で、それも私がこの役をやりたいと思った理由のひとつです。私は毎回の仕事、作品毎に異なる感覚を味わい、挑戦したいと思っています。同じようなキャラクターを何度も演じることほど嫌なことはないと感じます。この作品の後はきっと『刑事役はどうですか?』と聞かれることになるでしょうね(笑)それが我々の業界の仕組みなのでしょう。」

—-『Missing You』に対して観客はどう反応するでしょうか? 

「予測は難しいですね。作品に深く関わり過ぎているので、彼女(カット)のことや作品自体をまとめて語る事さえ難しいです。まるで自分の皮膚の一部を剥がすようなもので、誰かに『あなたの性格は?』と聞かれているようなものです。自分の性格なんてわからない、私の母に聞いた方が正しい回答があると思います。だから人々がどう思うかはわからないです。ですが、楽しんでもらえることを願っているし、カットの旅路に共感して、彼女のことを理解してもらえることを願っています。」

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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