【ネタバレあり】『ONE PIECE』シーズン2最終話の裏側は?原作者・尾田栄一郎の“ある助言”も
[本記事は、Netflixシリーズ『ONE PIECE』シーズン2のネタバレを含みます。]
2023年にNetflixで配信が開始された実写シリーズ版『ONE PIECE』。原作者・尾田栄一郎の全面的な関与のもとで制作された本作は、配信開始直後から世界的ヒットを記録。原作ファンの厳しい視線をクリアしながら、新規視聴者層の獲得にも成功し、グローバルIPとしての地位を確立した。
現在配信中のシーズン2では物語のスケールがさらに拡張される一方、制作体制には変化も生じた。ショーランナー兼製作総指揮のスティーヴン・マエダはシーズン1をもって退き、共同ショーランナーのマット・オーウェンズもシーズン2を最後にシリーズを離脱。現在はショーランナーのジョー・トラッツが中心となり、シーズン3では新たに脚本家兼共同製作総指揮としてイアン・ストークスが加わる。
こうした転換期にある『ONE PIECE』について、ジョー・トラッツが米『ハリウッド・リポーター』の取材に応じ、シーズン2の制作背景や脚色のアプローチ、そして今後の展望について語った。
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▼【ネタバレあり】『ONE PIECE』シーズン2製作者にインタビュー
――ショーランナーのマット(・オーウェンズ)とともに『ONE PIECE』を率いて学んだことはありますか?
実写版『ONE PIECE』は、最低でも2人のショーランナーが必要です。正直なところ、6人いてもいいくらいだと感じています(笑)。
現在、南アフリカでは2つの撮影ユニットが同時に稼働していますが、これは単なる『メインとサブ』という役割分担ではありません。実質的に2つのフルユニットが、それぞれ別のブロックを並行して撮影しているのです。これほど大規模なプロジェクトになると、体一つでは到底足りず、10箇所に同時にいたいと願うほど多忙を極めます。
前任のマットとスティーヴン(・マエダ)が、この『怪物』とも言える巨大な現場をどのようにコントロールしていたのか。シーズン2の制作を通じて、私自身も多くのことを学びました。

――新たに脚本家兼共同製作総指揮に就任するイアン(・ストークス)とのコラボレーションは、シーズン3にどのような雰囲気や創造性をもたらしますか?
イアンは、実写版『ONE PIECE』の立ち上げ当初からマットやスティーヴとともに深く制作に携わってきました。ファンの皆さんは、たとえ名前を知らなくても、すでに彼のすばらしい仕事を作品を通じて目にしているはずです。
制作の初期段階から現場を支えてきたイアンが、今回共同製作総指揮に昇格したのは、極めて自然な流れでした。彼は作品のあらゆるディテールを熟知しており、南アフリカ・ケープタウンでの現場経験も非常に豊富です。
シーズン1で築き上げられたキャストやスタッフというすばらしい『遺産』を、私たちは大切に守りながら、シーズン3へと引き継いでいます。
――シーズン3では、アラバスタ編に焦点を当てることが確定しています。1つのシーズンにどれだけの物語を盛り込むか、どのように判断していますか?
シーズン2の大きな決断は、バロックワークス編のどこまでを描くかでした。8エピソードにつめ込むことも可能ですが、そうすると一味の何気ないやり取りや独特な戦闘シーンなど、大事な「遊び」の部分が消えてしまいます。例えば今シーズンには「アンラッキーズ」が登場しますが、カットされると思っていたファンも多いでしょう。「ONE PIECEらしさ」を削ぎ落としてしまったら、それはもう『ONE PIECE』ではないと思うのです。
なのでシーズン2は「グランドライン突入編」として、物語に呼吸をさせる余裕を持たせました。ビビというキャラクターの多面性を知り、彼女の国を救いたいと心から思えるようにするためには、それなりの時間が必要です。結果として、今シーズンは島ごとに異なる冒険が展開される「旅のシーズン」になりました。

――プロデューサーは以前「全12シーズン」という構想を語っていましたが、もし理想のシーズン数まで続けられなくなった場合の「予備計画」などは考えていますか?
スタッフには子どもがいる者も多いので、自分が動けなくなったとしても彼らが跡を継げるよう、今から『ショーランナー教育』を始めるべきかもしれませんね(笑)。
……というのは冗談ですが、私たちはこの愛すべき物語を、最後まで一気に語り尽くしたいと心から願っています。
――シーズン2ではジョー・マンガニエロ(Mr.0/サー・クロコダイル役)や、チャリスラ・チャンドラン(ビビ役)など豪華俳優陣が揃いました。キャスティングの経緯は?
シーズン1の頃は実写化をプレゼンするのも大変だったと思いますが、シーズン2では「実はファンだった」という大物俳優にめぐり会えるようになりました。Mr.3役のデヴィッド・ダストマルチャンやDr.くれは役のケイティ・セイガルはまさに理想でした。デヴィッドは息子さんが大ファンだそうで、家族を現場に連れてきてくれましたよ。

――知名度や話題性を優先するキャスティングを避けるために、どのような工夫をされていますか?
私たちには信頼できる最高のエージェントがついています。常に『そのキャラクターに最もふさわしい役者は誰か』という本質的な基準だけで選考を行っているんです。
例えば、ビビ役のチャリスラ(・チャンドラン)については、あえて彼女の過去の代表作(『ブリジャートン家』など)を一切見ずに、オーディション映像だけで判断しました。
映像を見た瞬間、『とてつもないスターを見つけた!』と興奮したのですが、後になって彼女がすでに世界的な有名人だと知ったほどです(笑)。それほどまでに、彼女自身の演技がキャラクターに合致していました。
――シーズン3ではボン・クレー役にコール・エスコラ、エース役にショロ・マリデュエニャが起用されましたね。
コールとは2011年に舞台で一緒になって以来、また仕事がしたいと思っていました。ボン・クレーは彼にとって完璧な役です。シーズン3の撮影はすでに始まっていますが、彼が演じるボン・クレーを皆に見てもらうのが待ちきれません。

――シーズン2では、ドラム島でルフィがナミのコートを台無しにする場面や、キャンドルサービスでのゾロの振る舞いなど、原作の名シーンが少し異なる形で再現されています。こうした「原作とのバランス」については、どのように考えていますか?
コートの破き方は少し変えましたが(笑)、あのアニメや漫画でおなじみの『象徴的なイメージ』は必ず残したいと考えていました。たとえ物語の経緯が原作と多少異なっても、ファンの方が思わずニヤリとするような瞬間は、常に大切にしています。
また、ゾロのシーンについても、単なるコメディとして描く選択肢もありました。しかし私たちは、彼が自身の信念に従い、死を前にしても恐怖に屈しないという姿勢を見せる形を選んだのです。
自らの足を切ろうとする覚悟や、最後にポーズを決める姿。それは、絶望の淵にいたビビに『再び戦う勇気』を与えるための、極めて重要な瞬間でもありました。

――シーズン2の物語を、ドラム島でのエピソードやチョッパー、そしてビビの物語で締めくくることに決めた理由は何ですか?
シーズン1が『樽の誓い』で幕を閉じたのは、実にすばらしい判断でした。そのため、シーズン2でもそれに匹敵するほど感動的な山場が必要だと考えました。そこで私たちが選んだのが、尾田栄一郎先生が描いた屈指の名シーン『桜の雪』です。
チョッパーとヒルルクの物語には、『不可能なんてない』という強いメッセージが込められています。これはルフィの信念とも深く共鳴するテーマです。
あのピンクの雪こそが、一味の心を一つにし、ビビを助けるという次の大きな任務へ向けて、彼らを力強く送り出す最高のフィナーレになると確信していました。

――ピンク色の雲であの桜を再現したカットは、本当に息をのむほど美しかったです。
絵で描くのは簡単ですが、実写で「木に見える雲」を表現するのは至難の業でした。尾田先生からいただいた「詩的に考えなさい」というアドバイスが、最高のビジュアルに辿り着くための道標になりました。
――もし続報があれば、シーズン4以降も続投したいですか?
もちろん。物語を伝え続けたいです。現場でも「あのシーンまで行けたら最高だよね」とよく話しています。それは、視聴者の皆さんが「グッドボタン」を押し続けてくれるかどうかにかかっていますね。
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実写シリーズ版『ONE PIECE』シーズン1~2は、Netflixにて独占配信中。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌

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