『バフィー〜恋する十字架〜』キャストの現在|それぞれのキャリアと転機
1990年代後半、米WBネットワークは当時の十代を熱狂させる青春ドラマの一大ジャンルを生み出した。その中核をなした作品が、1997年から2003年にかけて7シーズンにわたって放映されたホラー青春ドラマ『バフィー〜恋する十字架〜』だ。カリフォルニアの郊外都市サニーデールを舞台に、ヴァンパイア・スレイヤーとして戦いながらも普通の高校生活を送ろうとする主人公バフィー・サマーズの姿を描き、シリーズ終了から20年以上が経った現在も根強い人気を誇る。一方で、製作総指揮のジョス・ウェドンへのハラスメント告発など、複雑な側面も持つ作品でもある。主要キャストたちは今、どのような活動を続けているのか。
サラ・ミシェル・ゲラー(バフィー・サマーズ役)

5歳で芸能界デビューし、昼のソープオペラ『オール・マイ・チルドレン』でレギュラーを務めた後、バフィー役で国際的な知名度を獲得したサラ・ミシェル・ゲラー。放映期間中にも『ラスト・サマー』(1997年)や『クルーエル・インテンションズ』(1999年)、実写版『スクービー・ドゥー』(2002年)など話題作に出演し続けた。
シリーズ終了後はしばらく表舞台から距離を置き、子育てや事業に注力。2015年には料理・ライフスタイルブランド「フードスターズ」を立ち上げたが、新型コロナウイルスの影響によるサプライチェーンの混乱を受け、事業を縮小した。近年はパラマウント+のドラマ『ウルフ・パック(原題)』でクリスティン・ラムジー役として連続ドラマに復帰。若い俳優たちへのサポート体制づくりにも力を入れており、「私の世代には存在しなかったような安心できる環境を、次の世代には用意してあげたかった」と語っている。
アリソン・ハニガン(ウィロー・ローゼンバーグ役)

内気な少女から強力な魔女へと成長するウィロー役で知られるアリソン・ハニガンは、シリーズ終了後もテレビの第一線に立ち続けた。2005年から2014年まで人気シットコム『ママと恋に落ちるまで』にリリー役でレギュラー出演したほか、マジックショー番組『ペン&テラー:フール・アス(原題)』の司会を2016年から2023年まで務めた。2023年秋には『ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ』にも参加している。プライベートでは、同じく『バフィー』に出演したアレクシス・デニソフと2003年に結婚し、2人の娘を持つ。
ニコラス・ブレンドン(ザンダー・ハリス役)

ウィットに富んだ発言で場を和ませるスクービー・ギャングのムードメーカー、ザンダー役を演じたニコラス・ブレンドン。シリーズ後は『クリミナル・マインド FBI行動分析課』や『プライベート・プラクティス』への出演のほか、ブラッドリー・クーパー主演ドラマ『キッチン・コンフィデンシャル』にも名を連ねた。
しかしその後は、うつ病や薬物依存との闘い、脊椎手術を要する健康上の問題など、苦難の時期が続いた。2026年3月20日、54歳で自然死により逝去した。
アンソニー・スチュワート・ヘッド(ルパート・ジャイルズ役)

表向きは高校の司書、実際はバフィーの指導者(ウォッチャー)というギャップが魅力のジャイルズ役を演じたアンソニー・スチュワート・ヘッドは、シーズン6以降は家族との時間を優先するため出演を縮小し、英国へ帰国。その後はアーサー王伝説を題材にしたファンタジードラマ『魔術師 MERLIN』(2008〜2012年)で独裁的な王ユーサー・ペンドラゴン役を好演した。近年では、Apple TVの人気ドラマ『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』に3シーズンにわたってAFCリッチモンドの前オーナー、ルパート・マニオン役で出演し、新たなファン層を獲得した。
デヴィッド・ボレアナズ(エンジェル役)

バフィーの運命の相手でありながら呪われた吸血鬼という宿命を背負うエンジェル役のデヴィッド・ボレアナズは、シーズン3終了後にスピンオフドラマ『エンジェル』(5シーズン)へと活躍の場を移した。その後も精力的にテレビ出演を続け、法医学ドラマ『BONES -骨は語る-』(2005〜2017年)ではFBI特別捜査官ブース役、軍事ドラマ『SEAL Team/シール・チーム』(2017〜2022年)ではネイビーシールズのチームリーダー役を務め、計350話近いエピソードに出演している。
ジェームズ・マースターズ(スパイク役)

金髪のパンクヴァンパイアというビジュアルが印象的なスパイクを演じたジェームズ・マースターズは、実際にはカリフォルニア生まれの純粋なアメリカ人。ジュリアード・スクール出身でもあり、ブリティッシュアクセントも流暢な英語演技の賜物だ。『バフィー』と並行して同局の人気ドラマ『ヤング・スーパーマン』にも繰り返し出演したほか、アニメ『ドラゴンボール超』ではザマス役の英語吹き替えを担当。2017年から2019年にかけてはマーベルドラマ『マーベル ランナウェイズ』にも出演した。音楽活動にも熱心で、バンド「ゴースト・オブ・ザ・ロボット」のメンバーとしても知られる。
カリスマ・カーペンター(コーデリア・チェイス役)

サニーデールのスクールカーストの頂点に君臨するコーデリア役のカリスマ・カーペンターは、スピンオフ『エンジェル』にもレギュラー出演。その後は『チャームド 魔女3姉妹』『ヴェロニカ・マーズ』への出演を経て、映画『エクスペンダブルズ』(2010年)にも出演した。
#MeToo運動の高まりを受け、ジョス・ウェドンから長年にわたり「敵対的かつ有害な」扱いを受け、出産後に不当に解雇されたと公表。同僚のミシェル・トラクテンバーグを含む多くの元共演者が声を上げて彼女を支持した。
エリザ・ドゥシュク(フェイス・レーン役)

バフィーとは対照的な荒々しいスレイヤー、フェイス役を演じたエリザ・ドゥシュク。シリーズ後も同局のドラマや映画への出演を続け、ウェドンの次作『ドールハウス』(2009〜2010年)でも主演を務めた。2018年には、出演していたドラマ『BULL / ブル 法廷を操る男』の現場でのセクシャルハラスメントを訴え、950万ドルの和解金を獲得している。
ミシェル・トラクテンバーグ(ドーン・サマーズ役)

シーズン5から登場したバフィーの妹ドーン役のミシェル・トラクテンバーグは、子役時代に映画『ハリエットのスパイ大作戦』(1996年)などで既に知名度を得ていた。シリーズ後は映画出演のほか、ドラマ『ゴシップガール』で策略家のジョージナ・スパークスを演じ、2022年にはリブート版にもゲスト出演した。2025年2月26日、39歳で逝去した。
セス・グリーン(オズ役)

ウィローの恋人であり人狼というユニークな設定のバンドマン、オズ役を演じたセス・グリーン。シリーズ後は映画『ミニミニ大作戦』(2003年)などに出演するかたわら、自ら共同制作・主演を務めたアダルトスイムのストップモーション・スケッチコメディ『ロボット・チキン』(2001〜2022年)が長寿番組として高い評価を受けた。マーベルの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズではハワード・ザ・ダックの声優も担当している。
エマ・コールフィールド(エニャ役)

元・復讐の悪魔から人間に戻るというユニークなキャラクター、エニャを演じたエマ・コールフィールドは、近年ではマーベルドラマ『ワンダヴィジョン』にドッティ役で登場し、2024年の続編『アガサ・オール・アロング』でも同役を再演した。2022年には、長年にわたり多発性硬化症(MS)と闘ってきたことを公表している。
アンバー・ベンソン(タラ・マックレー役)

ウィローの恋人として登場し、その死がシリーズの大きな転換点となったタラ役のアンバー・ベンソン。シリーズ後は映画の制作・監督・出演を手がけながら、小説執筆など多彩な活動を展開。2023年にはオーディブルのオリジナルシリーズ『スレイヤーズ:ア・バフィーバース・ストーリー』を共同執筆し、マースターズやコールフィールドら旧キャストも参加した。
ダニー・ストロング(ジョナサン・レビンソン役)

劇中では脇役にとどまったジョナサン役のダニー・ストロングだが、その後は脚本家として目覚ましい活躍を見せた。2012年にはHBOの政治ドラマ『ゲーム・チェンジ 大統領選を駆け抜けた女』の脚本でプライムタイム・エミー賞を2冠達成。映画『大統領の執事の涙』(2013年)や『ハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス』『ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション』(2014年・2015年)の脚本も手がけ、さらにFoxドラマ『エンパイア 成功の代償』の共同制作、Huluドラマ『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』の制作も手がけるなど、テレビ・映画の両分野で精力的に活動している。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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