米テレビ業界で働く女性は減少傾向…新たな調査結果が明らかに
アメリカのテレビ業界で働く女性たちの数が、ほぼすべての役職で減少傾向にあることが分かった。米エンタメ情報サイト・IMDbProとReFrameによる最新の調査で明らかになった。
雇用のジェンダー平等性は昨年からダウン
エミー賞の選考対象となる2023年6月1日から今年の5月31日までに放送・配信されたテレビシリーズから人気の上位200作品のなかで、主人公を演じた女性は41%。昨年の結果から、13%のダウンとなった。
また、雇用におけるジェンダー平等性については、200作品のうち77本(38.5%)が「優秀」スタンプを受けた。こちらは昨年から8.5%減少し、2020~21年のピーク時から20%ダウンという結果だった。
エミー賞作品賞(コメディー)の候補作の多数が「優秀」
一方、3年連続でエミー賞コメディー部門の作品賞ノミネート作品の多くが、「優秀」に認定された(スタンプを獲得した今年のノミネート作は、『アボット エレメンタリー』、『一流シェフのファミリーレストラン』、『Hacks(原題)』、『レザベーション・ドッグス』、そして『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』)。ドラマ部門の作品賞候補作からは、『フォールアウト』、『ザ・モーニングショー』、『Mr. & Mrs. スミス』の3本が同評価を得た。
そのほか、スタンプを得た作品には、エミー賞リミテッドシリーズ部門の作品賞にノミネートされている『私のトナカイちゃん』、『レッスン in ケミストリー』、『トゥルー・ディテクティブ ナイト・カントリー』の3本に加え、『スター・ウォーズ:アソーカ』、『アメリカン・ホラー・ストーリー』、『ジェン・ブイ』、『セックス・エデュケーション』、『スター・トレック:ディスカバリー』などがある(全作品はこちら)。
調査結果は「懸念すべき傾向」
調査結果について、ReFrameの創設者、ケリー・パットナム氏とキャシー・シュルマン氏は共同声明で、「偏りを軽減する好ましい傾向は、しばしば進展の期間の後に横ばいになるか、後退します」と説明した。
「2018年の調査開始時と比べて、今年はスタンプをつけられた作品が約2倍になっているのは、業界全体の多くの人々の努力の証です。しかし、過去4年間で20%の減少があったことは、懸念すべき傾向を示しています。この減少ペースが続けば、米国のメディアを形作る才能の多様化において成し遂げられた全ての進歩が、2年で消え去ってしまうでしょう」
新しいデータには企業の成績評価が含まれており、Amazon MGMスタジオを除いて、すべての配給会社が2020~21年と比較してジェンダーバランスの取れたシリーズの割合が低下。一方で、トップ200作品のうち、有色人種の女性がショーランナーを務める13本すべてがスタンプを獲得した。また、スタンプ付きのシリーズの約60%が女性をショーランナーとして採用しているのに対し、シリーズ全体では32.5%だった。
2018年以来、ReFrameは長年のパートナーであるIMDbProのデータを用いてテレビシリーズのスタッフ配置を評価し、キャストとスタッフの主要ポジション(ショーランナー、脚本家、監督、エグゼクティブおよびラインプロデューサー、主演俳優、部門責任者など)におけるジェンダー包括的な採用基準を満たす作品にスタンプを授与している。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。翻訳/和田 萌
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