1980年版ドラマ『将軍 SHŌGUN』が描いた“本物の日本” 全編日本ロケ、エミー賞受賞
エミー賞を受賞した1980年版『将軍 SHŌGUN』
リチャード・チェンバレンと日本映画界の重鎮・三船敏郎が主演を務めた『将軍 SHŌGUN』は、おそらく史上初の国際的な大作シリーズと言えるものであった。ジェームズ・クラベルによる1975年の小説を5部作のドラマとして翻案した本作は、1980年に米NBCで放送されるや否や、文化現象となった。エミー賞ではミニシリーズ部門の作品賞、そしてゴールデングローブ賞ではドラマ部門の作品賞を獲得している。
今年2月に配信された新作『SHOGUN 将軍』と同様に、80年版も制作予算と製作規模の両面において、途方もない挑戦であった。日本での6ヶ月におよぶ撮影は当初1200万ドルの予算が見込まれていたものの、最終的には2200万ドルにまで膨れ上がり、当時としては史上最高額のテレビシリーズとなった。
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西洋人視点に偏るも…全編日本ロケ
オリジナル版には、時代とともに色褪せた側面もある。日本語の会話を一切翻訳しないという決定により、物語がチェンバレン演じる西洋人の視点に偏重し、日本人キャストは「眉をひそめる以上の表現を見せることが難しかった」と米『ハリウッド・リポーター』のレビューは指摘している。しかし、封建時代の日本の視覚的な再現は、比類のないものであった。
80年版は今日に至るまで、日本で全編ロケを行った唯一のアメリカのテレビ番組である(2024年版は、カナダで撮影)。数百人の日本人エキストラを起用し、時代考証に基づいたセット、衣装、文化的なディテールの制作においては、日本の専門家たちの知見が活かされた。衣装デザイナーの西田真は、エミー賞の衣装デザイン賞において日本人初の受賞者となった。
正確な描写を極めた2024年版
2024年版『SHOGUN 将軍』の共同クリエイターであるジャスティン・マークスとレイチェル・コンドウは、日本人キャラクターたちの内面を描き出すことで、80年版の欠点を正したとして高い評価を得ている。しかし、2人のアプローチは、まず時代考証に基づいた日本の視覚的なディテールを正確に表現することから始まっていた。
「私たちの戦略はとてもシンプルでした」と、コンドウは今年初めに米『ハリウッド・リポーター』に話した。「オーセンティシティ(本物)を知る人々に権限を与え、彼らの声に耳を傾けることです」
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌
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