早川千絵監督『ルノワール』カンヌのコンペに選出、『遠い山なみの光』はある視点
第78回カンヌ映画祭(5月13~24日)のラインナップが10日発表され、早川千絵監督の『ルノワール』がコンペティション部門に選出された。また、石川慶監督の『遠い山なみの光』がある視点部門、川村元気監督の『8番出口』がミッドナイトスクリーニング部門に選ばれた。
早川監督は、2022年にある視点部門でスペシャルメンションを獲得したデビュー作『PLAN75』に続き、2作連続での出品。「共に作り上げたキャスト、スタッフ、全ての関係者の皆さんにまずは感謝を伝えたいです。そして、映画を作り始めたばかりの私に最初にチャンスを与えてくれたカンヌ映画祭が、この映画を温かく迎え入れてくれたことに気が引き締まる思いです」と喜びのコメントを寄せた。
『ルノワール』は、闘病中の父と仕事に追われる母と暮す11歳の少女・フキが、大人の世界を垣間見る一夏の物語。オーディションでフキ役に抜てきされた鈴木唯は「ビックリしたし、うれしくて飛び跳ねてしまいました。これから(作品が)どうなっていくかワクワクしています」と期待。フキの母親役を演じた石田ひかりも、「言葉にできないほどの幸せと感謝と感動と興奮を覚えております。一俳優としてカンヌの地を踏む日が来るなんて考えたこともなかったので、『ルノワール』が世界に羽ばたく瞬間を心に刻みつけてきます」と早くも現地入りに思いをはせた。
『遠い山なみの光』は、ノーベル賞作家カズオ・イシグロ氏の長編デビュー小説が原作。1950年代の長崎と80年代のイギリスを交錯させた記憶の秘密をひも解いていくミステリー。石川監督にとっては初のカンヌ出品となり、「まずは⼼からホッとしました。この喜びは、これから映画祭に向けて少しずつ実感が湧いてくるのだと思います。本当にたくさんの⼈の思いが込められた作品。その思いが、カンヌを通して世界中に届きますように」と素直な心情を語った。
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同作に主演の広瀬すずは、「素直にうれしく、光栄に思います。ゾクゾク不穏な空気が漂っていて、その作品の空気にちゃんと飲まれながら⽇々お芝居を楽しませてもらった現場でした。監督たちとこの喜び、幸福感を共有できることが何よりうれしいです」と歓喜。二階堂ふみも、「この作品が⽇本に留まらず世界の⽅々に見ていただけること、とてもうれしく思います。あの時代と今をつなぐ、素晴らしい作品です。情熱を注いだ⽯川監督、全てのスタッフの⽅々へ、おめでとうございます」と自身も含め祝福した。
『8番出口』は、地下通路に迷い込んだ主人公が無限ループの中で唯一抜け出せる8番出口を目指す、人気ゲームの実写映画化。川村監督は、「この正体不明な日本の地下通路映画が、カンヌ映画祭という世界の晴れ舞台に呼んでもらえたという“異変”に、驚きと喜びと興奮を抑えきれません。全てのスタッフ、優れた日本の才能たちとともに世界の入り口 へと飛び込んできます」と意欲を語った。
主演の二宮和也は、川村監督からの電話で吉報を知り「アフレコ録り直しかも?と恐る恐る出てみたら、最上級の驚きの電話でした。その後は 2 人で喜び合い、大盛り上がりとなりました」と振り返る。そして、「映画に関わる人間なら一度は立ってみたい場所の一つでもあります。最初から関わって作り上げた作品。より多くの方に届くことを祈っていま す」と願いを込めた。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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