舘ひろし『港のひかり』に主演で藤井道人監督と2度目タッグ「映画史に残る感動作と自負」

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藤井道人監督の最新作のタイトルが『港のひかり』に決まり、俳優の舘ひろしが主演、歌舞伎俳優の尾上眞秀が共演し映画に初出演することが17日、分かった。

舘は2021年『ヤクザと家族 The Family』に主演した際、「もう一度ご一緒したい」と藤井監督にラブコール。今回は企画段階から参加し、2人で議論を重ねながら約3年をかけて脚本を練り上げてきたオリジナル作品だ。

ヤクザと家族 The Family 引用元:Amazon
ヤクザと家族 The Family 引用元:Amazon

綾野剛、舘ひろし 初共演作品。
スタイリッシュな映像とクールな男たちを描くことに定評のある『新聞記者』の藤井道人監督が自ら脚本を担当した。

「変わりゆく時代の中で排除されていく“ヤクザ”という存在を、抗争という目線からではなく、家族の目線から描いた作品」(藤井監督談)

舘ひろし
舘ひろし

元やくざの漁師と事故で視力を失った少年が出会い、年齢の差を超えて友情をはぐくむ十数年を描く叙事詩。舘は、少年の未来に光を灯すために自らを犠牲にしようとする役どころで「かつて親分に教えられた、人の強さとは何か、誰かのために生きるとはどういうことかという思いを愚直に守りながら、漁師として孤独に生きようとする男。藤井監督と何度も話し合いつくり上げました」と説明した。

さらに、「強い男とは何かを考えた時、石原裕次郎さんや渡哲也さんの生きざまが頭をよぎりました」と、石原プロモーション時代の恩師を想起。その上で、「大スクリーンでこそ味わうべき、一見の価値がある映画。映画史に残る感動作だと自負しております」と自信のほどをうかがわせた。

藤井道人監督
藤井道人監督

藤井監督は、「舘さんが現場の中心に立ってくださり、いつも優しい声をかけてくれたことが毎日の心の支えでした」と回想。2023年10~12月に能登半島、富山で、キャメラマンの木村大作氏が35ミリフィルムによる撮影を行い、舘は「能登半島の美しい自然を、役者の心情とともに見事に焼き付けてくださいました」と感謝。藤井監督も、「木村さんとの共同作業は発見と勉強の連続で、たくさんの偉大な背中を見せていただきました」と最敬礼だ。

だが、クランクアップ直後の2024年元日に能登半島地震が発生し、フィルムに収められた美しい風景は一変。舘は同年2月に輪島市などで炊き出しを行い、被災地の惨状を目の当たりにしており「地元の皆さまの多大なるご協力をいただいて完成した作品。本作を通して、少しでも恩返しができればと願っております」とエールを送った。

また、少年役に抜てきされた尾上眞秀は、目が見えない設定のため盲学校に通うなどして役づくり。「張り切ってやりました。舘さんはいつも優しくて、よく焼き肉屋さんに連れて行ってくれました。撮影の最後の日は、皆さんと別れたくありませんでした」と振り返った。藤井監督は、「日本映画界の未来といっても過言ではない、素晴らしい演技」と称賛した。

尾上眞秀
尾上眞秀

『港のひかり』は、11月14日に全国で公開される。

記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元

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