ビートルズ伝記映画のキャストや公開日は？今分かっていることまとめ

クイーンやジョニー・キャッシュなど、これまで多くのミュージシャンの伝記映画が制作されてきたが、ビートルズに関しては映画化はほぼ不可能だと長らく考えられてきた。というのも、彼らの人生や音楽に関する権利はあまりにも高額であり、どの映画製作者にとってもスクリーン上でビートルズの伝記を描くことは困難であるとされていたからだ。しかし2028年、ソニー・ピクチャーズによって計4本のビートルズ映画が製作される。

監督を務めるのはサム・メンデス（『007 スカイフォール』、『1917 命をかけた伝令』）で、それぞれの映画は異なるバンドメンバーに焦点を当てたものとなっている。ポール・マッカートニー役にポール・メスカル、ジョン・レノン役にハリス・ディキンソン、ジョージ・ハリスン役にジョセフ・クイン、リンゴ・スター役にバリー・コーガンがキャスティングされている。

以下、ビートルズの伝記映画について今分かっていること

1. 公開日はいつ？

4本の伝記映画は、2028年4月に全米公開予定。2024年、ソニー・ピクチャーズCEOのトム・ロスマン氏は米『ハリウッド・リポーター』に対し、「このアイデアの大胆さには、それに見合う大胆な公開戦略が必要」と語った。「これまでにこのような企画は存在せず、従来の公開手法で考えることはできない」とも述べている。ロスマン氏はメンデス監督に対し、これらの映画は「初の“連続視聴可能な”劇場体験になる」と伝えた。

ただし、具体的な日にちや、どの順番で劇場公開されるのかについては現時点では明らかになっていない。

2. ビートルズを演じるキャストは？

ポール・マッカートニー役を務めるのは、ドラマ『ノーマル・ピープル』で注目を集め、映画『aftersun／アフターサン』（オスカー主演男優賞にノミネート）や『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』で主演を務めたポール・メスカルだ。

ジョン・レノンは今や映画祭の常連として評価されているハリス・ディキンソン（『ベイビーガール』）、ジョージ・ハリスンはNetflix『ストレンジャー・シングス未知の世界』で脚光を浴び、マーベル新作『ファンタスティック4：ファースト・ステップ』に出演しているジョセフ・クインが演じる。

そしてリンゴ・スター役には、映画『Saltburn』や『イニシェリン島の精霊』などで知られ、アカデミー賞ノミネート歴を誇るバリー・コーガンが扮する。

3. ビートルズの楽曲は映画で使用されるのか？

ビートルズの音楽は、ダニー・ボイル監督の『イエスタデイ』や、ジュリー・テイモアによるミュージカル映画『アクロス・ザ・ユニバース』などで使用されたことはあるが、脚本に基づいた伝記映画において公式にライセンスされたことは一度もなかった。映画製作者にとって音楽の使用権は非常に高額であるため、ジョン・レノンを描いた『ノーウェアボーイひとりぼっちのあいつ』のような作品でも、ビートルズの楽曲は使われていなかった。

しかし今回のメンデス作品では、ビートルズのレーベルであるアップル・コアから正式な承認を得ており、音楽の使用権が全面的に許可されている。どの楽曲が映画で使用されるかは明らかになっていないが、制作者側にはビートルズの全カタログが使用可能である。

4. 4本の映画では何が描かれるのか？

これらの映画がビートルズの歴史――彼らの急激な成功、豊富な音楽制作、解散、そしてソロ活動――のうち、どの範囲までを描くのかは現時点では明らかになっていない。脚本家についても、まだ発表されていない。

4本の映画は、それぞれ異なるメンバーの視点から語られる相互に関連した物語で構成される予定である。

5. 存命のメンバーは企画に承認を与えているのか？

ビートルズのポール・マッカートニー、リンゴ・スター、ジョン・レノン、ジョージ・ハリスン=1963年撮影写真：Hulton Archive/Getty Images

映画の企画が初めて発表された際、リンゴ・スターは「サム・メンデスによる映画プロジェクトを全員が支持している」とSNS上でコメントしている。スターは自身を演じることになったコーガンについても言及しており、Entertainment Tonightに対して「彼は素晴らしいと思う。どこかでドラムのレッスンを受けているらしいね」と語っている。

一方、ポール・マッカートニーは、映画そのものやメスカルのキャスティングについて、現時点で直接的なコメントは出していない。なお、本プロジェクトは、1968年に4人のメンバーによって設立されたアップル・コア社とソニーが共同で制作しており、存命のマッカートニーおよびスターに加え、レノンとハリスンの遺族の承認も得ていることがわかる。