EXOカイが語る、新作ミニアルバム『Wait on Me』制作秘話と2年ぶりのファンとの再会【インタビュー】

新作EP『Wait on Me』をリリースしたカイ(EXO)写真:Courtesy of SM Entertainment
新作EP『Wait on Me』をリリースしたカイ(EXO)写真:Courtesy of SM Entertainment
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人気ボーイズグループEXOのメンバー、カイ(31)が新作ミニアルバム『Wait on Me』を引っさげて帰ってきた。21日にリリースされた全7曲の本作は、兵役を終えてから約2年ぶりの作品である。

先行リリースされた「Adult Swim」は、アルバム全体の爽やかでキャッチーなポップサウンドの幕開けを飾る楽曲だ。また、アフロビーツを取り入れたタイトル曲「Wait On Me」は、「Rover」や「Peaches」といったこれまでの人気曲の系譜にありながらも、カイのディスコグラフィに自然に溶け込むサウンドへと進化している。

国際的に活躍するカイが、米『ハリウッド・リポーター』のZoomインタビューに応じ、兵役後の再パフォーマンスへの思いや、久しぶりにファンと直接会えることへの興奮、そして「ダンスチャレンジの王」として背負うプレッシャーについて語った。

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――――――『Wait on Me』の制作は、どのような感じでしたか?お気に入りの瞬間はありますか?

とてもワクワクしていた一方で、ファンの皆さんに早く会いたいという気持ちが強かったため、少し大変でもありました。ファンの皆さんがずっと待っていてくださったからこそ、制作スケジュールはかなりタイトになりました。実際に、2年ぶりのアルバム制作ということで大きなプレッシャーを感じていました。このプレッシャーは、新しい自分の姿をファンの皆さんに見せなければならないという思いや不安から生まれたものです。しかし、この2年間で学んだことが、その不安を乗り越える力となりました。

アルバムの制作中は常に困難がありましたが、そのような感情こそが自分の迷いを解き放ち、本格的に制作に向き合うことができた理由だと思います。

写真:Courtesy of SM Entertainment
カイ(EXO)写真:Courtesy of SM Entertainment

――――――「早くファンに戻りたい」とおっしゃっていましたが、兵役中は音楽活動をされていなかったことを考えると、今回の復帰はとても早いですね。ファンの皆さんが本作を聴くことについて、今どんなお気持ちですか?

今は、すべての感情が同時に押し寄せている状態です。まるでデビューした時のように胸が高鳴り、ワクワクしていますが、同時にとても緊張もしています。もちろん、今回のアルバムで得られる成功や記録も大切なことですが、それ以上に、自分がファンの皆さんの期待に応えられるかどうかが最も大切だと感じています。今回は、自分の新たな一面をファンの皆さんにお届けしたいという思いがあるので、そういった意味でも本当に楽しみにしています。

――――――「Wait on Me」や「Adult Swim」は、これまでにリリースした曲とは少し違った印象を受けますが、同時に「カイらしい」とも感じられます。新しいことに挑戦する中で、自分に合っていると感じましたか?

「Adult Swim」は、自分にとって非常に意味のある楽曲です。数年前の自分であれば、この曲を選ぶことはなかったかもしれません。しかし、2年間のブランクや経験がこの曲を選ぶ大きな決め手となりました。

聴いていただければわかるように、ヴァースとサビではまったく違う雰囲気を持っています。ヴァースではクールで爽やかなビートや空気感があり、水の中を泳いでいるような印象を受けます。一方で、サビになると深い海の中に潜っていくような、重厚なビートとサウンドが広がります。この構成は、まさに自分がこの2年間で感じてきた心の変化を表していると思います。

この曲を先行リリースとして選んだのは、アルバムの導入として最適だと感じたからです。特にヴァース部分が、その決め手になりました。曲の始まりは軽やかで高いトーンの挨拶のように始まり、サビに入ると自分の内面や感情の深い部分にまで潜っていくことができます。そして、さらに深く、さらに奥へと進んでいった先で「Wait on Me」と出会うような構成になっています。

――――――ダンスが非常に上手なことで知られていますが、「ダンスチャレンジの王」とも呼ばれています。そのことにプレッシャーを感じたり、自分を高め続けなければいけないと思うことはありますか?

まず「Adult Swim」についてですが、この曲についてはダンスチャレンジという視点では考えていませんでした。というのも、振り付け自体が非常に難しく、チャレンジ向けというよりも自分の得意な表現を活かすことにフォーカスしていたからです。また、この曲を「軽めの導入」として選んだこともあり、自己否定のような感情を取り払うことを意識していました。そういう意味で、この楽曲は自分にとって新たな挑戦というよりも、自分らしさを見せることに重きを置いていました。

一方、「Wait on Me」はミュージックビデオをご覧いただければわかるように、一つの「挑戦」をテーマにした内容になっています。実際に映像を見ていただければ、その意図が伝わると思います。「Adult Swim」で自分の世界に入ってきていただいたからこそ、より深い場所へと案内し、「Wait on Me」ではさらに新たな挑戦の形を見せたかったのです。

――――――ミュージックビデオ撮影時の裏話はありますか?今回、楽に感じたことや逆に難しかったことは何ですか?

ミュージックビデオの撮影は、兵役を終えてから1か月後に行いました。これ自体がすでに大きなチャレンジでした。正直に言えば、とても大変でした。この2年間で筋肉量が増え、体格も少し大きくなっていたため、「Adult Swim」と「Wait on Me」の持つ雰囲気には体型があまり合っていないと感じていました。そのため、体重を落とし、再びアーティストとしての理想的な体型に戻すことも一つの挑戦となりました。

「Wait on Me」のミュージックビデオでは、床に多くの小道具が置かれていて、狭い路地や廊下を走り抜ける場面がありました。障害物がたくさんある中での撮影は非常に難しかったのですが、それと同時にとても楽しく感じる経験でもありました。この撮影を通じて、自分がアーティストとしての生活に戻ってきたという実感を得ることができました。

カイ(EXO)写真:Courtesy of SM Entertainment
カイ(EXO)写真:Courtesy of SM Entertainment

――――――このアルバムで音楽番組のプロモーションが始まり、久しぶりにファンの皆さんと直接会うことになりますね。今のお気持ちはいかがですか?

カムバックしてからは、動画やライブ配信を通じてファンの皆さんに姿を見せるスケジュールはたくさんこなしてきました。けれど実際に直接お会いする機会はなく、完全に「カムバックした」という実感が湧いていない部分もあるので、とてもワクワクしています。

音楽番組やこれから始まるツアーを通して、できる限り多くの機会を作っていきたいと思っています。実際にファンの皆さんと会えたときには、自分の中の電池がフルにチャージされたような気持ちになると思います。

――――――ツアーといえば、SMTOWN LIVEで海外のファンとも再会できますね。そのことについてはどう感じていますか?

まさに今が本当のスタートのような気持ちです。ようやく正式に始まるという感覚があります。そして、正直なところ、自分のファンへの愛のほうが、ファンの皆さんから自分への愛よりも大きいと感じています(笑)。それくらい、ファンの皆さんに会いたくてたまりません。むしろ「どっちのハートが大きいか、勝負しよう」っていう気持ちです。

――――――EXOとして、またソロアーティストとして、どのようなアーティストとして見られたいと思っていますか?

デビューしてからずっと「もっと上手くなりたい」「自分のやっていることに対して誇りを持ちたい」と思ってきました。自分の限界やピークがどこにあるのかを知りたくて、挑戦を続けてきました。一方で、他の人がどう思っているかということには、あまり強く関心を持っていなかったように思います。

EXOとしては「Tempo」や「Love Shot」、ソロとしては「Rover」や「Peaches」などを通して、それぞれ異なる自分の姿を見せられていると感じています。曲ごとに違った自分を感じてもらえることで、リスナーの皆さんの心の中にほんの小さな部屋でもいいので、自分が存在できたら嬉しいなと思っています。

カイ(EXO)写真:Courtesy of SM Entertainment
カイ(EXO)写真:Courtesy of SM Entertainment

――――――最後に何か付け加えたいことはありますか?

SuperMとして活動していた時間は、自分の中でもとても楽しかった思い出として深く心に残っています。今回のアルバムを通して、海外のファンの皆さん、特にアメリカのファンの皆さんにまた会えることが今の自分の一番の目標です。

そして、皆さんに伝えたいのは、「僕はまだここにいます」ということです。新しいアルバムも出しましたし、もうすぐ皆さんに会いに行く予定ですので、ぜひ楽しみにしていてください。

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※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌

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