シアン・ブルックが語る、大人気ドラマ『Blue Lights』ー ベルファストを舞台に新米警官の姿を描く

シアン・ブルック、『Blue Lights』写真: BBC/Two Cities Television/Todd Antony
シアン・ブルック、『Blue Lights』写真: BBC/Two Cities Television/Todd Antony

BBCの人気ドラマ『Blue Lights』出演中のシアン・ブルックが、米『ハリウッド・リポーター』のインタビューに登場。

北アイルランドのベルファストを舞台にした『Blue Lights』は、3人の見習い警官が直面するプレッシャーや苦悩を描き、15日よりイギリスでシーズン2が放映される。ブルックは本作で、新米警官のひとりで、40代のシングルマザーのグレースを演じている。

これまで、HBO『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』をはじめ、Apple TV+『Trying ~親になるステップ~』、BBC『SHERLOCK/シャーロック』など数々の作品に出演してきたブルック。今夏には、Netflixドラマ『Supacell』に出演予定だ。

テレビ界で大活躍中のブルックに、警官を演じる上での課題や、AIに対する考え、そして今後の予定について話を伺った。

ー 母親であり、警官でもあるグレースを演じるのは、どのくらい難しかったですか?

脚本家の皆さんのおかげで、グレースを含め、多くのキャラクターが非常に身近に感じられます。台本を読んだとき、彼女のことを知っているような気がしました。

彼女の最大の魅力は、共感性の豊かさです。グレースは他人のために物事をよくしたいと思っている人です。それはとても素晴らしいことですよね。一方で、その粘り強さがゆえに、時には大変な問題に巻き込まれてしまいます。

『Blue Lights』写真: BBC/Two Cities Television/Todd Antony
『Blue Lights』写真: BBC/Two Cities Television/Todd Antony

ー シーズン2で、グレースが直面する主な課題は何ですか?

シーズン1のグレースは世間知らずなところがあり、「自分が物事を良くするんだ」と頑固にアプローチしていました。

その1年後を舞台にしたシーズン2では、自分のエネルギーをどこに注ぐべきかを理解し、以前よりも鍛錬された彼女の姿が見られます。一方で、息子が大学に行ってしまい、グレースは空の巣症候群に陥っています。

また、友達のままでいることを決めたスティーヴィーとは、それが上手くいくかどうかを見極めています。

ー 北アイルランドの警察についてあまり詳しくなかったそうですが、本作への出演にあたり、何が役立ちましたか?

実際にベルファストで仕事をすると、その場所を作り上げているエネルギーや、人々のことが本当によく分かるようになります。歴史については、記事を読んだり、ドキュメンタリーを観たりしています。

そして、現場には素晴らしい警察のアドバイザーがいて、勤務中に車の後部座席に乗せてもらいました。逮捕されない限り、そんな体験はできないので凄く楽しかったです。

私はいつも、地域や特定の職業に強く根ざしたものがあるときは、吸収すればするほど、それを体現しなければならないと考えています。

ー『SHERLOCK』や『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』のような大作に携わることと、どのような違いがありますか?

これらの大作に参加する時に、プレッシャーを感じないと言えば嘘になります。『SHERLOCK』は、出演が決まる前から大ファンでした。

でも、プレッシャーに耳を傾けすぎてはいけないと思います。さもなければ、自分のすることや、俳優としての選択が制御されてしまうからです。

俳優という仕事を単純化すると、キャラクターを作って物語を伝えることです。それがすべての仕事の本質であり、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』でも『Blue Lights』でも同じです。

一方で、新しいドラマの場合は、真っ白なキャンバスから世界を作り出すことになります。それはいつも特別ですが、怖さもあります。

シアン・ブルック 写真: Courtesy of David Reiss
シアン・ブルック 写真: Courtesy of David Reiss

ー 今後のプロジェクトについて、教えていただけますか?

Netflixの新作ドラマ『Supacell』に出演します。サウスロンドンを舞台に、超能力に目覚めたキャラクターたちを描いた壮大な作品になっています。私は本作で、病院の経営者を演じています。

そして、『Trying ~親になるステップ~』のシーズン4がまもなく配信されます。私にとっては凄く大切な作品で、心の糧のようなものです。私自身のアクセントである、イングランド中部のミッドランド方言で演じられるのが嬉しいですね。

ー クリエイティブ業界では、AI使用について多くの議論が交わされています。テクノロジーについてどう考えていますか?

テクノロジーに対しては、非常に注意深くならなければいけません。私たちは、力を得れば得るほど、見て見ぬふりをすることができなくなります。必要な時に利益になるように使用するためにも、もっと知る必要があります。

俳優としては、自分が取って代わられるかもしれないと思うと悲しくなります。人間の脳や、人間が提供できるものに取って代わることは不可能でしょう。そして、俳優や脚本家など、人間同士の共同作業は再現できないと思います。

ー 最後に、何か共有したいことはありますか?

私たちは時々、ほとんどの人が善良であることを忘れてしまいます。ただ時に、善良でない人たちが大きな注目を浴びてしまうのです。

『Blue Lights』は、非日常的な状況の中にいる普通の人々に焦点を当てています。今日の世界では、そんな状況の中でも前に進み続けなければいけません。この作品の根底には、希望があるのです。

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※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌

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