ジェレミー・レナーが語る“死”と再生の記録――事故からの驚異的な復活

ジェレミー・レナー(写真:Tristan Fewings/Getty Images)
ジェレミー・レナー(写真:Tristan Fewings/Getty Images)
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俳優ジェレミー・レナーが、自身の体験を綴った回顧録『マイ・ネクスト・ブリーズ(原題)』を発表した。2023年元日、レナーは雪かき車スノーキャットに轢かれ、瀕死の重傷を負った。この本では、その壮絶な事故と再生までの道のりが赤裸々に語られている。

息が止まった瞬間と“死”の境地

事故の直後、レナーは氷の上に約45分間も放置されていた。そのとき彼は「自分は一度死んだ」と感じたという。
さらに、意識が薄れていく中で時間の感覚が消え、死を「静かで興奮に満ちた平穏」と表現した。一方で、「死ななかった」と確信した瞬間から、家族への愛を改めて強く意識したと語っている。

命をつないだ“呼吸法”

また、命を守ったのは“呼吸法”だった。少年時代に母と参加したラマーズ法クラスで学んだ呼吸が、ここで役に立ったという。肺に穴が開き、肋骨も潰れた中でも、パニックを抑え冷静に呼吸を続けたことで命がつながった。

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紅海国際映画祭で語るジェレミー・レナ―(右側)写真:Georg Szalai

病院脱出計画と“バナナ脚の男”

事故から数日後、レナーは病院から脱出しようと3度試みた。甥と共に点滴や機器を引きずりながら、痛む脚でゆっくりと病室を出ようとした。この脱出劇を、彼は「アルカトラズからの脱出ごっこ」とユーモアたっぷりに語っている。途中、よろよろと歩く様子から“バナナ脚の男が動いている”と病院内で話題になったという。しかし最終的には家族や医師に見つかり、部屋に戻されてしまった。

鎮痛剤断ちと“脚との対話”

さらに、レナーは鎮痛剤オキシコドンを自ら断薬した。痛みが残る義足に向かって「お前はもう新しくて強いんだ」と話しかけることで、痛みに対する意識を再構築していった。やがて彼は、痛みをスマホの通知のように「ただスワイプして消せる」感覚にまで落とし込んだという。

恐怖と対峙する「再乗車」

そして事故から1年後、レナーは恐怖と向き合うため、再びスノーキャットに乗った。運転席には、当時着ていた衣服の破片がまだ残っていた。それでもレナーは「もうお前には負けない」と心の中でつぶやき、マシンを操作した。彼はその体験を「元カノと再会して、もう魅力を感じないようなもの」とたとえている。

まとめ

ジェレミー・レナーは、自身の死の淵からの生還を通じて、家族、精神力、そしてユーモアの力を証明した。
その物語は、希望と再生の力を読者に伝えてくれる。

※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら

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