【カンヌ映画祭2025の必見作10本】鬼才アリ・アスターの異色作、ジェニファー・ローレンス主演最新作も!

2025年のカンヌ国際映画祭が、現地時間13日にいよいよ開幕する。
ダルデンヌ兄弟やケリー・ライカートらアワードのベテラン勢から、アリ・アスターやカルラ・シモンといった気鋭監督の新作まで、米『ハリウッド・リポーター』の映画批評家が今年の必見の出品作10本をセレクトした。
1.『Die, My Love』
『少年は残酷な弓を射る』(’11)や『ビューティフル・デイ』(’17)などで知られるスコットランド人監督リン・ラムジーの長編5作目は、産後うつによってメンタルヘルスや結婚生活の崩壊に直面する母親(ジェニファー・ローレンス)を描いたコメディー調のスリラー。共演にはロバート・パティンソンをはじめ、ラキース・スタンフィールド、シシー・スペイセク、ニック・ノルティが名を連ねている。
2.『Eddington』
『ヘレディタリー/継承』(’18)や『ミッドサマー』(’19)でカルトホラーの名匠としての地位を確立したアリ・アスター。自身初のカンヌ・コンペ部門出品作は、ホアキン・フェニックス演じるニューメキシコ州の田舎町の保安官とペドロ・パスカル演じる市長の対立を描いた現代の西部劇だ。やがて2人の亀裂は、住民の間で混乱を招いていく。ルーク・グライムス、クリフトン・コリンズ・Jr.、エマ・ストーン、オースティン・バトラー共演。
3.『The History of Sound』
南アフリカ出身の気鋭オリヴァー・ハーマナス(『生きる LIVING』)が放つ新作は、ベン・シャタックによる鮮烈な短編作品を映像化した『The History of Sound』。ジョシュ・オコナーとポール・メスカルが恋人同士を演じる本作は、1919年夏を舞台に、2人がニューイングランドの人々からバラッドや民謡を収集するために徒歩で長い旅路に繰り出す姿を描く。
4.『The Mastermind』
ケリー・ライカート監督(『ショーイング・アップ』)は、新作『The Mastermind』で舞台を自身の定番である太平洋岸北西部から、70年代のマサチューセッツに移動。ベトナム戦争や活発化する女性解放運動を背景に、困窮する大工(ジョシュ・オコナー)が大胆な美術品強盗を企て、人生が崩壊していくさまを追う。共演にアラナ・ハイム、ジョン・マガロ、ギャビー・ホフマン、ホープ・デイヴィス。
5.『Romería』
2017年に『悲しみに、こんにちは』で長編デビューを飾り、『太陽と桃の歌』で2022年のベルリン映画祭金熊賞を受賞したカルラ・シモン監督。自身の家族の歴史に再び焦点を当てた新作は、父方の祖父母に会いに初めてガリシアへと旅する少女の姿を描いている。幼少期にエイズで両親を亡くした彼女は、自分なりに辛い過去に向き合う方法を見出していく。
6.『The Secret Agent』
2019年にカンヌで審査員賞に輝いた衝撃作『バクラウ 地図から消された村』のブラジル人監督クレベール・メンドンサ・フィリオによる本作は、ワグネル・モウラを主演に迎えた政治スリラー。物語は、ブラジルの軍事政権末期のレシフェを舞台に、謎の過去を抱えた教師が安全な避難所を探し求める姿を描く。
7.『Sentimental Value』
オスカー2部門にノミネートされた『わたしは最悪。』(2021)のヨアキム・トリアー監督×脚本家エスキル・フォクトがタッグを組み、再びレナーテ・レインスヴェを主演に迎えた新作。ノルウェーに暮らす有名な舞台俳優の主人公(レインスヴェ)の家族を親密な眼差しで捉え、記憶や芸術がもたらす調和の力に思いをはせる。ステラン・スカルスガルド、エル・ファニング共演。
8.『Sirat』
2019年にカンヌのある視点部門審査員賞を受賞した『ファイアー・ウィル・カム』のスペイン人監督オリヴァ―・ラクセによる本作では、名優セルジ・ロペスが失踪した娘を捜索する父親を演じる。娘が姿を消したモロッコ南部の山へと息子と共に旅に出た父親は、自らの限界に向き合うことになる。
9.『Urchin』
クリステン・スチュワートやスカーレット・ヨハンソンら俳優による監督デビュー作が多数出品されている今年のカンヌのなかでも、ハリス・ディキンソンがメガホンをとった本作は特に話題を集めている。ロンドンを舞台に、家を持たない男(フランク・ディレイン)が自己破壊のサイクルから脱し、人生を変えていくさまを生々しく描いている。
10.『The Young Mothers Home』
『ロゼッタ』(’99)と『ある子供』(’05)で2度のパルムドール受賞を誇るベルギーのダルデンヌ兄弟。感情に流されることなく社会の現実を映し出す彼らの手法は、つねに痛烈な印象を残してきた。その特徴は苦難を抱えた5人の女性を描く新作でも健在で、シェルターに暮らす彼女たちが自身と子どものためにより良い生活を築こうする姿を捉えている。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。翻訳/和田 萌
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