堺雅人8年ぶり主演映画『平場の月』で平凡な印刷工役「素晴らしい人物演じられた」
朝倉かすみ氏による20万部突破のベストセラー小説を映画化した『平場の月』の製作報告会見が22日、都内のホテルで行われ、主演の堺雅人をはじめ井川遥、中村ゆり、でんでん、吉瀬美智子、坂元愛登、一色香澄、土井裕泰監督が出席した。
妻と別れ印刷工として慎ましい生活を送る主人公の青砥が、中学時代の初恋相手の須藤と約30年ぶりに再会しひかれ合っていくラブストーリー。堺は、「原作を読んでいて気づいたら夢中になっていた。何度読んでも面白いし、読むほどに新たな発見があった」とほれ込み出演を決意した。
映画主演は2017年『DESTINY 鎌倉ものがたり』以来8年ぶり。これまではTBSドラマ「半沢直樹」、「VIVANT」など個性の強い役で印象を残してきたが、一転、平凡な印刷工役という新境地に挑んだ。
撮影は昨年11~12月に埼玉県の朝霞、志木などで、実際に稼働している印刷工場でもロケが行われた。堺は、「全面協力していただいて、その仕事に携わる方は誇りがあって、気さくで奥さん思いのいいヤツばかり。いろいろなところに青砥がいて、素晴らしい人物を演じることができた」と満足げに振り返った。
井川が須藤を演じ、2人は20年「半沢直樹」シーズン2以来の共演。その際は銀行員の客と料理店の女将という設定で、堺は「優しくて凄くクレバーで素敵な女優さんだったが、プラスしてお調子者の部分がありじっとしていられない人。“井川体操”を教えてもらったんです」と明かした。
冬のロケで筋肉をほぐすなどの効果があったようで、「動画にして流してほしい。そこから井川さんを上回る(体操の)先生を見つけてられていない」と要望。対する井川は、照れながら「穏やかでどこまでも優しくて、愛にあふれた方。互いに子供を送り出してから現場に入っていたので、毎朝『今日はどんなハプニングがあった?』という話をしていました。日常の生活の中にこの映画があった気がします」と話していた。
また、堺は早稲田大の演劇サークルの先輩に当たる土井監督に対し「若い頃からいつか使ってくれるだろうとずっと待っていたが、そこから30年。満を持してですね」と皮肉交じりの発言。土井監督は苦笑しつつ、「機会を待っていたけれど、国民的俳優になって手の届かないところにいっちゃったから」と釈明していた。
『平場の月』は、11月14日に全国で公開される。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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