Netflixドキュメンタリー、『コールドケース: タイレノール殺人事件に迫る』容疑者へのインタビューに成功

1982年のシカゴで、少なくとも7人が青酸カリ入りのタイレノール・カプセルを服用して死亡した事件が起こった。連邦捜査局は今日まで犯人を特定できずにいる。その未解決事件を追ったNetflixのドキュメンタリー『コールドケース:タイレノール殺人事件』が公開された。制作者ヨタム・ゲンデルマンとアリ・パインズが、FBIの唯一の容疑者ジェームズ・ルイスの長時間インタビューを収録することに成功した。
インタビューの実現
ルイスとの接触に成功したのはプロデューサーのモリー・フォレスターだった。2022年、記者たちがルイスの自宅前で張り込みを続ける中、フォレスターは彼の信頼を獲得することに成功した。「あなたは人間だ。たとえひどいことをしたとしても、人間として話がしたい」と彼女は説得した。
幼い頃に両親に捨てられたルイスには数々の犯罪歴がある。しかし、ルイスがこの事件を実際に犯したかどうかは、これまで証明されておらず、今も証明されていない。タイレノール事件では起訴されていないが、製造元のジョンソン・エンド・ジョンソンに脅迫状を送り100万ドルを要求した恐喝罪で有罪となった。1978年には殺人容疑で起訴されたが、警察の捜査ミスで有罪に至らなかった。
「彼は注目されることを好む」とゲンデルマンは語る。40年間追われ続けた結果、話したい気持ちが強くなったのではないかと分析している。インタビュー後まもなく、ルイスは死去した。
「ジムだけが容疑者ではない」とパインズは指摘する。青酸カリを所持していたことを認めた港湾労働者ロジャー・アーノルドも警察の捜査対象となっていた。
「私たちはこのインタビューを、ルイスから自白を引き出すためだけに行なったのではなく、この事件や、過去に彼が疑われていた他の事件に関するあらゆる難しい質問について、彼に真摯に向き合うために行なったのです」とパインズは続けた。制作者たちは単なる自白を求めるのではなく、事件について厳しい質問をぶつけることを目的としていた。
ドキュメンタリーの影響力
ゲンデルマンとパインズは以前、イスラエルの13歳少女殺害事件を扱った『Shadow of Truth(原題)』を制作し、冤罪で収監されていた男性の再審・無罪獲得に貢献した。「犯罪ドキュメンタリーには現実を変える大きな力があります」とパインズ氏は言う。「そして、非常に重要なことを達成できるのです。」
『コールドケース: タイレノール殺人事件に迫る』はNetflixで視聴可能。
※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら。
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