吉沢亮『国宝』公開に万感「役者人生の全てを懸けた、至極のエンタメ」
第78回カンヌ映画祭の監督週間に出品された李相日監督の『国宝』が6日、全国356館で封切られた。
李監督と出演の吉沢亮、横浜流星、高畑充希、寺島しのぶ、森七菜、見上愛、黒川想矢、越山敬達、永瀬正敏、宮澤エマ、田中泯、渡辺謙が東京TOHOシネマズ六本木で初日舞台挨拶に登壇。主演の吉沢は、「ついに皆さまに届けられる日がきて、うれしいと思うと同時にちょっと寂しいような不思議な気持ちで迎えています」と万感の表情で語った。
吉田修一氏の同名小説を原作に、上方歌舞伎の名家に引き取られたやくざの息子とその家の御曹司が切磋琢磨し人間国宝を目指す50年にわたる一大叙事詩。吉沢と横浜は、撮影前に1年半をかけて歌舞伎の所作や舞踊の稽古を積んで臨んだ。
李監督は、「流星が『魂を込めた』と何回も言うからちょっとやめろよと言いたい」とちゃかしつつ、「魂を込めた作品を目撃してくれることがうれしい」と笑顔。横浜も、「安っぽくなってしまいますが、魂を込めた作品が一人でも多くの方に届き、心に残り続け愛してもらえることを願っています」と改めて強調した。
二人の師匠を演じた渡辺は、「早く見てほしい。その一語に尽きる」と自信たっぷり。「朝から、見たという知り合いから『ヤバいです』、『しびれました』というLINEが何本もきて、かなりうれしい一日になっています」とうれしそうに語った。
吉沢と横浜は、それぞれの少年時代を演じた黒川と越山を絶賛。吉沢は、「撮影現場にお邪魔したけれど、黒川くんが色っぽすぎてヤバいなと思った。メイクさんからも『想矢くんに負けていない?大丈夫?』と言われゆううつになったが、二人が素晴らしい土台をつくってくれた」と感謝。横浜も、「越山くんが堂々と生きてくれたので、その意思を引き継ごうと思った」と称えた。
2021年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」に主演するなど第一線を走り続けてきた吉沢だが、「1年半を一つの役に込められることはなかなかない。これまでの役者人生の全てを懸けた」と宣言。そして、「素晴らしい至極のエンタテインメント作品が生まれた。皆さんとともに盛り上げていけたらうれしい」と呼びかけた。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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