新作『プレデター:バッドランド』がコミコンで初披露、冒頭15分の公開と豪華サプライズに歓声

『プレデター:バッドランド』、エル・ファニング 提供:20th Century
『プレデター:バッドランド』、エル・ファニング 提供:20th Century
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ディズニーは『プレデター:バッドランド』において、“言葉ではなく見せて伝える”姿勢を全面に打ち出していた。期待に満ちたコミコン2025の観客に対し、この新作SFアドベンチャー映画の緊迫した冒頭15分を公開したのである。

あの2大レジェンドがカメオ出演!全員にマスク配布のサプライズも

パネルでは、アーノルド・シュワルツェネッガーダニー・グローヴァーのカメオ出演が紹介された。このシーンは、新作アニメ映画『プレデター:最凶頂上決戦』(2025年)に挿入される予定である。パネルの締めくくりとして、ホールHの広大な会場に集まった6,500人全員にプレデターマスクが配布された。

夢のホールHへ──トラクテンバーグ監督の原点への回帰

コミコンのホールHに立つことは、ダン・トラクテンバーグ監督にとって本当に夢が叶った瞬間であった。
トラクテンバーグはポッドキャスト活動からキャリアを始め、2000年代にはファンとして8年連続でコミコンに足を運んでいた。

トラクテンバーグ自身が指摘したように、彼はオタク・コミュニティの一員として、ホールHでのいくつかの重要な瞬間の目撃者であった。たとえば、2007年の『アイアンマン』第1弾予告編の発表や、2010年の悪名高い“ペン刺し事件”などである。

※ペン刺し事件とは、2010年にサンディエゴ・コンベンションセンターで行われたコミコンにて、来場者の1人が、座席の距離をめぐって口論となった相手の目の近くをペンで刺した事件

さらに今回は、1990年代からコミコンの常連であり、オタク文化を広める役割を果たしてきた映画監督ケヴィン・スミスが司会を務めるパネルに、自ら登壇者として参加することができた。

「意味ある作品でなければ来ない」監督の覚悟と観客の熱狂

トラクテンバーグは、映画を持ってコミコンに来るということが大きな意味を持つことは承知していたが、「もし行くなら、それは意味のあるものでなければならない」という強い思いが常にあったと語った。

実際、今回の『プレデター:バッドランド』は観客にとってまさに“意味のあるもの”であった。映像はまだ完全な仕上がりではなく、一部のVFXは未完成で、音楽も仮のトラックであったが、観客はその映像を熱心に楽しんでいた。

映画の冒頭部分は、観客向けに字幕が付いた異星人の言語のみで構成されており、2人のプレデター兄弟が異星の惑星で戦っている様子が描かれる。

物語の中で、弟のデクが、部族の中で“出来損ない”とみなされ、淘汰されるべき存在であることが明かされる。
兄がそれを実行できなかったとき、「弱さを受け入れるなど言語道断である」と考える父親が介入する。

その後のシェイクスピア劇のような家族間の対立の中で、デクは惑星外へ連れ去られ、命と名誉をかけて闘う物語の舞台が整う。その“最悪の地”バッドランドでは、すべてが彼を殺そうとしている。

“初の主役プレデター”と合成生命体、エル・ファニングが描く異種の絆

「プレデターが主人公として描かれるのはこれが初めてである」と語ったのは、合成生命体を演じるエル・ファニングである。彼女のキャラクターは、言葉では説明しきれないが、プレデターと共に旅をする存在である。

彼女は映画の一部で、プレデターの背に乗って行動しており、その描写は『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980年)におけるチューバッカとC-3POの場面を思わせるものである。
プレデターを演じているのは、ディミトリウス・シュースター=コロアマタンギである。

自然の中で体当たり演技!俳優2人の過酷な撮影エピソード

この2人の俳優は、撮影現場での協力について観客に語り、撮影の多くがニュージーランドの自然の中で、スタジオではなく屋外で行われたことを明かした。

「撮影の大半は自然の中だった」とトラクテンバーグ監督は語った。「2人の俳優は身体を固定されながら、ウナギだらけの溝を通るようなシーンにも挑んだ」

ステージには特殊効果アーティストのアレック・ギリスも登壇した。彼は特殊効果の先駆者スタン・ウィンストンに師事し、これまでのトラクテンバーグ監督のすべての『プレデター』作品に参加している。

ダン・トラクテンバーグ、『プレデター』写真: ALBERTO E. RODRIGUEZ/GETTY IMAGES; DAVID BUKACH/HULU/COURTESY EVERETT COLLECTION
ダン・トラクテンバーグ、『プレデター』写真: ALBERTO E. RODRIGUEZ/GETTY IMAGES; DAVID BUKACH/HULU/COURTESY EVERETT COLLECTION

ギリスとトラクテンバーグは、今回の映画で初めてプレデターの顔が実物のマスクではなくCGで表現されたことを説明した。これは、エイリアンをヒーローとして描くにあたり、より繊細な感情表現が求められたためであり、極めて難易度の高い挑戦であったという。

「今回は感情的な領域に踏み込めるようにしたかったので、我々は独自のシステムを開発した」とトラクテンバーグは説明した。その一部には、実際のスーツ(着ぐるみ)を維持しつつ、顔の部分にはWeta Workshopによるデジタル技術を用いることが含まれていた。

プレデター:バッドランド』は、2025年11月7日に日米同時公開予定である。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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