次期ボンド役は確定か?アーロン・テイラー=ジョンソン報道の信憑性を検証

ジェームズ・ボンドはカジノ慣れしているが、そんな彼でさえ、次期ボンド候補の賭けレースには眉をひそめるかもしれない。
ギャンブルサイト「VegasInsider(ベガスインサイダー)」による最新の予測によれば、アーロン・テイラー=ジョンソンが007のボンド役を演じる最有力候補となっており、その配当率は約2.4対1である。
しかし、35歳の『キック・アス』(2010年)俳優に全財産を賭ける前に、業界筋はこう指摘する。「まだゲームは本格的に始まってすらいないし、カードも配られていないのだ」
テイラー=ジョンソンが最有力視されているのは、スパイ的な魅力というより、“巧妙な情報コントロール”による話題性が大きいのかもしれない。彼がボンド役を演じるという賭けの配当率が上昇したのは、イギリスのメディアによる一連のリーク記事――とくに、『ザ・サン』紙がダニエル・クレイグがワルサーPPK※を置いて以降、テイラー=ジョンソンを「次期ボンド」としてたびたび取り上げてきたことの影響が大きい。
※ワルサーPPKとは、ドイツの銃器メーカー「カール・ワルサー」が開発した自動拳銃で、ジェームズ・ボンドが愛用している銃のこと
2022年後半には、同紙は、内部関係者の証言として、テイラー=ジョンソンがパインウッド・スタジオでの「極秘スクリーンテスト」でプロデューサーのバーバラ・ブロッコリに感銘を与えたと報じていた。
数か月後、また別の内部関係者とされる人物がこう語った。「ボンド役はアーロンのものだ。彼が望めば、引き受けることができるだろう」
しかし、出典メディアであるRambling(ランブリング)の独自の内部関係者たちは、そのような筋書きにはいくつかの問題があると指摘している。
歴史的に見て、ボンドのスクリーンテストは非常に厳格に管理された007の儀式であり、通常は『007/ロシアより愛をこめて』(1963年)のワンシーンを使って行われる。そして、これらのテストは、監督が決定してからでなければ実施されない。
だが、2022年当時、監督はまだ決まっていなかった。ドゥニ・ヴィルヌーヴが監督に起用されたのは2022年6月である。
仮に2022年当時、テイラー=ジョンソンがバーバラ・ブロッコリを感銘させたとしても、それが2025年の配役予想に影響し続けているのは不自然である。というのも、ブロッコリとその異母兄マイケル・G・ウィルソンは、2025年初頭に『007』フランチャイズの権利をAmazonに譲渡しているからである。
今や、印象を与えるべき相手は、Amazonで『007』を手がける映画プロデューサー、エイミー・パスカルである。
ラスベガスの予想屋たちは、テイラー=ジョンソンが5月にボンド公式腕時計のオメガのグローバルアンバサダーに就任したという、タイミングの良すぎる契約を受けて、最近ネット上で広まった一連の“深読み”に影響を受けたのかもしれない。
それを「テイラー=ジョンソンがボンド役を手にした証拠だ」と見る人もいたが、実際はちがった。もしそれが本当だとするなら、過去のオメガ・アンバサダーであるニコール・キッドマン、ジョージ・クルーニー、ゾーイ・クラヴィッツも、とっくにボンドの愛用車であるアストンマーティンを乗り回していたはずだ。
VegasInsider(ベガスインサイダー)が考慮していないのは、これまで挙がったリーク情報や噂話、腕時計の契約といったすべてが、実はテイラー=ジョンソンのチャンスを逆に遠ざけている可能性があるという点だ。
Rambling(ランブリング)の内部関係者はこう語っている。「その役を強くアピールすればするほど、裏目に出ることがある。あまりに積極的すぎる姿勢こそが、かえって配役を遠ざける可能性もある」
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
【関連記事】
- 【10%OFFクーポン対象】映画ファン必見!この夏、あの名作Tシャツを“着て楽しむ”
- 【ディズニープラス】2025年8月の配信作品:SFホラーの金字塔が初のドラマ化!『エイリアン:アース』、キンプリ×ミッキーマウスの夢のコラボを追う特番も
- 『バレリーナ:The World of John Wick』キャラビジュアル&PV解禁!8月、新たな復讐劇が始まる
- ジェームズ・ボンド作品、Amazonがフランチャイズを引き継ぐ
- ピアース・ブロスナン、次期ジェームズ・ボンド候補のアーロン・テイラー=ジョンソンに太鼓判
- 『キングスマン』のタロン・エガートン、次期ジェームズ・ボンド役を辞退「自分にはもったいない役」