【レビュー】ドラマ『エイリアン:アース』|ついに地球襲来!新時代の“エイリアン”で描かれる進化と新たなる恐怖

『エイリアン:アース』写真:Patrick Brown/FX
ドラマ『エイリアン:アース』より 写真:Patrick Brown/FX
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◆8月13日(水)よりディズニープラスで独占配信中!『エイリアン:アース』

FARGO/ファーゴ』などで知られるエミー賞受賞クリエイター、ノア・ホーリーが手がけた『エイリアン:アース』は、リドリー・スコットによる1979年のSFホラー『エイリアン』シリーズ初のドラマ作品。地球を舞台に描かれる新章は単なる過去作の焼き直しではなく、人間性や傲慢さをテーマにした知的で壮大な物語に仕上がっている。もちろん、人間が宇宙の脅威に立ち向かうというシリーズ本来のスリルも健在だ。

◆『エイリアン:アース』あらすじ

ドラマ『エイリアン:アース』より 写真:Patrick Brown/FX
ドラマ『エイリアン:アース』より 写真:Patrick Brown/FX

時は2120年、地球は5つの巨大企業に支配されている。プロディジー社が所有するネバーランド研究島では、末期疾患の12歳の少女が最新技術で意識を人工知能AI体“シンセ”に移行され、ウェンディ(演:シドニー・チャンドラー)として新たな命を得る。

「ハイブリッド」となったウェンディは特殊部隊とともに宇宙船墜落事故の救助任務に参加するが、そこで遭遇したのは謎の捕食生命体だった。プロディジー社の創設者・カヴァリエ(演:サミュエル・ブレンキン)は、その生命体を利用しようと企むが――。

◆全編に漂う緊張感と圧倒的な映像美

ドラマ『エイリアン:アース』より 写真:FX
ドラマ『エイリアン:アース』より 写真:FX

全8話構成の『エイリアン:アース』は、説明的な場面においてすら退屈することがない。凄惨な暴力描写や、不穏な会話が適度な間隔で差し込まれ、鑑賞者を常に緊張させる。アンディ・ニコルソンによる美術は冷たくも美しく、触れられそうなリアリティと圧倒的なスケール感を備えている。さらに、ブラック・サバスやパール・ジャムのロックが皮肉たっぷりに物語を締めくくる演出も印象的だ。

◆多彩なキャラクターと魅力的なキャスト陣

アレックス・ロウザー、ドラマ『エイリアン:アース』より 写真:Patrick Brown/FX
アレックス・ロウザー、ドラマ『エイリアン:アース』より 写真:Patrick Brown/FX

ゼノモーフはさまざまな形で登場し、新種のクリーチャーも独自の“おぞましく魅力的”な殺戮方法を見せる。また、従来型の人工知能AI体“シンセ”であるカーシュ(演:ティモシー・オリファント)、“シンセ”に人間の意識を取り込んだ“ハイブリッド”のウェンディ、さらに人間の体の一部をマシン化した“サイボーグ”など、「人間と機械の中間」に存在するキャラクターたちも登場し、「何をもって人間とするのか」という哲学的問いも描かれる。

このように数多くのキャラクターが登場するが、役者陣の演技は非常に魅力的だ。中でも特に印象的なのは、ウェンディの兄で衛生兵のジョーを演じたアレックス・ロウザーで、陰鬱な世界に温もりをもたらしている。一方、プロディジー社の創設者・カヴァリエは、ゼノモーフの血よりも有毒な傲慢さで嫌悪感を煽る。カヴァリエと、マーク・ザッカーバーグやイーロン・マスクのような実在のテック界の天才との比較は避けられないだろう。

◆“仮面を外した時代”にふさわしい物語

シドニー・チャンドラー、ドラマ『エイリアン:アース』より 写真:Patrick Brown/FX
シドニー・チャンドラー、ドラマ『エイリアン:アース』より 写真:Patrick Brown/FX

『エイリアン:アース』は、悪役たちが自らの動機を隠さない今の時代と重なり、あえて露骨な描写で迫る。シリーズの核であるゼノモーフにとって、すべての生命はただの“餌”でしかない――その本質を隠す必要はないのだ。序盤はじっくりと進むが、終盤は地獄が解き放たれたような怒涛の展開が待ち受けている。最後には、エイリアンもファンも満腹になっているはずだ。

<『エイリアン:アース』作品情報>

■配信日:8月13日(水)
■出演:シドニー・チャンドラー、ティモシー・オリファント、サミュエル・ブレンキン、バボー・シーセイ、アレックス・ロウザー、エッシー・デイヴィスほか
■クリエイター:ノア・ホーリー

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌

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