ウェンズデー役を演じた歴代の俳優9人を徹底解説!~伝説的キャラクターの誕生秘話~

ジェナ・オルテガは現代のウェンズデー・アダムスを象徴する顔ともいえる存在だが、世間で広く知られるこの象徴的なキャラクターを演じてきた俳優はオルテガだけではない。
オルテガはNetflixシリーズ『ウェンズデー』で、この青白く不気味な雰囲気の少女をスクリーンによみがえらせた。同作はシーズン2が水曜日に配信開始となったが、1960年代にスクリーン初登場して以来、ウェンズデーを象徴するツインテールと陰鬱な気質を持つ俳優はこれまでにも数多く存在している。
ウェンズデー・アダムスというキャラクターの誕生
このキャラクターは、アメリカの漫画家チャールズ・アダムスによって1938年に創作され、『ザ・ニューヨーカー』誌に掲載されたアダムス・ファミリーの漫画で、当初は名前のない家族の一員として登場した。1944年になると、現在の「ウェンズデー・アダムス」としてその名が与えられた。
ゴメズとモーティシア・アダムスの一人娘であり、パグズリー・アダムスの姉であるウェンズデーは、病的なまでに死に取り憑かれ、弟いじめを好む一方で、外の世界から孤立し、冷たい性格ゆえに仲間外れにされている存在として描かれてきた。ウェンズデーの特徴は、青白い肌、長く編まれた黒髪、そして黒と白の襟付きドレスである。
最新作では、Netflixの『ウェンズデー』として2022年に配信が開始され、大きな成功を収めた。
伝説的キャラクター「ウェンズデー・アダムス」を演じた女優たちの軌跡
シーズン2の配信を記念して、ここでは映画とテレビを通して、長く編まれた黒髪と黒いストッキングを身にまとった、歴代9人のウェンズデー役俳優たちを振り返る。
1. リサ・ローリング(1964~1966年、1977年)
最初にスクリーンでウェンズデー役を演じたのは、シットコム形式の実写ドラマ『アダムス・ファミリー』でのリサ・ローリングである。オリジナルシリーズは1964年から1966年まで放送され、ローリングが演じたウェンズデーは、現在よく知られている姿よりも比較的おだやかで可愛らしいキャラクターだった。1977年にはテレビ映画『ハロウィーン with ザ・ニュー・アダムス・ファミリー(原題)』で、大人になったウェンズデー役を再び演じている。
2. シンディ・ヘンダーソン(1972~1973年)
シンディ・ヘンダーソンは、1972年放送のアニメシリーズ『ザ・ニュー・スクービー・ドゥー・ムービーズ(原題)』のエピソード『ウェンズデーが行方不明(Wednesday is Missing)』で、初めてウェンズデーの声を担当した。
CBS向けにハンナ=バーベラが制作したこの番組は、『スクービー・ドゥー』シリーズ第2作目にあたり、各エピソードには実在の著名人や、『アダムス・ファミリー』のような有名アニメキャラクターがゲスト出演していた。
ヘンダーソンは1973年にハンナ=バーベラが制作した『アダムス・ファミリー』のアニメ版シットコムでも、ウェンズデー役の声を続投している。ちなみに、このアニメではパグズリー・アダムスの声をジョディ・フォスターが担当していた。
3. ノエル・ヴォン・ソン(1973年)
『アダムス・ファミリー・ファン・ハウス(原題)』は、資金不足のためパイロット版のみで終了し、実際の放送には至らなかった音楽バラエティ番組である。1973年、ノエル・ヴォン・ソンはABC制作のパイロット版でウェンズデー役を演じ、短いながらもウェンズデーに命を吹き込んだ。
4. クリスティーナ・リッチ(1991年、1993年)
クリスティーナ・リッチは、ウェンズデーを現在の象徴的なキャラクターへと押し上げた立役者である。1991年公開の映画『アダムス・ファミリー』は、実写長編として初めてファミリーのメンバーをポップカルチャーに定着させた作品であり、家族向けでありながらも、その不気味な趣味やブラックコメディの雰囲気を色濃く描いていた。
リッチは1993年の続編『アダムス・ファミリー2』でもウェンズデー役を続投。さらに、Netflixシリーズ『ウェンズデー』では、マリリン・ソーンヒル(本名ローレル・ゲイツ)役を演じている。
リッチが演じたウェンズデーは彼女のキャリアの飛躍台となり、その後『バッファロー’66』(1998年)、『スリーピー・ホロウ』(1999年)などの映画や、近年では高い評価を受けたドラマシリーズ『イエロージャケッツ』(2021年~)にも出演している。
5. デビ・デリーベリー(1992~1993年)
1991年の映画『アダムス・ファミリー』の成功を受け、キャラクターたちは再びアニメシリーズ『アダムス・ファミリー』として映像化され、1992年から1993年にかけて放送された。著名な声優デビ・デリーベリーがウェンズデーの声を担当し、この作品ではいくつかの変更が加えられた。なかでも象徴的だったのは、ウェンズデーの伝統的な黒いドレスが青に変更された点である。
このアニメシリーズは映画ほどダークではなかったが、デリーベリーが声を演じたウェンズデーは、より原作コミック版に近いキャラクター像となっていた。
6. ニコール・フジェール(1998~1999年)
ニコール・フジェールは、1998年のテレビ映画『アダムス・ファミリー サン再結集』でウェンズデー・アダムスを演じた。同作はゴメズ・アダムス役を務めたティム・カリーの演技を除き、低評価を受けた作品である。
この映画は、1991年の映画を実写シットコムとしてリブートする試みのパイロット版として制作され、その後『ザ・ニュー・アダムス・ファミリー(原題)』(1998~1999年)としてシリーズ化された。フジェールは同作でも引き続きウェンズデー役を務め、全65話、1シーズンで終了している。シリーズ終了後、フジェールは業界を離れた。
7. クロエ・グレース・モレッツ(2019年、2021年)
不気味な一家を描く最新のアニメ化作品は、2019年公開の『アダムス・ファミリー』であり、2021年には続編『アダムス・ファミリー2』が公開された。両作でクロエ・グレース・モレッツがウェンズデーの声を担当し、ゴメズ役はオスカー・アイザック、モーティシア役はシャーリーズ・セロンが務めた。
いずれの作品も好意的に受け止められ、シリーズの存在感を再び世に示すこととなった。
8. カリーナ・ヴァラディ(2022年)
2012年生まれのカリーナ・ヴァラディは、Netflixシリーズ『ウェンズデー』で幼い頃のウェンズデー役として俳優デビューを果たした。本作ではウェンズデーの記憶の中に登場し、ジェナ・オルテガとともに、黒い心を持ちながらも愛すべきキャラクターとしてのウェンズデー像を形作っている。
9. ジェナ・オルテガ(2022年、2025年)
最新かつファンから絶大な支持を集めるウェンズデー役のジェナ・オルテガは、この役で初めて単独主演シリーズを持った俳優である。2022年にNetflixで配信開始された『ウェンズデー』は、ネヴァーモア・アカデミーに通う高校生時代のウェンズデーを描く作品だ。主人公は、風刺とゴシック要素をたっぷり盛り込んだ、まさにティム・バートン作品らしい人物像となっている。製作総指揮を務めたバートンは、シーズン1で複数のエピソードの監督も担当した。
このシリーズはNetflixで大きな成功を収め、オルテガのキャリアを飛躍させた。その後、オルテガはホラージャンルの常連顔としても知られるようになり、シーズン2でも再びウェンズデー役に戻ってきている。
『ウェンズデー』シーズン2の配信情報
シーズン2の前半は8月6日にNetflix独占で配信開始され、残りの4話は9月3日に配信予定。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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