【インタビュー】『男神』で映画デビューを果たした、岩橋玄樹に単独インタビュー! 正義感あふれる弟キャラを熱演 「日本のホラーを世界中の人にもっと知ってほしい」
9月19日に全国ロードショーとなる映画『男神』。本作でスクリーンデビューを果たした、俳優で歌手の岩橋玄樹に単独インタビューを実施した。
日本古来の神々と人間の世界が交錯する、神秘と恐怖に満ちた物語『男神』。深い森や神社を舞台に、目に見えぬ存在への畏怖、古くから伝わる儀式、生贄の伝承などが織り込まれた本作は、ホラーでありながらもファンタジーや家族愛の要素を併せ持つ異色の作品だ。
【動画】映画『男神』9.19(金)公開|予告60秒
本作で映画デビューを果たした岩橋玄樹は、正義感あふれる青年・山下裕斗という役を演じており、物語の中核を担っている。英語と日本語を交えたセリフ回しや、重機を操作するアクション、そして全身泥まみれになって挑む過酷な撮影など、スクリーンデビュー作とは思えない幅広い挑戦を見せている。海外生活で培った視点から、日本の文化やホラーの魅力を世界に発信したいという思いも強く、今回の出演は俳優としての新たな一歩となった。
今回、ハリウッドリポーター・ジャパンは、日本とロサンゼルスを拠点に活動する岩橋玄樹に、単独インタビューを実施。役作りの裏側や現場でのエピソード、そして今後の俳優・アーティストとしての展望まで、じっくりと語ってもらった。
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作品との出会い・参加のきっかけ
ーー映画を初めて撮ることになって、心境はいかがでしたか。
岩橋玄樹:ドラマとやり方はあまり変わりませんでしたが、約2時間の作品を、時間をかけて撮っていく。ドラマとは違って、1話1話ではなくて、長い話を皆さんで撮っていくという感じで、そういったところで撮り方の違いは多少はありました。そして、またお芝居ができるっていう楽しさと、新しい役への挑戦という、緊張やワクワクもあったり。とてもいい刺激になりました。
ーー英語と日本語を使った演技が求められる役でしたが、どのように準備・挑戦されましたか。
岩橋玄樹:英語のセリフでも専門用語が多く出てきたのですが、自分の中でも落とし込んで、練習しました。現場で、段取りなどいろいろやってる最中で、アーサー教授と話すシーンでは、もう少しわかりやすく、自分の伝えたいことを伝えたほうがいいんじゃないかという話になり、そこはけっこうアドリブになりました。
ーーご自身でセリフの提案などをされたということですか。
岩橋玄樹:そうですね。もうちょっとわかりやすく、シンプルに変えて撮影しました。
ーー初の映画出演ということで、不安やプレッシャーはありましたか。
岩橋玄樹:特になかったです。楽しみの方が大きかったので。自分の家ではなくホテルに泊まっていたので、それもワクワクしましたね。
ーーたしかに、地方で撮影されたんですよね。
岩橋玄樹:はい。愛知県の日進市で撮影しました。愛知県は、名古屋はよくツアーで毎年回ってるんですけど、日進市に行くのは初めてでした。実際宿泊していたのは豊田市の方で、豊田スタジアムが近くにあって、そこで散歩したりもしました。
演じたキャラクター「山下裕斗」について
ーーご自身が演じた山下裕斗というキャラクターの役づくりで意識した点があれば教えてください。
岩橋玄樹:けっこう声を張っていた印象はありますね。彼は正義感が強く、さらに後輩感がある。仲間を助けたいという気持ちもあるんですけど、やっぱり後輩感というか、弟というキャラクターでもあったので、そこを意識しました。
ーー山下裕斗が自分と重なる部分はありますか。それとも普段の自分とは違う性格だなと思いますか。
岩橋玄樹:正義感というのは重なる部分はあったんですけど、あそこまで、すごい男らしいという感じではないので。けっこう大変でしたね。土を塗られたりとか。
ーー重機を操作するシーンもありますよね。
岩橋玄樹:お風呂に入ってシャワーを浴びて、毎朝クランクインして、撮影が始まるとすぐに泥だらけになるので。夜まで(肌や髪が)めっちゃカピカピしてました。
ーー土だらけになりつつ挑んでいたんですね。
岩橋玄樹:そうなんです。それがなかなか落ちなくて。本当の土とメイクの両方でやっていたので、全然落ちなかったですね。
ーーそれを毎日繰り返していたわけですね。
岩橋玄樹:はい、なので毎回終わってからお風呂に入るのが楽しみでした!
ーー印象的だったシーンや、特に苦労した撮影はありますか?
岩橋玄樹:須田亜香里さん演じるキャラクターが「裕斗もなんとかやっといて」と言うシーンが冒頭にあり、裕斗は「やりたくない」という表情をするんですが、その時に須田さんから「え、今なんか言った?」と詰められる場面があって。そこの表情というか、お芝居は意外と難しかったです。弟感というか。お姉ちゃんに歯向かうんだけど、歯向かえないっていう気持ちを演じるのが意外と大変でしたね。
【動画】映画『男神』9.19(金)公開|本編映像【裕斗編】
共演者との絆と現場での学び
ーー遠藤雄弥さんや須田亜香里さんなど、個性豊かなキャスト陣と共演して感じたことを教えてください。
岩橋玄樹:やっぱりお芝居はキャストさんが他にいて、一緒に空気感を作るもので、そういった環境がかなり久しぶりですごく新鮮でした。
ーーカメラが回ってないときにも、いろいろお話されたりしたのでしょうか。
岩橋玄樹:はい、たくさんお話しました!遠藤さんがすごく優しくて、僕のアメリカ生活の話を聞いてくれたりとか。撮影では僕が途中参戦だったので、周りとの環境を和ませてくれたりとか、すごく優しくてステキな方だなって思いました。
ーー初日から緊張されたとのことですが、現場で印象に残った共演者の方やエピソードはありますか。
岩橋玄樹:緊張は、最後までしてましたね。特に僕は重機を扱う役なんですが、重機なんて扱ったことがなかったので、どういう表情したらいいのかなと。重機の操作も覚えました。撮影の都合上エンジンは切っていたんですが、動かしてる風にやらないといけないので、実際にレクチャーされて、お芝居に入る形でした。そこが難しかったですね。
日本文化を纏った新しいホラーの魅力と映像美
ーーこの作品を通して、観客にどのようなメッセージや感情が届いてほしいと考えていますか。
岩橋玄樹:日本の神様、文化をここまでフィーチャーしたホラー作品ってそんなに多くないイメージですし、さらにその中にファンタジー要素、家族愛もあるので、新しいなと思いました。映画を通して、日本の昔からのカルチャーだったり、実際にああいう世界があるわけではないですけど、これを通してもっと、日本映画の新しい怖さを知っていただけたらなと。日本のホラー映画って、貞子みたいな“ザ・おばけ”みたいなのはありますけど、こういう目に見えない姿のおばけ、神様、生贄というのは、新しいホラー映画だなと思います。
ーー映像もすごくきれいでしたよね。映し方とか、自然の美しさを感じました。
岩橋玄樹:男神を映像で表現するのは、とても難しいことだと思っていました。どうやって映像で伝えるのか想像がつかなかったんです。台本を読んだときからずっと、どう表現するんだろう?と思っていたのですが、完成した映像を見て、本当にそこに男神がいるように感じられる表現になっていて驚きました。あそこまでリアルに作品として形にしたのは本当にすごいと思います。そういうところに視点を置いてみても面白いんじゃないかなって思います。
ーー海外に住んでいる岩橋さんの視点から見て、日本の文化やホラーの魅力はどのように感じられましたか?
岩橋玄樹:日本特有の文化って、外国人に刺さりやすいと思うんですよ。神社とかアニメとかもそうですし、ご飯もそうですよね。こういうホラー作品も、好きな人は本当に好きだと思います。
ーーぜひ、海外の人にも見てほしいですね。
岩橋玄樹:そうですね。せっかく英語のシーンもありますし。こういう、男神っていう神様が本当に日本にいるんじゃないかなっていう風に錯覚できるような映画だと思うので。
新たな学び、挑戦したい役、そしてハリウッドへの道
ーー今回の経験を経て、俳優として新たに得たもの、学んだことは何でしょうか。
岩橋玄樹:お芝居って本当に、ずっと難しいなと思いますね。間の取り方や、監督の見せたいアングル、表情というのは、本当に、みんなが一つにならないと表せないものだと思うので。それを表現するにあたって、一人一人が自分だけの世界に入り込まないで、みんなの気持ちをしっかり理解できるように、視野を広く持つことが大切だと改めて学びました。
ーーこれからどのような役柄やジャンルに挑戦してみたいですか。
岩橋玄樹:そうですね。二つくらいあって、一つは青春もの。あとは、消防士など人を助ける系の役がやりたいです。
ーー青春系とヒーロー的なのをやりたい理由はありますか。
岩橋玄樹:青春系は、僕が青春を過ごせなかったからやりたいという気持ちがあります。
ーーなるほど、画面の中で叶えたいのですね。
岩橋玄樹:そうですね。学園ものとか、ああいうのを見ると、「青春てこういう感じなんだ」と。映像でしか見たことないので。
ーーヒーローものも、すごく似合いそうな感じがします。
岩橋玄樹:人助けをする映画『海猿』がすごく好きで。ああいう、誰かを助ける役はすごく興味がありますね。
ーーまた、ロサンゼルスに在住ということですが、やはりハリウッド進出も視野に入れているのでしょうか。
岩橋玄樹:それはやっぱり。この世界に生きていたら、皆さん持っている夢だと思います。それに一歩でも近づけるように、ロサンゼルスにいるときも頑張ってますね。先日、ロサンゼルスで初めてライブを行い、とても楽しかったです。盛り上がりがまったく違っていて、MCもすべて英語で挑戦しました。自分の新たな一面を発見できた経験でした。そして9月にも再びロサンゼルスで公演を行う予定が決まり、今はその準備を進めています。
ーー『男神』を見て思ったのですが、岩橋さんは英語が流暢ですよね。小さい頃から英語が得意だったのでしょうか。それとも後から勉強されましたか。
岩橋玄樹:もともと、勉強とかできないタイプで。ノリですかね(笑)。
ーーやっぱりアーティストさんだから、耳が良いというのもあるのではないでしょうか。
岩橋玄樹:あ!それはありますね。英語をフレーズや音で覚えたりしていますね。
ーーすごく発音がきれいで、留学してた方みたいだと思いました。
岩橋玄樹:勉強経験はあまりないんですけど、発音の先生はいますね。アメリカ帰ると、発音のレッスンを受けたりしています。
ーーではロサンゼルスでの生活で、日常会話とかに困ったりはしないんですね。
岩橋玄樹:それは、全然問題ないです。
ーー今後もアーティスト活動と俳優業を両立していくのでしょうか。
岩橋玄樹:そうですね。どっちもやっていきたいなと思っています。僕はクリストファー・ノーラン監督がめちゃくちゃ好きなんです。『インターステラー』(2014)という映画は、自分の人生を変えてくれたくらい、すごく感銘を受けた映画なんです。いつか一緒にお仕事というか、何か携わることができれば、すごく光栄だなというのは思います。
ーーノーラン監督、コンスタントに撮り続けていらっしゃいますし、きっとロサンゼルスにいたら、そういうチャンスもめぐってきそうな感じがします。
岩橋玄樹:それこそ、この間ドラマ『SHOGUN 将軍』に出ていた方とお友達になったんです。いろいろ、お勉強させてもらってます。彼から、真田広之さんてこういう人なんだよっていうのを直接聞いたり。ロスで活躍されてる日本人の方が、そうやって近くにいると、いろんな刺激を受けるのでとてもすばらしいなって思いました。
ーー最後に、この映画を楽しみにしているファンの方々へメッセージをお願いします。
岩橋玄樹:今回、映画『男神』に出演できてとても光栄でした。裕斗という役は、男気があって正義感も強い一方で、後輩っぽさや弟のような一面も持つ、演じるのがチャレンジングな役でした。ただ、作品の中では大事な存在で、物語に新しいアクセントを加える役柄を演じられたことを、誇らしく感じています。
『男神』を通して、日本のさまざまな文化に多くの方が触れ、知って、感じていただけたら本当にうれしいです。また、今回は主題歌も担当させていただきました。俳優とは違う一面をアーティストとしてお見せできる機会になったので、そこも楽しんでいただければと思います。
この作品に参加できたことは、自分にとって大きな喜びであり、心から感謝しています。ぜひ映画館でたくさんの方にご覧いただければ幸いです。
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映画『男神』は2025年9月19日(金)全国ロードショー。
【作品情報】
STORY:全国各地で母と子の失踪事件が相次ぐなか、ある日、新興住宅地の建設現場に正体不明の深い「穴」が発生する。時を同じくして、そこで働く和田の息子も忽然と姿を消してしまう。その「穴」の先は不思議な森に繋がり、そこでは巫女たちが「男神」を鎮めるため異様な儀式を行っていた。息子がそこに迷い込んだ事を知った和田は、その穴に入っていくが・・・。「決して入ってはいけない」と語り継がれる穴に、禁忌を破り息子を助けにいったことにより起きる得体のしれない恐怖と狂気、家族の悲劇を描くファンタジーホラー。
CAST・STAFF:遠藤雄弥、彩凪翔、岩橋玄樹、須田亜香里、カトウシンスケ、沢田亜矢子、加藤雅也(特別出演)ほか
監督・脚本:井上雅貴
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