『雪風』終戦80年の節目に公開、竹野内豊らが平和への願い訴える

映画『雪風 YUKIKAZE』公開初日
左から山田敏久監督、長谷川康夫氏、田中麗奈、奥平大兼、竹野内豊、玉木宏、當真あみ、中井貴一 ©︎The Hollywood Reporter Japan
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太平洋戦争の激闘を史実に基づいて描く映画『雪風 YUKIKAZE』が終戦記念日の15日、全国358館で封切られた。主演の竹野内豊をはじめ玉木宏奥平大兼當真あみ、田中麗奈、中井貴一、脚本の長谷川康夫氏、山田敏久監督が東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで初日舞台挨拶。戦後80年の節目に、それぞれが平和への願いを込めた。

度重なる戦火の中を潜り抜け、海に投げ出された兵士たち約1万3000人の命を救った駆逐艦・雪風の乗組員と、帰還を待つ家族たちの物語。艦長役の竹野内は、「ようやく初日を迎えられ感慨深い気持ち。戦争の記憶が少しずつ記憶から薄れていくこのタイミングで送り出せることを光栄に思う」としみじみ語った。

映画『雪風 YUKIKAZE』公開
竹野内豊 ©︎The Hollywood Reporter Japan

竹野内豊『雪風 YUKIKAZE』完成イベントで力説「歴史の1ページで終わらせてはいけない映画」

先任伍長役の玉木は、「戦争映画だが見終わった後に希望が持てる、ただ悲しいだけではない未来につなぐ作品です」と強調。水雷員役の奥平も、「見て初めて知る方もたくさんいると思う。それを後世につなげていくことの大切を感じてくれたら。未来をつくるのは我々で、未来永劫、戦争のない日々をつくれるような人間になりたい」と決意をにじませた。

艦長の妻役の田中は、「家族や友人とご飯が食べられる幸せの大切さを感じ、優しい気持ちになれる映画」と笑顔。先任伍長の妹役の當真は、「世界が平和であることを願い、私も役者としてできることをやっていきたい」と意欲を見せた。

映画『雪風 YUKIKAZE』公開初日
玉木宏 ©︎The Hollywood Reporter Japan

第二艦隊司令長官を演じた中井は、1981年『連合艦隊』が俳優デビュー作で「あの時は少尉役で、44年を経て司令長官まで上り詰めた。技量は足りないが、けっこう上まできたなと思う」と冗談めかし、会場を和ませる。その上で、「個人的にはまだ終戦ではないと思っています。いつか世界が平和になるまで、皆で努力していきたい。そんな思いが伝わる映画になれば」と訴えた。

山田監督は、「先人たちの思いをどう受け継ぎ、伝えていくことを一人一人が考える一助になれば」と期待。そして、竹野内が「何げなく使っていた助け船という言葉の本来の意味を知った。多くの人が救いを求め、助け船が必要な時代にこの作品を送り出せることは必然だった。たくさんのメッセージがこの映画には詰まっています。当時生きていた人々がどのような思いでいたか。活字ではなく映画で当時の人々の心情を体感してもらいたい」と締めくくった。

映画『雪風 YUKIKAZE』公開初日
中井貴一 ©︎The Hollywood Reporter Japan

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元

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