チャーリー・カーク銃撃事件を解読|薬きょうの暗号・『ペーパー・ハウス』との関連

事件現場のメッセージに隠された意味
保守派リーダー、チャーリー・カーク氏を銃撃した疑いが持たれている22歳のユタ州出身のタイラー・ロビンソン。その残された薬きょうには、いくつかの奇妙なメッセージが刻まれていた。
「ヘイ、ファシスト!キャッチ!」、「Notices bulge, OwO what’s this?(そんなに興奮しちゃって、どうしたの?)」、そして「オー・ベラ・チャオ、ベラ・チャオ、ベラ・チャオ・チャオ・チャオ」である。
矢印記号が示すゲームコードの可能性
ユタ州のスペンサー・コックス知事は、ロビンソン逮捕を発表した現地時間9月12日(金)の記者会見で「最初の言葉は説明不要であろう」と語った。しかし知事が気づいていなかったかもしれないのは、その横に描かれていた方向矢印の意味である。
これはビデオゲームにおける入力コードを示すものと考えられており、具体的には『ヘルダイバー2(Helldivers 2)』に登場する「イーグル500kg爆弾」のストラタジム入力コードだとされている。
ネットミーム「OwO」── オンライン文化の反映
薬きょうに刻まれたほかの文言は、ロビンソンがゲーマーであり、オンライン文化に深く浸っていたことを示唆している。「Notices bulge, OwO what’s this?(そんなに興奮しちゃって、どうしたの?)」は、もともと「ファーリー文化※」をからかうネットミームとして誕生したが、今では「イタい言動」を表す定型句として使われているのである。
※ファーリー文化(Furry culture)とは、動物を擬人化したキャラクター(人間のように話したり、服を着たりする動物)を愛好する人々の文化を指す。
“ベラ・チャオ”とは何か?
一方で“ベラ・チャオ”という曲は、より幅広い層になじみ深い。これは19世紀のイタリア労働者の抗議歌に由来し、第二次世界大戦中はナチス占領に抗したイタリアのパルチザン運動と結びつく反ファシズムの歌として知られ、戦後に広く普及したのである。
現代政治の場での再浮上
それから80年の時を経て、“ベラ・チャオ”はより広く反ファシズムの象徴的な歌として歌い継がれてきた。昨年には、ハンガリーのヴィクトル・オルバン首相が欧州議会を訪れた際、この曲が議場で一部議員により合唱され、議長が『ここはユーロビジョンではない』と叫ぶ一幕もあったのである。
しかしこの歌は、政治的象徴であると同時に実に耳に残る旋律でもある。そのため、ビデオゲームからスポーツの試合に至るまで、繰り返し大衆文化の中に姿を現してきたのである。
『ペーパー・ハウス』での象徴的な使用
なかでも特筆すべきは、Netflixのスペイン発の犯罪ドラマ『ペーパー・ハウス(原題:Money Heist)』(2017年~)における“ベラ・チャオ”の扱いである。2017年に配信が始まるや、瞬く間に世界的ヒットとなった同作において、この歌は幾度となく登場する。
初登場シーンが与える物語的意味
初めての登場シーンでは、教授(演:アルバロ・モルテ)とベルリン(演:ペドロ・アロンソ)が静かに歌を口ずさむ。その瞬間、彼らが仕掛けようとするのは単なる数億ユーロ規模の強奪ではなく、抑圧してきたシステムへの抵抗行為なのだという物語上の意味合いが鮮やかに浮かび上がるのである。
反響とチャートでの成功
その後も劇中で“ベラ・チャオ”は繰り返し登場し、強盗団の士気を高める合唱として鳴り響いた。この象徴的な使われ方によって楽曲は新たな命を吹き込まれ、2018年には欧州の一部の国のチャートで1位を獲得するほどの人気を博したのである。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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