『フォールアウト』・『THE LAST OF US』…ゲームの映像化作品が生み出す驚異の効果!数百万人の新規プレイヤー獲得の秘密とは

『THE LAST OF US』(左)、『フォールアウト』(右)写真:Liane Hentscher/HBO; Courtesy of Prime Video
『THE LAST OF US』(左)、『フォールアウト』(右)写真:Liane Hentscher/HBO; Courtesy of Prime Video
スポンサーリンク

近年、人気ゲームを原作とする映画・テレビシリーズが次々と制作され、エンターテインメント業界で大きな注目を集めている。これまでAmazonプライムビデオの『フォールアウト』をはじめ、HBOの『THE LAST OF US』が成功を収めてきた。

しかし、これらの映像化作品が原作ゲームに与える影響については、詳しく分析されてこなかった。そして、このたび英調査会社・アンペア・アナリシスが発表した最新調査により、ゲームの映像化作品が原作ゲームのプレイヤー数に劇的な増加をもたらしていることが明らかになった。

▼テレビシリーズ化の効果は映画化の4倍以上

ペドロ・パスカル、『THE LAST OF US』シーズン2 写真: HBO
ペドロ・パスカル、『THE LAST OF US』シーズン2 より 写真: HBO

アンペア・アナリシスの調査結果によると、ゲーム原作の映像化作品は平均して約140%のプレイヤー増加をもたらしている。さらに詳しく見ると、テレビシリーズ化の場合は平均203%の増加となり、映画化の平均48%を大幅に上回る結果となっている。これらの数値は、ゲーム内でのDLC(ダウンロードコンテンツ)やアップデートによる効果を「はるかに上回る」ものだ。

テレビシリーズ化の効果が映画化の4倍以上となっているのは、継続的な視聴機会を提供するテレビメディアの特性によるものだ。視聴者は複数のエピソードを通じてより深く作品世界に没入し、その結果として原作ゲームへの興味も高まっている。

▼実写版『フォールアウト』&『THE LAST OF US』の驚異的な効果

ドラマ『フォールアウト』より 写真: Courtesy of Prime Video
エラ・パーネル、ドラマ『フォールアウト』より 写真: Courtesy of Prime Video

最も顕著な成功例として挙げられるのが、Amazonプライムビデオにて配信中の実写シリーズ版『フォールアウト』だ。同作は、原作ゲームの月間アクティブユーザー数(MAU)を490%も増加させた。新規アクティブプレイヤーは1,400万人に達し、そのうち80%という驚異的な割合が初回プレイヤーであった。

HBOの大人気作『THE LAST OF US』も同様に大きな成果を上げている。同作は2シーズンを通じて、原作ゲームに400万人以上の新規プレイヤーを呼び込んだ。アンペア・アナリシスの調査では、テレビシリーズ版により、ゲームへの関心・参加度が平均で150%増加したことが判明している。

比較対象として、『The Last of Us Part II』リマスター版のPS5リリースによる月間プレイヤー数増加は70%、『The Last of Us Part I』のPlayStation Plus追加による増加は29%であった。これらの数値と比較しても、テレビシリーズ化の効果は圧倒的である。

▼小規模作品でも大きな効果?『Devil May Cry』の例

Netflixアニメシリーズ『Devil May Cry』より 写真:Courtesy of Netflix
Netflixアニメシリーズ『Devil May Cry』より 写真:Courtesy of Netflix

注目すべきは、必ずしも大ヒット作品でなくても大きな効果が得られることである。Netflixのアニメシリーズ『Devil May Cry』は決して大ヒットとは言えず、ピーク時でも2025年4月の人気テレビ番組ランキングで58位だった。それでも、本シリーズはプレイヤー数を2025年3月から358%も増加させた。ただし、近年の『Devil May Cry』(デビルメイクライ)のプレイヤー数は絶対数として大きくなかったため、増加率が高くなったという側面もある。

▼実写映画版『マインクラフト』もプレイヤー数増加に貢献

映画『マインクラフト/ザ・ムービー』写真: Warner Bros. Pictures
映画『マインクラフト/ザ・ムービー』より 写真:Warner Bros. Pictures

すでに絶大な人気を誇るゲーム『Minecraft』(マインクラフト)においても、映像化の効果は顕著に現れた。もともと非常に多くのプレイヤーを抱える人気ゲームであった『Minecraft』だったが、今年4月に劇場公開された実写版『マインクラフト/ザ・ムービー』によって、その月間アクティブユーザー数(MAU)は30%も急増した。

このケースでは、『Minecraft』の月間アクティブユーザー数増加分に貢献したプレイヤーのほぼ半数(46%、208万人)が新規プレイヤーであった。すでに膨大なプレイヤーベースを持つゲームでも、映像化により大幅な新規獲得が可能であることが証明されている。

▼続々と予定されるゲームの映像化プロジェクト

現在は、『Call of Duty』(コール オブ デューティー)や『Dark Deception』(ダーク ディセプション)の実写映画化、『Life is Strange』(ライフ イズ ストレンジ)の実写シリーズ化など、多数のプロジェクトが進行中だ。

アンペア・アナリシスのリカルド・パーソンズ氏は、このトレンドについて「映像化は、ゲームシリーズのプレイヤー数を大幅に増加させるものです。初めて『Fallout』(フォールアウト)の荒野に足を踏み入れる新規プレイヤーから、『Minecraft』に戻ってくる休眠プレイヤーまで、幅広い層を大規模に引きつけます」とコメントしている。

さらにパーソンズ氏は「DLCやリマスター版とは異なり、ヒットした映像化作品は、より多くの人々にその物語を届け、リーチを拡大します。私たちは、このトレンドが続くと予想しています」と続けた。「新規プレイヤーを求めるパブリッシャーと、確立されたファンベースを求めるスタジオ双方にとって、ウィンウィンの関係が生まれているのです」

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌

ザ・ハリウッド・リポーター・ジャパンで最新ニュースをゲット

【関連記事】

スポンサーリンク

類似投稿