【訃報】イタリアの名優レモ・ジローネ死去 『フォードvsフェラーリ』で活躍 享年76

レモ・ジローネ
レモ・ジローネ 写真:Stefania D'Alessandro/Getty Images
スポンサーリンク

イタリアの俳優レモ・ジローネ(Remo Girone)が逝去した。代表作に伝説的なマフィア・ドラマ『ザ・クラブ(原題:La Piovra)』や、映画『フォードvsフェラーリ』でのエンツォ・フェラーリ役などがある。享年76。

マフィア役からエンツォ・フェラーリまで多彩なキャリア

伊紙「ラ・レプッブリカ」によると、ジローネは膀胱がんを患い、モナコ・モンテカルロの自宅で金曜日に息を引き取った。

米国の観客には、ベン・アフレック監督・脚本・主演のクライム映画『夜に生きる』(2016)でマフィアの大物マソ・ペスカトーレを演じたことで知られている。また、デンゼル・ワシントン主演の『イコライザー THE FINAL』(2023)では、イタリア・アルタモンテの医師として主人公ロバート・マッコール(演:ワシントン)を支援する役どころを務めた。

『ザ・クラブ』で一躍名を馳せる

ジローネが広く知られるきっかけとなったのは、イタリア国営放送のリアリズム・ドラマ『ザ・クラブ(La Piovra/タコの意)』である。1987年のシーズン3から参加し、汚職銀行家ガエターノ “タノ” カリッディ役を好演。このキャラクターは実在のマフィア、ミケーレ “ザ・シャーク” シンドーナをモデルにしたとされる。
彼は1989年、1990年、1992年、1995年のシーズンに出演し、がん治療による休養を経て2001年に復帰した。

『フォードvSフェラーリ』での存在感

ジェームズ・マンゴールド監督作『フォードvsフェラーリ』(2019)では、自動車界の巨人エンツォ・フェラーリを演じ、その威厳あふれる姿で強烈な印象を残した。米『ハリウッド・リポーター』の批評家トッド・マッカーシーは、彼を「中世の領主とマフィアのボスを合わせたような人物」と評し、『フォードvsフェラーリ』で、ヘンリー・フォード2世(演:トレイシー・レッツ)を見下す描写が印象的だったと記している。

演劇から映画へ、半世紀のキャリア

1948年12月1日、東アフリカのエリトリアにイタリア人の両親のもとに生まれたジローネは、ローマの国立ドラマ芸術アカデミーで演技を学び、1970年代半ばから舞台や映画で活躍。主にイタリア国内で精力的に活動し続けた。

2021年にはヴェネツィア国際映画祭とフラヤーノ映画祭で生涯功労賞を受賞し、その功績が讃えられた。

家族と私生活

遺族には1982年に結婚した女優ヴィクトリア・ジニーのほか、継子のヴェロニカとカールがいる。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

【関連記事】

スポンサーリンク

類似投稿