【北米興収ランキング】『トロン:アレス』初登場1位も前途多難か|『鬼滅の刃』が北米外国語映画歴代1位を達成!

ジャレッド・レト、『トロン:アレス』より 写真:Leah Gallo/Disney
ジャレッド・レト、『トロン:アレス』より 写真:Leah Gallo/Disney
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『トロン:アレス』、北米1位獲得も製作費回収に懸念

今週末の北米興行収入ランキングが発表された。首位に立ったのはディズニーの『トロン:アレス』だ。同作は北米4,000館規模で公開され、初週興行収入は北米で3,350万ドル(約50億円)、全世界で6,050万ドル(約89億円)を記録した。

ただし、税制優遇措置や製作インセンティブを差し引いた同作の実質製作予算は1億8,000万ドル(約267億円)にのぼっており、製作費に対しては期待を下回る初週成績となっている。

『トロン』シリーズは1982年に第1作が公開されるとカルト的な人気を博した。続編『トロン:レガシー』(2010年)の公開までは28年も費やしたものの、この続編は、世界興行収入は4億990万ドル(インフレ調整前)を達成した。『トロン:アレス』は元ディズニー幹部のショーン・ベイリーが約10年をかけて推進したプロジェクトだ。

『トロン:アレス』より 写真:Courtesy of Disney
『トロン:アレス』より 写真:Courtesy of Disney

『トロン:アレス』の評価は賛否両論で、映画評論サイトRotten Tomatoesの批評家スコアは57%だが、観客スコアは87%を記録している。別のサイトPostTrakでは星5つのうち4つ星を獲得した。なお競合作品も少なく、初週はIMAXやドルビーシネマ、その他のプレミアム大型スクリーンの67%を同作が占めるという好条件のもとで公開された。

『トロン:アレス』は中国を除く全世界で公開中。中国ではこの週末に公開される。

チャニング・テイタム主演『Roofman』は低予算ながら好スタート

2位にはミラマックスパラマウント製作のロマンティック犯罪コメディ『Roofman(原題)』がランクインした。同作の実質製作予算はわずか1,900万ドル(約29億円)だが、3,300館規模で推定800万ドル(約12億円)の興行収入を記録し、ほぼ予測通りの結果を出している。

同作はチャニング・テイタムキルスティン・ダンストが出演し、デレク・シアンフランスが監督を務めている。困窮した退役軍人が、マクドナルドの屋根に穴を開けて強盗を繰り返したことから『ルーフマン』と呼ばれ、脱獄後に玩具店トイザらスの店内に潜伏する様子を描いたコメディである。

同作の評価は高く、Rotten Tomatoesの批評家スコアは85%、観客スコアは84%を叩き出した。PostTrakでは星5つ中4つを獲得し、シネマスコアでもB+の評価を受けた。

『ワン・バトル・アフター・アナザー』『死霊館』が粘りを見せる

大ヒット中のレオナルド・ディカプリオ主演、ポール・トーマス・アンダーソン監督作『ワン・バトル・アフター・アナザー』は3位につけた。北米興行収入は前週比39%減の推定670万ドル(約10億円)で、全世界累計興行収入は1億3,800万ドル(約205億円)を突破した。

同作はシネマスコアA+を獲得したものの、公開3週目としては減少幅が大きく、今後の興行成績を不安視する専門家もいる。

レオナルド・ディカプリオ、映画『ワン・バトル・アフター・アナザー』より
レオナルド・ディカプリオ、映画『ワン・バトル・アフター・アナザー』より © 2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED. IMAX® is a registered trademark of IMAX Corporation. Dolby Cinema® is a registered trademark of Dolby Laboratories

ニュー・ライン・シネマワーナー・ブラザース製作の『死霊館 最後の儀式』はいまだ2,300館規模で公開中で、今週は300万ドル(約4億円)を記録して5位にランクイン。同作は北米累計興行収入2億3,340万ドル(約345億円)、海外累計興行収入3億ドル(約443億円)の大台を突破した。

もう一つの注目作は、6位にランクインした新作『Soul on Fire(原題)』だ。1,700館規模で封切られた同作は、わずか300万ドルの実質製作費に対し、ほぼ同額の興行収入を初週で達成した。ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント傘下のアファーム・フィルムズが製作した同作は、シネマスコアAを獲得している。

『鬼滅の刃 無限城編』が北米でついに快挙達成!

日本発の大ヒットアニメ映画『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』は今週、約300万ドルを加算し7位となった。北米累計興行収入は1億2,860万ドル(約190億円、インフレ調整前)に達し、『グリーン・デスティニー』(2000年)を抜いて北米における外国語映画としての歴代最高興行収入を更新した。

ⓒ吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
ⓒ吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

ドウェイン・ジョンソン主演、A24配給の『The Smashing Machine(原題)』は公開2週目にして興行収入は前週比約70%減の170万ドル(約3億円)にとどまり、8位にとどまった。現在、北米累計興行収入は980万ドル(約14億円)となっている。同作の製作費は、インディーズ映画としては高額の5,000万ドル(約74億円、マーケティング費を除く)に上っている。

ミニシアター系作品では、ローズ・バーン主演、A24制作の『If I Had Legs I’d Kick You(原題)』が4劇場で公開され、1館あたり平均推定2万7,000ドル(約400万円)超の好成績を記録した。

ルカ・グァダニーノ監督、ジュリア・ロバーツ主演、アマゾンMGMスタジオ製作による心理スリラー『After the Hunt(原題)』は、6劇場で公開され、1館あたり平均推定2万5,745ドル(約380万円)という好調なスタートを切った。同作はアイオウ・エディバリーアンドリュー・ガーフィールドマイケル・スタールバーグクロエ・セヴィニーらが共演し、大学内での性的暴行告発というテーマを描いている。

※為替レートは2025年10月13日時点の数値で換算しています。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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