永瀬正敏『おーい、応為』で“娘”長澤まさみの気遣いに感謝「身も心も助けられた」
俳優の長澤まさみが17日、主演映画『おーい、応為』の初日舞台挨拶を東京・TOHOシネマズ日比谷で行った。
長澤は共演のKing&Princeの髙橋海人、大谷亮平、永瀬正敏、大森立嗣監督とともに登壇。「映画館に足を運んでくださった皆さんと会うことで、公開したと感じられとてもうれいい」と満場の客席を見渡し笑顔を見せた。
葛飾北斎の娘で愛弟子でもあったお栄(後の葛飾応為)の奔放な人生と、父との絆を描く物語。北斎に「美人画では敵わない」と言わせたとされる応為を演じるに当たり、長澤は絵の練習を積み「北斎も応為に共通しているのは絵を描くことが好きなこと。それが親子の風景をつくっていったと思うので、練習の時間は大切だった」と満足げに話した。
北斎役の永瀬は、晩年に向かう設定のため「経年変化のように、どんどん小さくなりたかった。極端なやり方だけれど、順撮りだったのでできるなと思った」という。そのため、撮影中は飲まず食わずで過ごしていたが「長澤さんが毎朝、お弁当を作ってきてくれて、これがうまいんすよ。体のことを考えてくれて、身も心も助けられました」と感謝した。長澤も、「内容は控えさせていただきますが、お父さまが心配でしたので」と応じた。
同じく北斎の弟子の善次郎(後の渓斎栄泉)を演じた髙橋は、「2人の絵を描く姿勢やバチバチしている感情のグルーブを見ていて楽しかった。その空気に飲み込まれないようにした」と回想。だが、「撮影が2年前なので、7割くらい記憶がない状態だけれど忘れられない思い出になりました」と話すと、長澤に「7割忘れているんだよね」とツッコまれ照れ笑い。それでも、「3割が凝縮されて残っているんです」と抗弁し、会場の笑いを誘った。
大森監督は、文献などがほとんど残されていない応為について徹底したリサーチでオリジナル脚本を書き上げ「この親子には人生のいろいろな機微がある。素敵なお守りのような映画になってくれたらうれしい」と期待。長澤も「江戸の時代に淡々と、真っすぐに生きた親子の日々の物語をのぞき見するとうな気持ちで楽しんで」とアピールした。
取材/記事:The Hollywood Reporter Japan 特派員 鈴木元
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