子どもたちが次々に…『IT/イット ウェルカム・トゥ・デリー』監督が語る衝撃の真相【ネタバレ】
[本記事は『IT/イット ウェルカム・トゥ・デリー “それ”が見えたら、終わり。』シーズン1第1話「新たな恐怖」の重大なネタバレを含みます。]
HBOの新シリーズ『IT/イット ウェルカム・トゥ・デリー “それ”が見えたら、終わり。』のシーズンプレミアは、若き「ルーザーズ・クラブ」を中心に物語が展開するかと思いきや、映画館を舞台にした怒涛のクライマックスで、彼らの多くが無残に命を落とすという衝撃的な展開を迎えた。
さらに、オープニングでは別の少年マティが犠牲となり、視聴者の多くは「最初に1人が犠牲になるのは映画版『イット』と同じ流れだ、きっと他の子どもたちは大丈夫だろう」と油断したに違いない。だが、クリエイターたちは視聴者の予想を裏切る「惨劇の祭典」を仕掛けたのだ。
監督のアンディ・ムスキエティとプロデューサーのバーバラ・ムスキエティは、米『ハリウッド・リポーター』のインタビューで、この衝撃的な幕開けについて語っている。

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「何も神聖ではない世界」を見せたかった
「第1話の終わりに子どもたちが次々に命を落とすなら、『この世界では何も神聖ではない』という感覚を観客に与えられる。それが意図だった。この物語では誰も安全ではない。技術面、演出面ともに、冒頭からその緊張感を作りたかった」とアンディ・ムスキエティ監督は語った。

またムスキエティ監督は、トーンを保ちつつ意図的に構造を覆す演出を目指したと述べた。
「すでに2本の映画を作った後で、観客がお決まりの展開に慣れてしまうのを避けたかった。だから、今回は物語の構造そのものを覆すことで新鮮さを出したかった。強度やスペクタクルの面でもボリュームを上げる挑戦だった」と語った。
子どもたちは本当に命を落としたのか?
結末については意図的に曖昧にされているが、現時点では「おそらく危険な状況にある」と受け取られている(少なくとも1人は腕を失っている)。
また、冒頭のマティのシーン──車の中で閉じ込められ、運ばれていく場面──についても、現実に何が起きているのかという哲学的な質問が投げかけられた。
ペニーワイズは幻を見せることができるが、実際に車を所有しているわけではない。では、現実世界の観察者にはマティの姿はどのように映るのか。
ムスキエティ監督は次のように答えた。
「その問いに答えることは魔法を壊すことになる。『イット』の存在は、子どもたちが見たものを信じることで成り立っている。つまり、信じることと存在することは相互作用しているんだ。それは抽象的だけど、原作小説の中でも非常に重要なテーマなんだ。ルーザーズ・クラブの面々も『これは本当に存在するのか、それとも自分たちが信じているから存在するのか?』と自問する。だから、外部の視点から答えることはできない。マティが見えない車に乗っているのか、それともすべてが幻なのか……その謎こそが物語の核心なんだよ」
そして少し笑って付け加えた。
「その質問をされたのは初めてだ。本気で考えさせられたよ」

ペニーワイズ登場は“じらし”の演出
ちなみに、多くの視聴者が気になったであろう「ペニーワイズはどこにいたのか?」という点についても、ムスキエティ兄妹は意図的に登場を遅らせているという。
ムスキエティ監督は以前のインタビューでこう説明している。
「前半は『少ないほど効果的』という考え方で進め、後半では『多いほど楽しい』に切り替える構成にした。登場を遅らせることで、観客の期待感を高めたかったんだ。『いつ、どこでピエロが現れるのか?』という緊張感が、このシリーズの特別な味わいなんだ」

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※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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