日本アニメ産業、2024年に3.8兆円突破 海外市場が国内を大幅に上回る

『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』 写真:Koyoharu Gotoge SHUEISHA Aniplex ufotable/Sony Pictures
『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』 写真:Koyoharu Gotoge SHUEISHA Aniplex ufotable/Sony Pictures
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日本のアニメ産業が、2024年に過去最高となる約3兆8,000億円(約250億ドル)の市場規模を記録したことが明らかになった。前年比14.8%増という大幅な成長で、国内外での人気拡大が牽引した。これは、劇場版『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』が歴史的ヒットを記録する前の段階で達成された数字だ。

このデータは、東京国際映画祭と同時開催されたコンテンツマーケット・TIFFCOMで、一般社団法人日本動画協会(AJA)が発表した年次報告書『アニメ産業レポート2025』の速報値によるもの。

海外市場が国内を上回る構図が定着

報告書によると、海外市場の収益は全体の56%にあたる約2兆1,700億円(約142億5,000万ドル)に達し、国内市場は約1兆6,700億円(約109億7,000万ドル)で全体の44%を占めた。海外売上の伸びは前年比26%増と著しく、国内の2.8%増を大きく上回った。

AJA報告書の主任執筆者・長谷川正彦氏は次のように述べている。
「海外市場はすでに国内を大きく上回っており、この差は今後さらに広がるでしょう。現在の成長は配信権だけでなく、劇場上映、グッズ、イベントなどを包括した包括契約によるものです」

『鬼滅の刃』&『チェンソーマン』が続く快進撃

今回の統計には、2025年も続く『鬼滅の刃』の世界的成功はまだ含まれていない。同作は9月12日に公開され、世界興行収入約970億円(約6億7,000万ドル)を突破し、日本映画史上最高の記録を更新した。
さらに、10月24日に公開された劇場版『チェンソーマン レゼ篇』も世界で約200億円(約1億3,900万ドル)の興行収入を上げ、話題を呼んでいる。両作品ともソニー傘下のアニメ配信部門クランチロールソニー・ピクチャーズによって配給された。

制作スタジオの収益も過去最高を記録

アニメ業界の中核である制作スタジオの売上も好調で、前年比9.1%増の約4,662億円(約30億6,000万ドル)を記録。うち海外からの収益は約1,188億円(約7億8,100万ドル)に達した。AJAによると、アニメ産業は2009年以降、パンデミック期も含めて一度も縮小しておらず、2020年には初めて海外売上が国内を上回ったという。

日本アニメは今や世界的な産業へと進化しており、AJAは「日本の創造力が今もアニメビジネスの中心にある」と強調している。

※為替は1ドル=152円(2025年11月現在)で換算。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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