パラマウントが『ラッシュアワー4』配給へ最終交渉──トランプ大統領の後押しでブレット・ラトナー電撃復帰か
ハリウッドに大きな激震を走らせそうな動きとして、パラマウントが『ラッシュアワー4』の配給契約締結に向けて最終段階に入っている。これが実現すれば、スキャンダルにより表舞台から遠ざかっていたブレット・ラトナー監督にとって、大手スタジオ作品への本格復帰作となる見込みだ。
契約が成立した場合、パラマウントは本作の配給を担当し、配給手数料を受け取ることになるが、製作費自体の負担は行わないという。
本作では、ジャッキー・チェンとクリス・タッカーが再びコンビを組む予定であり、ラトナーにとっては2017年に性的不祥事を告発されて以来、初の劇場映画となる可能性がある。

大ヒットシリーズを育てたブレット・ラトナー
ラトナーはミュージックビデオやCM演出で成功を収めたのち、1998年のシリーズ第1作『ラッシュアワー』で一気に映画監督としての名を広めた。続く2作も手がけ、シリーズ累計の北米興行収入は5億ドル(約780億円※)を超える大ヒットとなっている。
※2025年11月26日時点の為替レートで換算

性的非行告発と「ハリウッド追放」
ラトナーは2017年、ロサンゼルス・タイムズの報道をきっかけに6人の女性から性的非行を告発され、事実上ハリウッドから締め出されることになった。同報道では、俳優ナターシャ・ヘンストリッジが強制的なオーラルセックスを強いられたと証言したほか、オリヴィア・マンもまた、駆け出しの頃に撮影現場のトレーラーへ食事を届けた際、ラトナーが彼女の目の前で自慰行為をしたと訴えている。(なお、ラトナー側は一貫して不正行為を否定している。)

どのスタジオも手を出さなかった『ラッシュアワー4』
ラトナーは長年にわたり論争の的であり、いずれのスタジオも彼を起用したり、『ラッシュアワー4』に着手したりすることを避けてきた。それでも彼とパートナー陣は、ソニーやライオンズゲート、さらには旧経営陣時代のパラマウントなど、複数のスタジオや配信プラットフォームに企画を売り込み続けてきた。(なお、昨年には複数の関係者が米『ハリウッド・リポーター』に対し、『ラッシュアワー』シリーズを手がけてきたワーナー・ブラザース、そしてその傘下のニューライン・シネマが、数年前に『ラッシュアワー4』のライセンスを他社に許諾していたと明かしている。)

メラニア夫人ドキュメンタリーで復帰の足がかり
そんなラトナーがハリウッド復帰への足がかりをつかんだのは今年に入ってからだ。アマゾンがメラニア・トランプ大統領夫人を題材にしたドキュメンタリーの配給権を獲得し、その作品をラトナーが監督することが発表されたのである。これは、ラトナーが性的非行やハラスメントの告発を受けて以来、初めての映画作品となる。同ドキュメンタリーはメラニア本人の協力のもと製作されており、さらに今後、三部構成のドキュメンタリーシリーズも展開される予定だ。

トランプが動かした『ラッシュアワー』復活劇
トランプが、ラトナーの『ラッシュアワー』復活劇の鍵を握っていた可能性がある。今回の動きは、ドナルド・トランプ大統領が強く後押しした結果だと報じられており、トランプはラリー・エリソン、そしてパラマウントの新オーナーであるスカイダンスを率いる息子デヴィッド・エリソンと深い関係を持つ。ニュースサイト『Semafor』の報道によれば、トランプはワーナー・ブラザース買収を視野に入れているエリソン親子に対し、パラマウントへ『ラッシュアワー』の復活(さらにジャン=クロード・ヴァン・ダム主演のアクション作『ブラッドスポーツ』(1998年)の復活も)を直接働きかけたという。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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