『キル・ビル』幻のエピソードが『フォートナイト』で実現! タランティーノが明かす「失われた章」の制作秘話とは
フォートナイトとの会議で始まった“失われた章”プロジェクト
クエンティン・タランティーノがオンラインゲーム『フォートナイト』側とのミーティングに臨んだとき、すでに展開の予感があったという。
「キャラクター使用のライセンスの話や、どんな企画が面白くなるかといったアイデアを求められるだろうと思って会議に出向いたんだ。だが、彼らはまったく別のことを考えていた」と、タランティーノは現地時間11月19日(水)、ロサンゼルスの自らの劇場「ヴィスタ・シアター」で開催された特別イベント“Fortnite Now Playing”で満席となった劇場の観客を前に語った。
「彼らは実に無邪気にこう尋ねてきたんだ。『8~12分くらいの尺で、うちの企画にちょうど良さそうなものはありませんか?』とね。『あなたの代表的なキャラクターたちを必ず登場させてくれ』とは言わなかったが、その意図は暗に伝わってきた」とタランティーノは明かす。
『キル・ビル』初稿に眠っていた「失われた章:ユキの復讐」
幸運にも『フォートナイト』のスタッフにとっては、タランティーノがちょうど彼らの目的に合いそうな“未使用のネタ”を手元に抱えていた。
それは、人気ゲームの新章ローンチにうってつけの、映画『キル・ビル』初稿の奥深くに眠っていた一篇である。作品名は『The Lost Chapter: Yuki’s Revenge(失われた章:ユキの復讐)』である。タランティーノいわく、このパートは脚本こそ書いたものの結局撮影には至らなかった。
「やりたかったが、あまりにクレイジーで、アクション過多すぎて実現できなかったんだ」と語る(参考までに、『キル・ビル Vol.1』(2003年)と『Vol.2』(2004年)を合わせた上映時間は4時間41分に及ぶ)。
双子の妹ユキが挑む“ザ・ブライド”への復讐譚
『ユキの復讐』が描くのは、ユマ・サーマン演じる“ザ・ブライド”への復讐の旅である。主人公ユキは、残虐な戦いぶりで知られる女子高生戦士・ゴーゴー夕張の双子の妹である。ゴーゴーは、ルーシー・リュー演じるオーレン・イシイのボディガードとして、Vol.1の血飛沫が舞う連続シーンでクレイジー88やオーレンとともに葬られたキャラクターだ。
タランティーノはこの“失われた章”を引っ張り出し、『フォートナイト』側に送ったという。すると反応は即答だった。「彼らは『これでいこう』と言った。そしていまに至る」というわけだ。
タランティーノとユマ・サーマン、ロサンゼルスの劇場イベントに集結
当日、ヴィスタ・シアターのステージには、タランティーノに加え、『The Lost Chapter: Yuki’s Revenge(失われた章:ユキの復讐)』で再び“ザ・ブライド”を演じたユマ・サーマン、そしてトークの進行役としてポッドキャスト番組『ザ・ビッグ・ピクチャー』のホストであり、メディア「The Ringer」のコンテンツ責任者でもあるショーン・フェネッシーが登壇した。フェネッシーはクリップ集を紹介しつつ、タランティーノとサーマンを交えてトークを展開した。

客席には『フォートナイト』の熱心なファン、プレス関係者、インフルエンサー、VIPらが詰めかけ、映画監督イーライ・ロスの姿も見られるなど、会場は特別イベントにふさわしい熱気に包まれていた。

ユマ・サーマンが語る、再び“ザ・ブライド”を演じる喜び
ショーン・フェネッシーはサーマンに対し、今回のアニメーション短編で“ザ・ブライド”を再演した感想を尋ねた。単なる声の出演にとどまらず、モーションキャプチャー技術を用いて全シーンを実際に演じたことについて、サーマンは「本当にクールだった。映画にとってまったく新しいオーディエンスに届くのだから」と語る。そして、タランティーノとの再タッグが何よりうれしかったと付け加えた。「私たちは映画の世界ですばらしい時間を共に過ごしてきた。想像しうる最高の経験ばかりだわ。この人と過ごしてきた時間より特別な体験をした人なんて、そうそういないはずよ」

ゲームと映画が交差する「ユキの復讐」、いよいよ公開へ
『The Lost Chapter: Yuki’s Revenge(失われた章:ユキの復讐)』で監督を務め、ビル役の声も担当したタランティーノは、『フォートナイト』ファンと『キル・ビル』ファンの「あまりに大きなクロスオーバー」に興奮したと語った。「新シーズンの幕開けとして、これは最高の方法だと思う。ずっと日の目を見せたかった“失われた章”なのだから」

エピック・ゲームズのUnreal Engineで制作された『The Lost Chapter: Yuki’s Revenge(失われた章:ユキの復讐)』は、米国東部時間(ET)11月30日午後2時に『フォートナイト』で初公開される。また、ファンは劇場版『Kill Bill: The Whole Bloody Affair』とともにスクリーンで鑑賞することも可能だ。これはVol.1とVol.2を、タランティーノが当初望んでいた形で一挙上映する特別作品で、12月5日より米国、カナダ、英国の参加劇場で公開される予定である。


※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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