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【2025年】各国の大ヒット映画5選!日本『国宝』からインド、欧州、南米まで国別に紹介

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【2025年】各国の大ヒット映画5選、吉沢亮、映画『国宝』より
吉沢亮、映画『国宝』より 写真:GKIDS
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2025年の年間興行収入ランキングが各国で発表され、多くの国・地域で『マインクラフト/ザ・ムービー』や実写版『リロ&スティッチ』といったハリウッドの大作が上位にランクインした。そんな中、それぞれの国・地域で制作された映画も存在感を示した。

本記事では、2025年に各国でヒットした地元制作の映画を5本ピックアップして紹介する。


1.『国宝』(日本)

『国宝』写真:GKIDS
『国宝』 写真:GKIDS

吉田修一の小説を原作とする『国宝』は、東宝配給によって6月に日本で公開されると、異例のロングランヒットを記録した。12月時点で国内興行収入178.7億円を突破し、実写邦画の国内歴代最高記録を塗り替える大ヒットに。第98回アカデミー賞において国際長編映画賞のショートリストにも選出された。

歌舞伎をテーマとする本作では、主人公の喜久雄を吉沢亮が演じ、その子ども時代を黒川想矢が演じている。父を亡くした喜久雄は、歌舞伎一門の当主である花井半二郎(演:渡辺謙)に引き取られ、歌舞伎界のスターへと成長していく。

本作は米『ハリウッド・リポーター』のレビューで、「芸術、野心、血統について描き、心を揺さぶるすばらしい物語」と評された。

なお日本の2025年興行収入ランキングでは、7月に公開された『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が157日間で興収386.1億円を記録し、首位に立った。

2.『チャーヴァ』(インド)

インド映画『チャーヴァ(原題:Chhaava)』
インド映画『チャーヴァ(原題:Chhaava)』 写真:Maddock Films

ラクスマン・ウテカル監督による歴史アクション大作『チャーヴァ(原題:Chhaava)』は、インドにおける2025年最大のヒット作の一つとなり、ヒンディー語映画としても今年トップの興行収入を記録した。

本作はヴィッキー・コウシャルが主演を務め、マラーター王国の第2代国王であるサンバージーの生涯が描かれる。コウシャルの演技は高く評価されたものの、ストーリーはやや複雑で批評家の評価は賛否両論だった。

それでも、サンバージーらがムガル帝国に抵抗し戦う壮大な物語に、インドの観客は熱狂した。本作は12月中旬時点で、インド国内で約8,500万ドル(約132.6億円)、国外で約1,100万ドル(約17.2億円)という興行収入を記録している。この大ヒットによって、インド国内における今年上半期の劇場収益は昨年比14%増という驚異的な伸びを見せた。

3.『ダス・カヌ・デス・マニトゥ』(ドイツ)

ドイツ映画『ダス・カヌ・デス・マニトゥ(原題:Das Kanu des Manitu)』
ドイツ映画『ダス・カヌ・デス・マニトゥ(原題:Das Kanu des Manitu)』 写真:Constantin Film

ドイツでは、西部劇コメディ『ダス・カヌ・デス・マニトゥ(原題:Das Kanu des Manitu)』が大ヒットした。本作は、ドイツ映画として当時歴代最高の興行収入を記録した『マニトの靴』(2001年)の続編である。

ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒが監督・主演を務める本シリーズは、コメディ番組『ブリーパレード(原題:Bullyparade)』を映画化したもの。ブリー・ヘルビヒはアパッチの酋長アバハチを演じている。『マニトの靴』では、アバハチは実の兄弟レンジャー(演:クリスチャン・トラミッツ)と共に「マニトの靴」と呼ばれる財宝を探す旅に出る。

続編では、兄弟の友人であるディミトリ(演:リック・カヴァニアン)も含めて「伝説のカヌー」をめぐる新たな冒険が始まり、笑いとアクションが繰り広げられる。

本作は8月にドイツで公開されると、12月中旬までに5,700万ドル(約88.9億円)以上の興行収入を記録している。ドイツ国内では『マインクラフト/ザ・ムービー』や『リロ&スティッチ』を抑え、本作が今年の興行収入トップに立った。

4.『ホモ・アルヘントゥム』(アルゼンチン)

アルゼンチン映画『ホモ・アルヘントゥム(原題:Homo Argentum)』
アルゼンチン映画『ホモ・アルヘントゥム(原題:Homo Argentum)』 写真:Pampa Films

『ホモ・アルヘントゥム(原題:Homo Argentum)』は16本の短編からなるオムニバス作品だ。本作はアルゼンチン映画として2025年最大の興行収入を記録し、コロナ禍以降最大のヒット作となった。

本作は社会風刺を含み、16の物語はそれぞれアルゼンチンの現代社会におけるさまざまな問題や矛盾を浮き彫りにした。ガストン・ドゥプラットとマリアノ・コーンが共同脚本・監督を担当し、アルゼンチンのスター俳優ギレルモ・フランチェラが主演を務めている。

右派として知られるアルゼンチン大統領ハビエル・ミレイが本作を絶賛したことで物議を醸したものの、興行成績にそれほど影響はなく、観客からの支持を集めた。

製作側は、用意した40本の物語から16本を厳選した。米『ハリウッド・リポーター』の情報によれば、同作の興行的成功を受け、今回選ばなかった短編24本を使用した2作の続編が作られる可能性もあるという。

5.『マッドリー』(イタリア)

イタリア映画『マッドリー(英題:Madly)』
イタリア映画『マッドリー(英題:Madly)』 写真:Karlovy Vary Film Festival

パオロ・ジェノヴェーゼ監督のラブコメディー映画『マッドリー(英題:Madly)』は、イタリア国内で2,100万ドル(約32.8億円)の興行収入を記録し、2,300万ドル(約36億円)以上を稼いだ『リロ&スティッチ』に次いで年間ランキング2位に入った。また、コロナ禍以降のイタリア映画として最大のヒット作となった。

つい最近離婚した50歳の男性ピエロ(演:エドアルド・レオ)は、既婚男性と別れたばかりの35歳の女性ララ(演:ピラール・フォリアティ)とバーで出会い、彼女の家で初デートの約束をする。恋愛に悩む2人は互いの自我をぶつけ合い、葛藤しながらも関係を進めていくが……。

本作ではピエロとララの内なる声が言葉で表現されており、人間の感情を擬人化して描いたディズニーピクサーの『インサイド・ヘッド』(2015年)に近い特徴がある。2人の関係性はかなり普遍的で、観客からの共感を集めた。こうしたストーリーは国境を越えて親しまれやすく、各国でリメイクの企画が立ち上がりそうだ。

※為替レートは2025年12月25日時点の数値で換算しています。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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