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ジェームズ・キャメロン、『アバター』賞レースの心境からビリー・アイリッシュ新作ライブ映画まで語る|米THRポッドキャストに登場

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ジェームズ・キャメロン、『アバター』からビリー・アイリッシュまで語る
ジェームズ・キャメロン 写真:Pascal Le Segretain/Getty Images
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映画監督のジェームズ・キャメロンが米『ハリウッド・リポーター』のポッドキャスト「Awards Chatter」に登場した。

現在71歳のキャメロンは、自身の代表作の一つ『タイタニック』(1997年)や公開中の最新作『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』、そして共同監督を務めたビリー・アイリッシュのコンサートフィルム『ビリー・アイリッシュ – HIT ME HARD AND SOFT : THE TOUR (LIVE IN 3D)』について語った。

超大作にもかかわらず――作品賞のオスカーを逃した『アバター』

『アバター』(2009年)は第82回アカデミー賞で作品賞を含む9部門にノミネートされたが、その年の作品賞は『ハート・ロッカー』(2009年)が受賞した。また、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(2022年)は第95回アカデミー賞で作品賞を含む4部門にノミネートされたものの、作品賞は『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(2022年)の手に渡った。

ジェームズ・キャメロン監督作品『アバター』
ゾーイ・サルダナとサム・ワーシントン、『アバター』より 写真:20thCentFox/Courtesy Everett Collection

この受賞結果について、キャメロンは次のように語った。

「1作目の『アバター』については、1票差で負けたのか500票差で負けたのか分かりません。2作目の『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』では全く競争に参加できませんでした。しかし、あの作品は私の映画の中でも、多くの点で最も美しい映画だと思っています」

「少しがっかりはしましたが、後から分析してみると、ハリウッドの映画制作コミュニティは、私の映画の作り方を正しく理解していないと思いました。恐らく、『これはよくある生成AIなどのコンピューターで作っているのだろう。演技のプロセスも完全に無視している』といった見方をされているのでしょう」

「私が生成AIを使用したことは一度もないにもかかわらず、反AI活動の影響を受けました。『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』でもAIは全く使用していません。とはいえ、皆さんに私の映画が評価されなかっただけのことかもしれません。しかし、私はこの作品の出来に満足しています」

『タイタニック』でジャックが生き残る可能性はなかった?

続いて、話題は『タイタニック』へと移った。同作のファンからは、「ローズ(演:ケイト・ウィンスレット)の乗るイカダにジャック(演:レオナルド・ディカプリオ)も乗れば、2人とも助かったのではないか?」という疑問が上がっている。

ジェームズ・キャメロン監督がタイタニック号で“生き延びる方法”を語る、レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレット、『タイタニック』より
レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレット、『タイタニック』より 写真:CBS/Getty Images

しかし、キャメロンはこれに反論した。

「皆さん、あのイカダのことは聞かないでください!撮影当時、ジャックが何らかの方法で生存できたかどうか、実験して確認しました。その答えは『ジャックに現代科学の知識があれば、そして運が良ければ、理論的には生存できた可能性もある』というものです。つまり、1912年当時に彼が生き延びることはあり得ませんでした。しかし、私がそう答えても、誰も聞いてくれなかったのです」

元妻キャスリン・ビグローとの絆が『アバター』につながった

キャメロンの元妻であるキャスリン・ビグローが監督を務めた『ストレンジ・デイズ/1999年12月31日』(1995年)で、キャメロンは原案・共同脚本・プロデュースを担当した。同時期にキャメロンは『アバター』の企画にもすでに取りかかっていた。『ストレンジ・デイズ/1999年12月31日』は、後に『アバター』シリーズに登場する「バーチャル体験」をテーマとしていた。

これについて、キャメロンは現代社会とも絡めて回答した。

「今や、ソーシャルメディアは『バーチャル体験』の場となっています。要するに、誰かの体験をのぞき見したり、人生を共有したりする感覚です。誰もが他の誰かにフォローされ、自分の行動を見てほしいと思っています。『ストレンジ・デイズ/1999年12月31日』で描いたものとは大きく異なりますが、あの作品はかなり時代を先取りしていました」

「これは、メディアがどこに向かっているかを示す自然な流れのように思いました。私はSF映画を中心に制作しており、当時のSF文学界では『ニューロマンサー』(1984年)などのサイバーパンクが主流でした。『ストレンジ・デイズ/1999年12月31日』はこのサイバーパンクと一緒くたにされてしまったため、苦戦したのだと思います。本作はVR(仮想現実)の世界観とはまったく異なります。だからこそ、『もはやプライバシーの概念が消滅してしまった』という点で、現代のソーシャルメディアと共通点が多いのです」

「キャスリンもこの考えに共感し、私たちはSF版『血を吸うカメラ』(1960年)を撮ろうと思いました。具体的な技法としては、POV(一人称視点)というアイデアに惹かれ、これをどう実現するかを模索しました。ストーリーの点でも映像表現の点でも、非常にワクワクしました。夫婦時代に『ハートブルー』(1991年)を共に制作したこともあり、私は彼女を完全に信頼していました」

3Dライブ撮影のきっかけは「ビリー・アイリッシュの母親」

また、キャメロンは3月20日(金)に公開される『ビリー・アイリッシュ – HIT ME HARD AND SOFT : THE TOUR (LIVE IN 3D)』について、制作のきっかけや裏話を明かした。

『ビリー・アイリッシュ - HIT ME HARD AND SOFT : THE TOUR(LIVE IN 3D)』より @HENRYHWU
『ビリー・アイリッシュ – HIT ME HARD AND SOFT : THE TOUR(LIVE IN 3D)』より 写真:@HENRYHWU

「ビリー・アイリッシュとのプロジェクトは、突然始まりました。ビリーの母親であるマギーと私には、ビーガンという共通点があります。彼女は、食の選択やサステイナビリティについて非常に関心が高く、ビリーのツアーに合わせてフードプログラムを実施しています。また彼女は、ビーガンのアスリートたちを追ったドキュメンタリー映画『ゲームチェンジャー:スポーツ栄養学の真実』(2018年)の続編にエグゼクティブ・プロデューサーとして参加予定です」

「この続編は3D映画になる予定で、その3Dデモを彼女に見せた時、私が『ビリーのライブを3Dで撮ったら、すばらしいものになるよ』と言ったのです。そうしたら彼女は『ビリーに聞いてみる』と答えてくれました。そんな中、ビリーともやり取りが進み、私に共同監督のオファーをしてくれました」

「皆さんがあのショーを観れば、きっと驚くでしょう。本当に美しく、すばらしいステージでした。だから3Dで撮影したいと思ったのです。昨年8月にイギリスへ渡り、2週間で4公演と、その前にも2公演を撮影しました」

▼キャメロンが出演したポッドキャスト「Awards Chatter」はこちらから。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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