映画『急に具合が悪くなる』追加キャスト解禁! 濱口竜介監督が初の海外撮影で描く命の対話、長塚京三らが出演へ
世界を舞台に独創的な映画表現を追求し続ける濱口竜介監督が、最新作『急に具合が悪くなる』を完成させた。本作は2026年に全国ロードショーを予定しており、今回、物語を彩る新たな日本人キャストとして長塚京三と黒崎煌代の出演が発表された。
▼『ドライブ・マイ・カー』の濱口監督が挑む初の海外撮影と国際共同制作

映画『ドライブ・マイ・カー』でアカデミー賞国際長編映画賞を受賞し、世界三大映画祭すべてで主要賞を獲得した濱口監督にとって、『急に具合が悪くなる』は初の海外撮影作品となる。フランス、日本、ドイツ、ベルギーの4カ国による国際共同制作という壮大なスケールで実現した。
■往復書簡が紡ぐ「命の対話」を映画化
原作は、哲学者・宮野真生子と人類学者・磯野真穂による往復書簡『急に具合が悪くなる』(晶文社)だ。がんの転移を経験しながら生きる哲学者と、臨床現場を研究する人類学者が交わした20通の重厚な対話が、濱口監督の手によってどのような映像言語に翻訳されるのかに期待が高まっている。
■世界を舞台に活躍するキャスト陣
すでに発表されていたキャストには、“仏版アカデミー賞”ことセザール賞の主演女優賞に輝いたヴィルジニー・エフィラや、世界的に活躍する岡本多緒といった実力派が名を連ねており、今回の追加キャスト発表によって、より重層的な人間ドラマが展開されることが予見される。
▼映画『急に具合が悪くなる』追加キャスト ― 長塚京三と黒崎煌代の役どころ
新たに発表された長塚京三は、東京国際映画祭主演男優賞を受賞した『敵』でも圧巻の演技を見せた重鎮だ。『急に具合が悪くなる』では、岡本多緒演じる真理が演出する舞台に出演する俳優・清宮吾朗を演じる。
一方、清宮の孫・窪寺智樹役には、期待の新星・黒崎煌代が抜擢された。2人は主人公マリー=ルー(演:ヴィルジニー・エフィラ)と真理(演:岡本多緒)を引き合わせる重要な役割を担う。
■長塚京三が語る「濱口メソッド」の本質

長塚京三は、本作の脚本を読んだ際の衝撃を次のように振り返っている。「あの原作がこのホン? あまりに自由な想像力の奔流に圧倒され、しまいには感動していました。日常のやり取りというより、もっぱら舞台上で俳優の口から発せられるセリフが主でしたので、初心に還って勉強し直しました。真面目だけが取り柄の学生で、ガリ勉は得意でしたから」
また、濱口監督独自の演出法についても「僕は濱口監督の演出は、古典的なまでにオーソドックスだと思っています。答えは既にテクストの中にある。役者は書かれたそのままを伝えればいい。ひたすらシンプルに、清澄に」と、その本質を鋭く分析した。
■黒崎煌代が体験した「リハーサルの魔法」

黒崎煌代は、濱口組での経験を「魔法のような体験でした」と表現し、その緻密なリハーサルについてこう述べている。
「監督が緻密に設計したリハーサルの流れに身を委ねていると、気づけばゴールの目前に立っているような。そんな不思議な体験に何度も静かな驚きを覚えました。監督からすべてを指示されたわけではない。かといって、すべてを委ねられていたわけでもない。ただ、監督と結んだ約束のようなものがありました。私はその約束を守り続けることで、智樹を演じきることができました」
▼濱口竜介監督が全幅の信頼を寄せるキャスト陣の「きらめき」

濱口竜介監督自身も、今回出演した日本人キャスト陣に多大な信頼を寄せており、長塚京三については「いつかお仕事をしたいと願っていた方。これほどのキャリアがありながら、リハーサル時点から信じられないぐらい謙虚で、熱心で、感動してしまいました」と敬意を表した。
また黒崎煌代に対しても「単純に人間として、とても好きになってしまいました。どの声も、動きも、名前の通りにきらめいているような、そんな印象を受けます」と、その才能を高く評価している。監督は、撮影現場で2人が見せた知性と誠実さに胸が震えたと語り、作品への確信を覗かせた。
▼映画『急に具合が悪くなる』あらすじ
舞台はフランス、パリ郊外の介護施設「自由の庭」。施設長であるマリー=ルー・フォンテーヌは入居者を人間らしくケアすることを理想としつつ、人手不足やスタッフの無理解などに悩まされている。そんな中、マリー=ルーは森崎真理という日本人の演出家に出会う。
がん闘病中の真理の描く演劇に勇気をもらったマリー=ルー。同じ名前の響きを持つ偶然に導かれて、2人の交流が始まる。しかし、あるとき真理は「急に具合が悪くなる」。真理の病の進行とともに、2人の関係は劇的に深まり、互いの魂を通わせ合うようになる。
映画『急に具合が悪くなる』は、2026年全国ロードショー。
<映画『急に具合が悪くなる』作品情報>
■監督・脚本:濱口⻯介 ■原作:宮野真生子・磯野真穂著『急に具合が悪くなる』(晶文社)
■出演:ヴィルジニー・エフィラ、岡本多緒、⻑塚京三、黑崎煌代
■製作:Cinefrance Studios, オフィス・シロウズ, ビターズ・エンド, Heimat Film, Tarantula
■提供:Soudain JPN Partners フランス=日本=ドイツ=ベルギー合作
■公式 X:@FilmAOAS
記事/和田 萌

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