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タイのパッチャラキッティヤパー王女、4年の昏睡の末に47歳で死去――王位継承問題にも注目集まる

タイのパッチャラキッティヤパー王女、47歳で死去
タイ王国のパッチャラキッティヤパー王女 写真:Rungroj Yongrit/EPA
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タイ王国のマハー・ワチラーロンコーン国王の長女で、タイ国内で「パー王女」の愛称で親しまれていたパッチャラキッティヤパー・マヒドン王女が、現地時間6月11日(木)に47歳で死去したとタイ王室が発表した。

王女は約4年にわたる昏睡状態が続き、今年5月には容体が悪化していた。

4年の昏睡状態の末に死去――法曹・外交でタイ王室を支えた王女

王女は2022年12月、飼い犬の訓練中に心臓疾患を発症して重篤な状態となり、入院していた。タイ王室によると、この心臓疾患はマイコプラズマ感染症によるものだと推測されている。

入院後、王女の健康状態に関する公式発表はほとんど行われていなかったが、今年5月初旬に容体が急変。タイ王室は「複数の臓器に及ぶ感染症によって症状が悪化し、不整脈が安定しない状態にある」と発表した。

声明によると、4月には胃の感染症が確認され、その後、腸に炎症が広がったことで血圧の低下と不整脈が発生。腎機能と呼吸は医療機器によって維持されていたという。

パッチャラキッティヤパー王女は1978年、当時皇太子だったワチラーロンコーン殿下と、その妻で従姉妹であるソムサワリー王女の間に生まれた。コーネル大学で博士号を取得するなど高い学識を備え、オーストリア大使や検察官、王室警護司令部などで要職を歴任したほか、国連薬物犯罪事務所(UNODC)の親善大使も務めた。また、女性受刑者の権利向上にも積極的に取り組んでいた。

王女の死去により、タイ王室の王位継承問題にも改めて注目が集まっている。タイでは厳格な不敬罪法によって、王室に関する公的な議論が厳しく制限されており、王族への批判は1件につき最長15年の禁錮刑が科される可能性がある。

ワチラーロンコーン国王には7人の子どもがおり、そのうち王族の称号を持つのはパッチャラキッティヤパー王女、シリワンナワリー王女(38歳)、ティパンコーン王子(20歳)の3名である。

多くの専門家は、パッチャラキッティヤパー王女を有力な王位継承候補とみなしていたが、その可能性について王室が公式に言及したことはなかった。なおタイでは、これまで女性君主が即位した前例もまだない。

他の4人の息子たちは、1990年代半ばに国王が元俳優のスジャリニーとの離婚を発表した後、海外で生活するようになった。一方、彼らの妹であるシリワンナワリー王女はタイに帰国し、王族の一員として育てられた。

長年疎遠となっていた4人の王子たちは、2023年に数十年ぶりにタイを訪問。その後も数回帰国したものの、2025年にはタイへの入国を拒否されたと主張している。

なお、国王はソムサワリー王女と1991年に離婚しているが、彼女は現在も王族の称号を保持しており、王室の重要な一員としての立場を維持している。

エンタメ界で存在感を高めるタイ、王室の動向にも注目

王室への注目が集まる一方、エンタメ界でもタイは年々その存在感を増している。1860年代のシャム(現在のタイ)を舞台とするブロードウェイミュージカル『王様と私』は日本でも人気を博し、長きにわたり上演されている。

タイ映画『愛しのゴースト』(2014年)や『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017年)、『おばあちゃんと僕の約束』(2024年)は世界でも高く評価され、それぞれタイ映画歴代興行収入記録を塗り替えた。

また、日本でも2020年代に入り、「タイBLドラマ」や「タイポップ(T-POP)」音楽が急速に人気を伸ばしている。日本人にとっては“微笑みの国”としてなじみ深いタイだけに、今後の王室の動向にも注目が集まりそうだ。

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