シンガポールが「ラグジュアリーホテル・ブーム」の真っ只中: 美食から映えスポットまで
シンガポールを“初心者向けのアジア”と評する監督のジョナサン・フィニガンは「安全・清潔で英語も通じる。そして美味しい食べ物にも困らない」と語る。
東南アジア本土の先端に位置し、タイやイギリスの影響を受けマレー・中国などの文化が混ざり合ったシンガポール。現在は「ガーデン・シティ」として知られ、世界持続可能観光協議会(GSTC)の“Destination Criteria”に新たに認定されている。
今年はラグジュアリー・ホスピタリティが盛んだ。全190室の「シンガポール・エディション・ホテル」をはじめ、豊かな植物に囲まれた「アーティゼン・シンガポール」もオープン予定。さらに、セントーサ島には全62のプライベートプール付きの「ラッフルズ セントーサ リゾート&スパ」が建設され、初めての完全ヴィラ型の施設となる。
6月には、新たに2か所の宿泊施設がお披露目された。チャイナタウンとダクストン・ヒルの交差点に位置する「モンドリアン シンガポール ダクストン」(334ドル/1泊ほか)は、LAのロビン・カーターがデザインを手がけた。屋根は70年代のハリウッド風、ショップハウスにインスパイアされた現代建築で、アンソニー・ボーデンが世界最高のブッチャーと評したダリオ・チェッキーニのレストランが入っている。スタイリッシュで賑やかな雰囲気に包まれ、特にバー“Jungle Ballroom”では東南アジアの料理や地酒を楽しめる。ダクストン・ヒルには、一流のギャラリーやレストランが集中している。
今月オープンした「パン・パシフィック・オーチャード」(341ドル/1泊ほか)は、4つの野外テラス“Sky Terraces”付きの緑の生い茂ったタワー。首都の真ん中に位置しながらも、トロピカルな空気を醸し出している。オーチャード・ロードからは数分で、贅沢なショッピングや食事を求めるゲストには最高のロケーションだ。ホテルの食事は、意匠を凝らした地中海料理や牡蠣に特化している。
2019年にリニューアルした「ラッフルズ・シンガポール」(742ドル/1泊)は、あのエリザベス・テーラーやエヴァ・ガードナーも宿泊したというホテルで、映画『クレイジー・リッチ!』の撮影も行われた。“シンガポール・スリング”誕生の地“Long Bar”をはじめ、アラン・デュカスの“Osteria BRR”、インドの絶品料理を提供する“Tiffin Room”などのレストランが営業中だ。開始したてのプログラム“Retreat by Raffles”には、豪華なスパやガイド付きの植物園ウォーキングが含まれており、その他シンガポール交響楽団の面々に一対一で対面できる“Suite Serenade”パッケージも提供されている。
1971年にオープンした史上初の「シャングリ・ラ ホテル」(225ドル/一泊ほか)は、15エーカーの敷地面積に150万もの植物が生い茂った全792室のホテル。多くの大統領が宿泊した“The Valley Wing”では無料のシャンパンやハープの生演奏から、“Summit Room”での朝食まで楽しむことができる。ホテルはトレンドの「スリープ・ツーリズム」に乗じ、緊張をほぐすマッサージやカスタマイズ枕などを含む新たなパッケージを提供している。
「フォーシーズンズ・ホテル シンガポール」(444ドル/1泊ほか)は“Nobuレストラン”でおかわり自由のブランチを提供開始し、2022年にはミシュラン2つ星の“四川飯店”が入った「ヒルトン・シンガポール・オーチャード」がオープンした。コロナ禍に開業した「デュシット タニ ラグーナ シンガポール」(275ドル/1泊ほか)では、野外バスタブやタイ式スパが付いたスイートが提供されている。
「買い物と食事なら、シンガポールは最高の場所の1つ」とフィニガン監督は明かした。さらに米Showtimeの元SVP、ロビン・ガーニー氏は「デンプシー・ヒルにはレストランやお店が集まっていて、ミシュランの料理や本場の味を求めるならミンジャンです」とコメント。そして「ティオン・バル」のマーケットでは、伝統的なシンガポール料理の屋台も楽しめる。
涼しい朝や午後には、象徴的な「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」で過ごすのもオススメだ。“Supertree Observatory”や“OCBCスカイウェイ”も外せないスポットで、“Cloud Forest”では映画『アバター』の体験イベントも開催されている。チャンギ空港に隣接する「ジュエル・チャンギ空港」には屋内で世界最長の滝が流れており、家族向けのアクティビティは最後までシンガポールの豊かな緑を思い出させてくれるだろう。
※今記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら。翻訳/和田 萌