元従業員に性差別で訴えられたロバート・デ・ニーロが証言台に
性差別と報復行為で提訴されたロバート・デ・ニーロが30日、ニューヨーク地方裁判所で証言台に立った。
デ・ニーロの所有会社「Canal Productions」の元制作・財務担当VP、グレアム・チェイス・ロビンソン氏は、同俳優が“下品で不適切、かつ性差別的なコメント”をしたと主張。また低賃金で酷使され、罵詈雑言だらけのボイスメールを送りつけられたという。さらに洋服直し・洗濯といった性別に基づく仕事をするよう求められたと主張している。
原告側は「ロバート・デ・ニーロは古いモラルに固執している人。男性は女性を対等に扱うべきだという考えを受け入れない。職場での男女差別が法律に違反することも気にしない。ロビンソン氏は、このような態度の犠牲者なのです」と述べている。
報復行為に関する告発は、デ・ニーロの恋人ティファニー・チェンとのやり取りが事の発端だ。ロビンソン氏は、嫉妬を募らせたチェンによって仕事を追い出されたと主張している。
ロビンソン氏は最初の訴えで、少なくとも1200万ドルの損害賠償を請求していた。
2021年7月のロビンソン氏による提訴の約2年前、Canalが同氏を相手取って600万ドルの訴訟を起こしていた。ロビンソン氏が会社のクレジットカードを乱用したことや、勤務中の怠慢などが主張された。
ロビンソン氏側は、Canalを辞職し同氏の弁護人がデ・ニーロに対して性差別訴訟を起こすことを検討していると伝えた後、その報復として提訴されたと主張している。
先月30日、双方が冒頭弁論を行なった。原告側は、チェンがメールで“このクソ女を自分の居場所に戻すべき”とデ・ニーロに送ったことを指摘。被告側は一方で、報復行為とデ・ニーロとロビンソン氏の“恋愛関係”も否定。その他、ロビンソン氏が退職前に巨額の経費を請求し、500万スカイマイルを口座に送金していたことなども主張された。
デ・ニーロは、原告側の最初の証人として証言台に立った。仕事の一環として“あらゆること”を要求されたという主張に反論し、頼む仕事は“慎重に”選んでいたとした。原告側の弁護人に対し、デ・ニーロは午前4時半に背中を痛めたことでロビンソン氏に電話かけたことはあったが、その一回限りだったと認めている。
また、ロビンソン氏の肩書きはアシスタントからVPに変わったが、同氏が“強引に”それを要求したのであって、責任は変わらないとし、デ・ニーロは「仕事、それが現実だ。肩書きは重要ではない」と述べた。
法廷では双方がヒートアップし、判事に諫められる一幕もあった。裁判は、今月10日まで続く予定だ。
※今記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら。翻訳/和田 萌