「あぶない刑事」8年ぶりに“帰ってきた”、3時代駆け抜け舘ひろし「新しい感覚で撮った映像」

俳優の舘ひろし(73)と柴田恭兵(72)がコンビを組む人気刑事ドラマ「あぶない刑事」の映画最新作の製作発表が1日、都内のホテルで行われた。タイトルは「帰ってきたあぶない刑事」」に決定。1986年のテレビドラマ放送開始以来、昭和、平成を駆け抜け、2016年の映画「さらばあぶない刑事」でフィナーレを迎える予定だったが、8年ぶりにタカ&ユージが令和によみがえる。

これまで連続ドラマ2シリーズとスペシャルドラマ1本、映画は7本が製作され累計の観客動員は700万人を超え、興行収入は98億円に達している人気シリーズ。8年のブランクには、柴田が「最初はノリノリではなかったが、3~4年すると舘さんに会いたくなるんですよ」と素直な心情を吐露。舘も、「このシリーズは恭さま(柴田)のものだと思っている。恭さまがいれば何も怖くなく安心します」と呼応した。

前作で定年となり、ニュージーランドで探偵になった2人が横浜に舞い戻り探偵事務所を開設するところから物語は始まる。ストーリーの詳細は未発表だったが、舘は「刑事になるまでのプロセスは話せないけれど、1日署長みたいなものかな」と含みを持たせた。

原廣利監督をはじめ、スタッフは全員が初めて“あぶ刑事”を手掛ける若手で、先月29日にクランクアップ。舘は、「若い監督やスタッフが新しい感覚で撮った映像で、全く違う“あぶ刑事”になっている。期待してください」と新機軸を強調。柴田も、「スタッフは、舘さんが現場に入るとダンディー鷹山として見て、僕が入ってもセクシー大下として見てくれる。年寄をかばうのではなくリスペクトしてくれてやりやすかった」と満足げに振り返った。

共に古希を超えているが、アクションに関しても舘が「俺はハーレーに乗っているだけだから楽だけれど、恭さまは大変だったと思う」と配慮しつつ、手放しショットガンに期待をあおった。柴田も「全力疾走しましたけれど、72歳2カ月とテロップを入れてほしい」と自虐交じりに明かし、華麗なステップシークエンスに含みを持たせた。

もちろん、開始からのレギュラーだった浅野温子、仲村トオルも出演し、舘は「このメンバー4人がそろうと最強だといつも思う。再び出会えてうれしい」と断言。浅野は主演2人に対し、「本当に変わらない。もうゾンビ」と、演じる真山薫のような個性的な表現で称賛した。

ただ一人、仲村は港署捜査課長にまで昇進している設定だが、「めでたい感じで言われたけれど、近年は大きな会社の社長や総理大臣までやったことに比べるとビックリするくらいの格下げ」と嘆き節。ベテランとなっても“あぶ刑事”ではとろい動物扱いで、実人生では絶対にしたくない、バンジージャンプのような人生を楽しくやりました」と自虐的に語り、笑わせた。

「帰ってきたあぶない刑事」は、来年5月24日に公開される。

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴⽊ 元

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