「火の鳥 エデンの花」手塚治虫氏の誕生日に公開、宮沢りえ「どこかで見ていてくれている」
手塚治虫氏の名作「火の鳥 望郷編」をアニメーション映画化した「火の鳥 エデンの花」が3日、全国96館で封切られた。主人公のロミを担当した宮沢りえをはじめ窪塚洋介、イッセー尾形、吉田帆乃華の声優陣は東京・新宿バルト9で初日舞台挨拶を行った。
この日は手塚氏の誕生日。宮沢は、「偶然か必然かは分かりませんが、凄くうれしいです。火の鳥は手塚さんだと思っていて、どこかで見てくれていると思います」と感慨深げに話した。
地球から辺境の惑星に逃亡してきたロミが、コールドスリープにより1300年の時を越えて再び故郷を目指す愛と冒険の物語。「きれいでダイナミック、宇宙は無限に広がっていると実感できる映像。ロミがコールドスリープから目覚めるシーンはアフレコでも感動して、全ての人の心が満たされる瞬間が凄く好き」とアピールした。
火の鳥の生き血を飲めば永遠の命が得られるとされているが、イッセーが「飲んだら副反応が怖い。不老は少し欲しいが、それを受け入れるのも人間の一つの力だと思っている」と泰然とした構え。これには宮沢も、「10代、20代は若さがあって希望に満ちていて、挫折もあったけれど乗り越えての50歳。今の私に豊かさをもたらしてくれているし、宝物のような経験をなくしたくない。素敵な先輩を見ていると年を重ねることも楽しそう」と同調した。
ロミの夫ジョージ役の窪塚は声優初挑戦だったが、「少ない出番で凄く短い収録となったが、その中で力を発揮できなくなった」と自虐。見どころを問われても「僕の登場シーン以外の全て」と自らダメ出しする落胆ぶりだ。
一方で、こちらも初の声優でロミと出会う少年コム役に抜擢された9歳の吉田が、「最初は緊張したけれど、皆さんが優しく教えてくれて声を合わせていくうちにだんだん楽しくなってきた」とはきはき答えると、窪塚は「やっぱり違う」と最敬礼。宮沢も、「コムの声が入った状態でのアフレコだったので、今日、吉田さんの声を聞きながら『コムだあ~』とミーハーな気持ちになりました」と称えていた。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴⽊ 元