アジア・フィルム・アワード、作品賞は『悪は存在しない』、監督賞は『怪物』で是枝裕和監督が2年連続受賞
アジア全域のアカデミー賞と呼ばれる第17回アジア・フィルム・アワード(AFA)の授賞式が10日、香港の戯曲センターで行われた。
最優秀作品賞は、濱口竜介監督の『悪は存在しない』が受賞。
濱口監督はスケジュールの都合で欠席したため、音楽の石橋英子が「濱口監督が来ることができなかったのは残念ですが、キャスト、スタッフの皆さんの力のおかげです。私たちはここに来られて、楽しい時間を過ごせています」と感謝した。
石橋は最優秀音楽賞も射止め、「長い道のりでしたが、一緒に歩んできた道のりが奇跡のようでした。皆さんの仕事がなければ、私の音楽もなかったと思います」と感慨に浸った。
最優秀監督賞は、『怪物』の是枝裕和監督が昨年の韓国映画『ベイビー・ブローカー』に続く2年連続受賞。
審査委員長の黒沢清監督からトロフィーを受け取り「本当に光栄です。脚本の坂元裕二さんをはじめ素晴らしいスタッフ、キャストと出会えたことが、この賞を頂けた一番大きな僕の才能ではないかと思います」と喜びをかみしめた。
そして、「来年は作品がないのですが、またこの場で映画を愛する皆さんとこの時間を共有できたらうれしい」と来年の参加も公約した。
『PERFECT DAYS』の役所広司が最優秀主演男優賞に輝いたが、第96回アカデミー賞授賞式への出席でロサンゼルスに滞在中のため欠席。
『ゴジラ-1.0』の関係者も同様に欠席したが、最優秀特殊効果賞と最優秀音響賞の2部門を制した。
また、アジア映画界、アジア文化における業績と貢献を称える「Excellence in Asian Cinema Award」に選ばれた鈴木亮平は英語でスピーチ。
「今年は何もノミネートされていないので、とてもリラックスしてここに立っています。昨年は、トニー・レオンさんのせいで最優秀主演男優賞を逃しました。今夜が、未来の新しいプロジェクトの始まりになるかもしれません。そして、いつか一緒に映画を作れることを本当に願っています」とユーモアを交えて語り、会場を沸かせた。
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