カンヌ国際映画祭、没入型コンペティション部門を新設
この部門では、「ストーリーテリングの境界を押し広げる」バーチャルリアリティと拡張現実の没入型作品を表彰する。
カンヌがマルチバースに突入する。
5月に開催される第77回を迎えるカンヌ国際映画祭は、没入型ストーリーテリングに特化した新しいコンペティション部門を立ち上げる。
没入型コンペティションの第1回目は、バーチャルリアリティ、拡張現実、その他の最先端技術を使用して「従来のストーリーテリングを超越し、観客を他の世界、物語、時代に運ぶ」8作品を上映。この部門はコンペティション形式で、映画と没入型アート界の専門家による国際審査員が最優秀没入型作品賞を決定する。さらに、カンヌ映画祭は、非競争の没入型作品のキュレーションセレクションを上映する。
この新しいコンペティションは、「従来の2次元の映画スクリーンを超えて、ストーリーテリングを再定義し、物語主導の新しい体験を生み出している次世代の国際的なアーティストにスポットライトを当てることを目的としている」と、カンヌの主催者は述べる。
このセクションは、フランスの国立映画委員会であるCNCの支援を受けて開催される。フランスの電子音楽のパイオニア、ジャン=ミシェル・ジャールが公式パトロンを務める。
主要な映画祭の中では、ヴェネツィア国際映画祭が2017年から没入型映画に特化したヴェネツィア・イマーシブ部門を設けるなど、没入型映画の最前線に立っている。しかし、カンヌは2017年にアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の『Carne y Arena(バーチャルに存在し、物理的に見えない)』がオフィシャル・セレクションの一部として上映された時、VR映画をオフィシャル・セレクションで初めて上映した主要な映画祭となった。
没入型作品は、カンヌ市郊外のカンヌ・シネウム・コンプレックスの展示スペースと、2021年に開校したカンヌのジョルジュ・メリエス大学(映画学校)のキャンパスで上映される。
カンヌ市は、このセクションの目的を「カンヌを没入型クリエーションと新興の芸術分野である人工知能(AI)のグローバルハブとして位置づけること」とする。
没入型のサイドバーは5月15日から24日まで開催される。2024年のカンヌ国際映画祭は5月14日から25日まで開催予定だ。
※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら。