キリアン・マーフィー『Small Things Like This』予告編でカトリック教会との闘いに挑む
『Small Things Like This(原題)』の予告編が、11月8日の劇場公開に先駆けてライオンズゲートより公開された。オスカー受賞者キリアン・マーフィが、カトリック教会公認の地元修道院での秘密の虐待に悩まされる石炭商と父親を演じる。
修道院に石炭を配達していたビル・ファーロング(マーフィー)は、母親が幼い娘を彼女の意思に反して無理やり中に連れ込むのを目撃。「ママ、お願い!やめて!やめて!と叫ぶ娘を、無言のファーロングが見守る。
クリスマスを目前に控えた1985年を舞台に、修道院への配達を続けるファーロングは、自分自身の言葉にならない悲しみや幼少期のトラウマと向き合うことを余儀なくされ、道徳的な選択を迫られる。予告編の中でファーロングは、地元の修道院で起こっている残虐行為を目の当たりにしながら「そこにあるものについて、自分の発言に気をつけなさい」と警告されている。
クレア・キーガンの受賞作を映画化した『Small Things Like This』。背景には、アイルランドのカトリック教会が 「堕落した女性たち 」の雇用と教育を目的として運営した売春宿、マグダレーン・ランドリーズの実際の歴史がある。
この女子修道院は最終的に1996年に閉鎖された。その後アイルランドではカトリック教会をめぐるスキャンダルが大々的に報道され、調査された。
この映画がオープニング・ナイトを飾ったベルリン映画祭でのTHRの批評はこうだ: 「この俳優のここでの仕事は、『オッペンハイマー』での、物腰は柔らかいが堂々とした、多くの同業者から顰蹙を買うような傲慢さをほのかに漂わせる人物像とは対照的である。ビルは控えめだが深くまともな男で、大人になってからはできるだけ場所を取らずに過ごしてきたように見える。彼の青白く表情豊かな目は、傷ついた世界や、驚くべき経験によって表面に引き戻されたトラウマを伝えている」。
『Small Things Like This』はマーフィーと彼のパートナーであるBig Things Filmsのアラン・モロニーによって製作された。ベン・アフレックと、マーフィーの『オッペンハイマー』の共演者マット・デイモンが経営するスタジオ、アーティスト・エクイティが出資・製作した。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。翻訳/山中 彩果