日本初の快挙!金森慧監督のアニメ作品『Origami』が“学生版オスカー”で銀賞

金森慧監督のフルCGアニメーション作品『Origami』写真: kei kanamori
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現地時間14日、米アカデミー主催の第51回学生アカデミー賞がロンドンで開催され、日本の金森慧監督によるフルCGアニメーション作品『Origami』が銀賞を受賞した。本アワードにおいて、日本の作品が受賞するのは初となる。

学生アカデミー賞は、新進気鋭のグローバルな才能に活躍の場を提供することを目的として、1972年に設立。過去の受賞者には『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のロバート・ゼメキスをはじめ、ピート・ドクター(『モンスターズ・インク』)、スパイク・リー(『ブラック・クランズマン』)ら錚々たる監督たちが名を連ねている。

今年は、世界738の学校から過去最多の2683作品が応募され、ナラティブ、ドキュメンタリー、エクスペリメンタル、アニメーションの4部門で計12作品が受賞作品として選出。受賞作品はすべて、第97回アカデミー賞の短編映画部門の選考対象となる。

学生アカデミー賞授賞式に参加した金森慧監督

金森監督は今年3月、デジタルハリウッド大学を卒業。卒業制作にあたる『Origami』は、正方形の紙がさまざまな折紙の生き物に折られていく様子を描く。正方形からあらゆる形状に変形し、広げれば元の正方形に戻るという折紙の特徴を、土から生まれ土に還る「生命」と重ねている。

従来のアニメ作品における折紙の表現とは一線を画し、監督自身の知識を取り入れながら紙の構造を細部に至るまで再現。オリジナルでデザインしたメインキャラクターに加え、鶴や蛙などの伝承の折紙も数多く登場する。

受賞に際し、金森監督は「『折紙』という日本文化をテーマにした作品が、世界のアカデミーの舞台で評価いただけたことを大変嬉しく思います」と喜びをかみしめた。そして、「折紙は私の創作活動の原点であり、この作品はこれまでの集大成のようなもの」と明かし、「この受賞が、日々作品制作に励む学生たちにとって少しでも勇気となれば嬉しいです」と期待を寄せた。

【金森慧(かなもり・けい)プロフィール】

2001年生まれ、東京・東久留米市出身。デジタルハリウッド大学卒。幼少期から洋画に親しみ、映画のCG制作に興味を抱く。大学在学中に制作したCG作品が、SNSや国内外のコンテストで高く評価された。
卒業制作作品として、小学1年からの趣味である折り紙と自然をテーマにした『Origami』を制作。同作は、アジア最大級のSSFFといったアカデミー賞公認の国際短編映画祭で上映され、第51回学生アカデミー賞・銀賞に輝いた。
現在は海外での活躍を目指し渡航準備を進めつつ、Rock In Japan Fes 2024のタイトル映像を担当するなど、国内でフリーのCG映像作家としても活動中。

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<作品>

文/和田 萌

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