役所広司『八犬伝』の興行に「たくさん来てくれるのでは」と期待、五輪連覇の阿部一二三も応援
俳優の役所広司と磯村勇斗が24日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われた映画『八犬伝』の先行上映で舞台挨拶に登壇した。役者は満場の拍手を浴び、「多分、たくさんのお客さんが来てくれるんじゃないかな」と、25日からの興行に期待した。
2人は「八犬伝」の作者・滝沢馬琴とその息子・宗伯役で初共演で、役所は「磯村くんの映画もたくさん見ていて、素晴らしい俳優だとは思っていたが、ますます魅力を感じることができた」と評価。宗伯は病弱でやせ細っていく設定のため、「死に向かって日に日にやせていく姿を見て、最終日はこのままあの世に逝ってしまうのではないかというくらいで心配していた」と気遣った。
対する磯村は、「あこがれもあったので現場では緊張したが、ぜいたくで貴重な時間を過ごせました」と感激の面持ち。「現場がお好きのようで、ずっといて空気をつくってくださった。感情的なシーンで集中している姿を見て、キャリアを積んでいても役と向き合うことを忘れない心を大事にしようと学びました」と感謝した。
28年をかけて「八犬伝」を完成させた馬琴になぞらえ、磯村が「これから達成したいことは何ですか?」と質問。役所は、「子供の頃から一つのことをやり遂げたことがなくて。俳優の仕事は何となく続けているが、完璧にはできない。ただこの何年かは、次にやるとうまくいくかもと思えるようになった。限りはあるでしょうけれど、セリフが覚えられなくなるまでは頑張ってみたい」と生涯現役を宣言した。
さらに、東京、パリ五輪を連覇した柔道66キロ級の阿部一二三が応援ゲストとして登場し、「本当に感動しました。失明しても完成させる馬琴のあきらめない心が奇跡を呼んだと思う」と絶賛。役所は、「柔道家の心に響くとは思わなかった」とうれしそうに話した。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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