アカデミー賞 2025:作品賞の有力候補を一挙紹介!『グラディエーターII』、『デューン2』ほか
現在、熱が高まっている賞シーズン。2025年のアカデミー賞作品賞の有力候補12本をピックアップした。
■『ANORA アノーラ』
ショーン・ベイカー監督(配給:Neon):
・あらすじ:エスコートの女性が、大富豪の息子と取引を交わす。そこにギャングが絡んでくる。
・期待できる理由:過去4回のパルムドール受賞作のうち3作品がNeon配給作品としてアカデミー賞作品賞にノミネートされ、そのうち1作品(『パラサイト 半地下の家族』)が受賞している。
・懸念される理由:インディーズ系のベイカー監督とその型破りなビジョンは、一部の投票者にとって受け入れがたいかも…?
■『ブリッツ ロンドン大空襲』
スティーヴ・マックイーン監督(配給:Apple)
・あらすじ:ロンドン大空襲時代、シングルマザーと息子が離ればなれになる。
・期待できる理由:時代物としての信頼性と、過去にオスカーの寵児となったS・マックイーン監督。
・懸念される理由:『プライベート・ライアン』、『ダンケルク』、『1917 命をかけた伝令』など、近年の第二次世界大戦を題材とした映画は期待に応えられていない。
■『The Brutalist(原題)』
ブラディ・コーベット監督(配給:A24)
・あらすじ:ホロコーストから逃れた建築家が、アメリカに渡って壮大な人生を送る。
・期待できる理由:3時間を超える壮大なビジョン。
・懸念される理由:3時間を超える壮大なビジョン。
■『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』
ジェームズ・マンゴールド監督(配給:サーチライト)
・あらすじ:ボブ・ディランがニューポートでエレキギターを手にし、誰もが嵐から身を守る必要に迫られる。
・期待できる理由:『フォードvsフェラーリ』で躍進したマンゴールド監督が、今度はゴールを目指す。さらに、ティモシー・シャラメが伝説的アイコンを演じる。
・懸念される理由:ロックとフォークの対立という題材は、2024年の時点で十分な重要性を持つのだろうか?
■『Conclave(原題)』
エドワード・ベルガー監督(配給:フォーカス)
・あらすじ:法王が亡くなり、誰もがその座を狙う。
・期待できる理由:まじめな装いの中に秘められた、おいしい楽しみがある。
・懸念される理由:テーマ性は十分なのか?また、物議を醸す結末。
■『デューン 砂の惑星PART2』
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督(配給:ワーナー・ブラザース)
・あらすじ: ポール・アトレイデスが新しい同盟を結び、さらなる戦いに挑む。
・期待できる理由: 長年にわたって勢いを築いてきたシリーズと監督。
・懸念される理由: 遠い惑星を舞台にしたSF大作や3月公開作品は、しばしば人々の記憶から薄れていく傾向にある。
■『Emilia Pérez(原題)』
ジャック・オーディアール監督(配給:Netflix)
・あらすじ:典型的なスペイン語のカルテル・スリラーと、ミュージカル要素を含むトランスジェンダーをテーマにした家族ドラマを融合。
・期待できる理由: その大胆不敵さと、時事的な関連性。
・懸念される理由: 「Netflixには投票しない」という考えの投票者は、まだ存在するのだろうか?
■『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』
リドリー・スコット監督(配給:パラマウント)
・あらすじ:成長したルシアスが栄光を取り戻すためにローマに戻ってくる。
・期待できる理由: ローマ時代劇と歴史大作へのノスタルジー。
・懸念される理由: 「2001年にもこの映画を称えなかった?」
■『The Seed of The Sacred Fig(原題)』
モハマド・ラスロフ監督(配給:Neon)
・あらすじ:抑圧的なイランの家族が政治によって引き裂かれる。
・期待できる理由: 地政学的な共鳴と、映画と共にイランを脱出した監督。
・懸念される理由: 作品賞は、外国語作品があまり選ばれない。
■『September 5(原題)』
ティム・フェールバウム監督(配給:パラマウント)
・あらすじ:1972年のミュンヘンオリンピック期間中、ABCニュースのコントロールルームでの1日。
・期待できる理由: 大きなメディア・トピックに対するソーキン風の緊迫感。
・懸念される理由:国際的なインディーズ作品は、投票者が知っているような多くのクルーや監督がいないと苦労する。さらに、イスラエルとパレスチナの紛争も背景にある。
■『ウィキッド ふたりの魔女』
ジョン・M・チュウ監督(配給:ユニバーサル)
・あらすじ:魔女のエルファバとグリンダが旅を始める。
・期待できる理由:『キャッツ』なのか、『シカゴ』なのか?
・懸念される理由:『シカゴ』なのか、『キャッツ』なのか?
■『野生の島のロズ』
クリス・サンダース監督(配給:DWA/ユニバーサル)
・あらすじ:ロボットのロズは動物の島に上陸し、感情を学ぶ。
・期待できる理由: ハートフルで親しみやすいAI映画。また、すでにヒットしている。
・懸念される理由:ノミネートされたアニメ映画は過去3本のみ。どれも受賞に至っていない。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌
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